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コンロの処分には、法律で定められた事項が関係します。
特にガスを使用するコンロの場合、火災や火傷といった事故を回避しながら安全に処分できるような配慮が欠かせません。
しかし、コンロは種類が多く、処分の方法も異なります。まずは、ご自分が処分したいコンロがどの種類なのか把握し、具体的に処分方法を決定していきましょう。
この記事では、コンロを安全に処分する方法を7つご紹介します。
引越しや老朽化に伴い不要になったコンロを処分する際はご参考になさってください。
この記事でわかること
- コンロの種類・違い
- コンロの処分方法
- コンロの処分にかかる費用
- コンロを処分する際の注意点
コンロの種類と違い
コンロと呼ばれる機器には、次の3種類があります。
- カセットコンロ(卓上タイプのガス調理機器)
- ガスコンロ
- 電気コンロ
それぞれの違いについて、確認しておきましょう。
1.カセットコンロ
カセットコンロは、ガスを用いた卓上タイプの調理機器です。
燃料のガスは、カセットボンベと呼ばれる小型のガスボンベから供給するため、場所を問わず使用できます。
屋内外を問わず使用できるので、卓上での調理の他にもキャンプやアウトドア、非常時の備えとしても便利です。
カセットボンベは取り外しが容易なので、交換も簡単に行えます。
コンパクトで持ち運びも容易な点が魅力のカセットコンロですが、火力が弱い点は弱点で、調理できる範囲が限定されるほか、大量の調理にも向きません。
火力の強い調理機器であらかじめ調理を済ませた料理の仕上げ・温め直しの場面や、あくまでも非常用として使用するのがよいでしょう。
2.ガスコンロ
ガスコンロとは、都市ガスやプロパンガスを燃料として使用する加熱調理機器です。
キッチンから独立した据え置き型と、システムキッチンに組み込まれたビルトインタイプの2種類があります。
カセットコンロは熱源が1口ですが、ガスコンロは2口から3口のものが一般的で、用途に合わせて1口や4口のケースもあります。
ガスコンロはカセットコンロに比べて火力が強く、大量の調理にも適しています。
また、機能も豊富で、油過熱防止センサーや消し忘れ防止機能、立ち消え安全装置が標準装備されており、機能性が高いのもメリットです。
ただし、ガスコンロの移動や交換作業には注意が必要です。
まず据え置き型の場合は、横幅が56cmもしくは60cmの2パターンがあるので正しく選ぶ必要があり、10kg前後の重量があるので持ち運びはかなり重労働になります。
また、ガス栓につながっているので、作業前にガスの元栓を閉めるといった手順を遵守する必要があります。
ビルトインタイプは重量があることに加えて、ガス管に接続されているので、取り外し作業は有資格者しか許されておらず、専門業者に依頼することが必須です。
3.電気コンロ
電気コンロとは、電気抵抗の大きい金属を用いた電熱線に電気を流して熱を発生させる電気式のコンロです。
電気コンロの種類はさまざまですが、代表的なものに次の3種類があります。
- シーズヒータータイプ
→耐久性が高く遠赤外線の放出量が多い - ハロゲンヒータータイプ
→温まるスピードが速く、電源を切った際に冷めるのも速い - IHクッキングヒーター(電磁誘導加熱)
→磁力で渦電流を発生させ、その電気抵抗によって鍋自体を発熱させることで加熱
ガスコンロに比べて火力が弱いという弱点はありますが、火を使わないので火災のリスクが少ないメリットがあります。
コンロを処分する7つの方法
コンロを処分する方法は以下の7つです。
- 不燃ごみ・資源ごみに出す
- 粗大ゴミに出す
- リサイクルショップに買取を依頼
- 不用品回収業者に回収を依頼
- フリマアプリやネットオークションに出品
- 引っ越し業者に回収を依頼
- 買い替えの際に販売店に引き取りを依頼
不燃ごみ・資源ごみに出す
カセットコンロのほとんどは、不燃ごみもしくは資源ごみとして処分できます。
ただし、自治体によって捨て方や分別が異なるため捨てる前にご確認ください。
カセットコンロ用のガスボンベの缶を処分する際は、ガスを使い切ってから穴を開けて処分するケースがほとんどですが、自治体によっては穴を開けずに処分するよう定めているケースもあります。
例えば、大阪市ではカセットボンベは中身を使いきり、穴をあけずに透明または半透明の袋に入れて、資源ごみとは別袋で捨てなければなりません。
カセットボンベを捨てる際は穴を開ける前に、お住まいの自治体における捨て方のルールを確認する必要があります。
また、カセットボンベに穴を開ける際は、屋外で火の気のない場所で作業を行ってください。
粗大ゴミに出す
ガスコンロは最長辺が56cmもしくは60cmの大きなゴミなので、自治体のゴミに出す時は粗大ゴミに分類されます。
なお、ガスコンロのホースやアルミ製のガスレンジのカバーは、不燃ゴミとして処分する自治体が多い傾向です。
ガスコンロを粗大ゴミに出す時の大まかな手順は、次の5ステップです。
粗大ゴミを出す流れ
- 粗大ごみ回収の申し込み
- 粗大ごみの処理券を購入
- 処理券に必要事項を記入
- 処理券を粗大ごみに貼り付ける
- 回収日になったら指定の場所に粗大ごみを出す
ガスコンロを粗大ごみに出す際の費用は、自治体によって異なります。以下は一例です。
各自治体のガスコンロの処分費用
自治体名 | 粗大ゴミ処分費用 |
---|---|
札幌市 | 500円 |
世田谷区 | 据え置きタイプ:400円 ビルトインタイプ:1,200円 |
練馬区 | 据え置きタイプ:400円 ビルトインタイプ:1,200円(粗大ごみ受付センターに持ち込んだ場合は半額) |
名古屋市 | 据え置きタイプ:250円 ビルトインタイプ:500円 |
西宮市 | 300円(ビルトインタイプは対象外) |
京都市 | 400円 |
福岡市 | 据え置きタイプ:300円 ビルトインタイプ:1,000円 |
なお、ビルトインタイプのコンロでも自治体によっては粗大ゴミで処分することができます。
しかし、システムキッチンに組み込まれたビルトインコンロはガス管が接続されており、取り外しは有資格者が行うよう法律で定められているので、ビルトインタイプのガスコンロを処分する際は業者に任せるのが一般的です。
リサイクルショップに買取を依頼
未使用のコンロや、故障等がなく汚れのほとんどないコンロであれば、リサイクルショップに買取依頼することができます。
ただし、次のようなコンロはリサイクルショップでは買取できないのでご注意ください。
リサイクルショップでは買取できないコンロ
- 全口センサーが搭載されていないコンロ
- 製造年が古い
- 動作しない
- 汚れがひどくこびりついている
最近のコンロは「Siセンサー(温度センサー)コンロ」と呼ばれており、すべてのバーナー(つまりコンロの全口)に調理油過熱防止装置と立ち消え安全装置が標準搭載されています。
これは2008年10月の法改正に伴い、すべてのコンロに搭載することが義務付けられています。
しかし、法改正前に製造販売されたコンロにはセンサーや安全装置が搭載されていないことがあります。
現在は全口にセンサーや安全装置が搭載されていないコンロの販売は法律で禁止されているので、リサイクルショップでも買い取りできません。
全口センサーを搭載していても、落ちない汚れがあったり使用感がある場合や、動作不良がある場合も買取を断られる可能性が高いでしょう。
リサイクルショップの在庫状況等によって買取できないことがある点にもご注意ください。
不用品回収業者に回収を依頼
コンロの処分は、不用品回収業者に依頼することも可能です。
不用品回収業者ならコンロが故障して動作しない場合や、製造年が古くてリサイクルショップで買取出来ない場合でも回収が可能です。
また、ビルトインコンロで自分では粗大ゴミに出すのが難しい場合も、不用品回収業者に依頼すると廃棄処理に必要な全ての作業を依頼できます。
さらに不用品回収業者に依頼すれば、コンロ以外の不用品もまとめて回収が可能です。
引っ越しの際など大量の不用品が出る際は、不用品回収業者をぜひご検討ください。
ただし、不用品回収業者の中には悪質な業者もおり、料金トラブルや不法投棄といった事態が発生する可能性もあります。
こういった不測のトラブルを避けるために、不用品回収業者を選定する際は複数の業者から見積もりを取り、慎重に検討したうえでご依頼ください。
フリマアプリやネットオークションに出品
問題なく動作するコンロや、ほとんど使用していないキレイな状態のコンロであれば、フリマアプリやネットオークションで出品する方法もあります。
新生活が始まる時期などは、リーズナブルに生活必需品を揃えたいニーズが高まる時期です。
コンロの状態やメーカー、製造年等によっては、希望の価格かつ短期間で手放すことができる可能性もあるでしょう。
しかし、フリマアプリやネットオークションを利用する場合は、出品から発送まですべての作業を自分で行う手間や時間がかかる点を考慮する必要があります。
特に手間がかかるのは、梱包から発送の作業です。
カセットコンロはともかく、ガスコンロの場合は据え置き型でも梱包は容易ではありません。梱包資材をどこで調達するかも考えておくべきでしょう。価格設定する際も、送料を考慮して決定する必要があります。
また、出品したからといって必ずしも売却できるわけではありません。
買い手が見つかるまで待つ時間的な余裕がある場合は、フリマアプリやネットオークションへの出品を検討すると良いでしょう。
フリマアプリでは、据え置き型のコンロの場合は最安値で送料別本体価格300円から販売されています。
引っ越し業者に回収を依頼
引っ越しに伴うガスコンロの処分であれば、引越し業者に依頼できるケースがあります。
以下は大手引越し業者のコンロの回収処分の対応についてまとめたものです。
引っ越し業者によるコンロ回収対応
業者名 | コンロの回収の可否 |
---|---|
トレファク引越 | 対応可能(製造から10年以内が目安) |
サカイ引越センター | 地域により対応可能なケースもあり・要相談(注1) |
日本通運 | オプションで引き取りできる場合もあり。要相談 |
ヤマト運輸 | 不可 |
アート引越センター | 不可(注1) |
アーク引越センター | 不可(注1) |
注1:家電リサイクル法対象製品(テレビ・エアコン・洗濯機・乾燥機・冷蔵庫)は有償で引き取り可能
グループ会社でリサイクルショップを運営するトレファク引越しでは、コンロの状態によっては回収可能なケースもあります。
不用品の処分は、引越し作業がスムーズに進むか否かを左右する重要な課題です。
引越し業者に見積もりを依頼する際、コンロをはじめとする不用品回収サービスの有無についても確認しておくことをおすすめします。
買い替えの際に販売店に引き取りを依頼
新しいガスコンロを買い換える場合に限り、古いガスコンロの回収と処分を販売店に依頼できることがあります。
ただし、ガスコンロは経済産業省の定める家電リサイクル法に基づく家電4品目に該当しないため、販売店には回収の義務がなく対応していない店舗が多いのが実情です。
古いコンロの回収を希望する際は、新しいコンロを購入する際に引き取りサービスの有無について販売店にご相談下さい。
不要なコンロはガス会社に引き取ってもらえる?
不要になったガスコンロの回収は、ガス会社に依頼できないケースがほとんどです。
例えば、大阪ガスでは不要なガスコンロの引き取りサービスはないので、粗大ゴミ等で処分する必要があります。
東京ガスも例外として東京ガスが販売したガスエアコンと衣類乾燥機に限り有料引取していますが、ガスコンロは対象外です。
東邦ガスでもガスコンロの処分は、所有者自身で行うよう案内しています。
ガス会社のほとんどが不要になったガスコンロの回収に対応していないので、ガスコンロが不要になった場合は前述の処分方法のいずれかで処分する必要があるでしょう。
ビルトインコンロを処分する際の費用相場
ビルトインコンロを処分する際に業者に依頼した場合、費用はいくら程度かかるのでしょうか。
工事業者の依頼にかかる費用は作業内容によっても異なります。およその費用相場は、以下の通りです。
ビルトインコンロに関する作業を業者に依頼した場合の費用
作業内容 | 費用(税込) |
---|---|
ビルトインコンロの取り外し | 1,000円~3,000円 |
ビルトインコンロのみの交換 | 15,000円〜23,100円 |
ビルトインコンロとオーブンの交換 | 55,000円 |
ビルトインコンロと収納庫の交換 | 55,000円 |
オーブンのみの交換 | 40,000円〜55,000円 |
コストを抑えるなら、有資格者でなければできない取り外し作業だけ依頼するのが最も安価な方法です。
ただし、ビルトインコンロは重量があるので1人で持ち運びするのは容易ではありません。
思わぬ怪我や機器の破損を避けるためにも、ビルトインガスコンロの処分や交換の際は業者に任せることをご検討ください。
コンロを処分する際の注意点
コンロを処分する際は、次の7点にご注意ください。
- 作業前にガスの元栓を閉める
- ガスホースを抜く際は慎重に作業
- ガスホースからガス抜きする
- 作業中はタバコや火気に注意
- 作業を行う際は軍手をつける
- コンロの電池を抜く
- 2008年10月以前のコンロは早急に処分する
作業前にガスの元栓を閉める
ガスコンロを処分する際は、必ずガスの元栓を閉めたことを確認してから作業開始してください。
ガスの元栓を開いたまま作業すると、ガスが漏れ出し、最悪なケースでは火災につながる可能性があります。
ガスホースを抜く際は慎重に作業
ガスのホースは、ガス漏れを防ぐために元栓部分に密着するような構造になっており、簡単には抜けません。
強引に外そうとすると怪我をする恐れがあるためご注意ください。
引き抜けない場合は、ハサミやカッターを用いてゴムの部分から切り取る方法もあります。
ガスホースからガス抜きする
ガスのホースを元栓から抜いたら、ホース内に溜まっているガスを抜いてください。
ホース内にガスが溜まったまま放置すると引火する危険があります。
作業中はタバコや火気に注意
コンロの処理作業を行っている最中は、タバコをはじめとする火気は厳禁です。
微量でも漏れ出て空気中を漂うガスに引火すれば、火災につながるほか、火傷を負う危険性があります。
コンロに関する作業の最中は、火の元に注意して安全に作業を終えてください。
作業を行う際は軍手をつける
コンロは金属製のため作業中に手を傷つける可能性があるので、コンロを処分する際は必ず軍手をつけてください。
また、コンロ本体やホースに油分が付着し汚れていることも少なくありません。
万が一のケガを防止する意味でも、作業を始める前に軍手を着用し、汚れても問題ない服装で作業にあたるのがよいでしょう。
コンロの電池を抜く
据え置き型のガスコンロや一部のカセットコンロでは、電池を使用します。
電池は着火するための火花を生み出す役割と、ガスコンロの安全装置を作動させるための動力源になっています。
粗大ゴミとしてコンロを処分する際は、電池を抜いてから捨ててください。使用済みの電池は自治体のルールに従って分別して捨てましょう。
2008年10月以前のコンロは早めに処分する
法改正以前の2008年10月より前に製造されたコンロは、全口安全センサーが装備されていない可能性があるため、販売すると法律により罰せられます。
安全センサーの搭載されていないコンロを使用し続けること自体は、罰則の対象ではない(※2023年4月時点)ものの、安全性が低い点が懸念されます。
また、ガスコンロの耐用年数は約10年です。20年以上使用しているガス器具の場合、機能や性能が低くなっており、不測の事故が発生する危険性もあります。
動作に目立った異常がないとしても、安全装置が装備されたコンロに買い替えることが推奨されます。
まとめ
コンパクトなカセットコンロは不燃ごみ、ガスコンロは粗大ごみとして処分できます。
2008年10月より前に製造されたガスコンロや動作不良・汚れがあるガスコンロも、リサイクルショップでの買取ができないため、廃棄処分する必要があります。
また、ビルトインタイプのガスコンロは取り外し作業に資格が必要なため、専門の業者に依頼しなければなりません。
こういった場合に便利なのが、不用品回収業者に依頼する方法です。
不用品回収業者に依頼すれば、コンロを含めた不要な物をまとめて処分することができます。
自分で作業する手間がないので、引越しや遺品整理、断捨離など、大量に不用品が出る場合はぜひ検討したい方法です。
不用品回収業者を探す場合は、ぜひ「不用品回収モール」をご利用ください。
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