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エンジンオイルは、車やバイクのエンジン内部での摩擦を軽減し、パーツを円滑に動かすための潤滑油です。エンジンの摩耗を防ぎ、冷却、清掃、密封などの機能も担っています。
エンジンオイルの交換間隔は、車や使用条件によって異なりますが、一般的には5,000kmから10,000kmごと、または半年から1年に一度の交換が推奨されています。
ただ、エンジンオイルの処分は、特に初めての方や普段車やバイクをあまり運転しない人にとっては馴染みがないかもしれません。そのため、適切な処分方法を知らない方も多いです。
この記事では、エンジンオイルの捨て方をまとめて紹介していきます。
使い古したエンジンオイルの捨て方だけでなく、購入して使わずに保管したままになっている未使用・未開封のエンジンオイルの処分方法についても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
- エンジンオイルは捨ててもいいものなのか
- 使用済みエンジンオイルを捨てる方法
- 未使用のエンジンオイルを処分する方法
- 異なる種類のオイルを処分する方法
そもそもエンジンオイルは捨ててもいいの?
エンジンオイルを捨てることは可能です!
使用済みエンジンオイルの処分方法にはいくつかの選択肢がありますが、最も一般的なのは「自治体のゴミ回収に出す」方法です。
ただし、エンジンオイルをそのまま液体の状態でゴミとして捨てることは禁止されています。適切な処分方法としては、まずオイルを専用の容器や廃油処理箱に移し、自治体の指定する方法で回収を依頼することが必要です。
事業をしていて大量のエンジンオイルを処分する必要がある人は、自治体のゴミ回収に出すことはできません。大量の産業廃棄物は専門の処理業者を通じて適切に処理する必要があります。
エンジンオイルを捨てる際に絶対にやってはいけないこと
エンジンオイルを捨てる方法がわからず、つい「バレなきゃいっか。」と考えがちですが、以下の3つの行為は絶対に避けてください。
他人の土地や空き地に不法投棄する
容器に入れたエンジンオイルを山林や無人の場所に捨てることは、環境汚染のみならず法的な罰則の対象となる行為です。
個人が不法投棄をした場合、廃棄物処理法の第25条第1項第14号に基づき、『最大5年の懲役または1000万円以下の罰金、もしくはこれらの併科』によって罰せられる可能性があります。
河川や海や下水道へ流す
エンジンオイルを川や海、下水システムに流すことは、下水処理設備に損害を与え、法的制裁を受ける可能性があります。道路の排水設備やマンホールも同様で、これらからの流出は重大な水質汚染を引き起こします。
土にオイルをしみこませる
たとえ少量でもエンジンオイルを土壌に染み込ませる行為は、土壌や地下水の汚染につながります。これは環境保護法違反に該当するため、絶対に避けるべきです。
エンジンオイル以外にもついでに乗ってないバイクや壊れて乗れない自転車、倉庫に入れっぱなしになっているタイヤも捨てたいんだよなぁ。
そんな時は他の要らない物と一緒に、まとめて不用品業者に回収してもらうのがおすすめです!
使用済みエンジンオイルの捨て方
ここからは、使用済みのエンジンオイルの捨て方を解説します。
- 自治体のゴミ回収に出す
- 購入した店舗で引き取ってもらう
- ガソリンスタンドで引き取ってもらう
- 不用品回収業者に回収してもらう
- 廃油回収業者に引き取ってもらう
それぞれの処分方法について解説していきます。
1.自治体のゴミ回収に出す
個人の家庭から出る使用済みのエンジンオイルは自治体のごみとして処分することができます。
ただし液体のままではごみとして出せません。そのため、適切な処分方法として推奨されるのは「廃油処理BOX(別名:オイルパック・廃油処理パック)」を使用することです。
このBOXはエンジンオイルを吸収して固めることができ、燃えるごみとして処分可能にする設計になっています。操作は非常に簡単で、ホームセンターで手軽に購入できます。そのため、素人でも安心して使用できるおすすめの製品です。
使用済みのエンジンオイルを専用BOXに入れて固めた後であれば、燃えるゴミとして自治体のゴミ回収に出すことができます。空にしたオイル缶は「燃えないゴミ(不燃ゴミ)」か「資源ゴミ」として処分できます。
オイル缶の中にオイルが少しでもある場合は「燃えないゴミ(不燃ゴミ)」として処分になるケースが多いです!
ただ、自治体によってはゴミの分類やエンジンオイルの収集自体受け付けていないことがあるため、事前に確認が必要です。
主な自治体におけるエンジンオイルのごみ区分や処分方法は以下の通りです。
自治体 | ごみ区分 | |
---|---|---|
北海道 札幌市 | 燃やせるごみ ※紙や布に染み込ませたもの | |
茨城県 つくば市 | 燃やすごみ ※オイルパックに染み込ませたもの | |
東京都 | 品川区 | 回収不可 |
大田区 | 回収不可 | |
神奈川県 | 横浜市 | 燃やすごみ ※オイルパックに染み込ませたもの |
川崎市 | 回収不可 | |
相模原市 | 一般ごみ ※オイルパックに染み込ませたもの | |
静岡県 静岡市 | 可燃ごみ ※紙や布に染み込ませたもの | |
愛知県岡崎市 | 可燃ごみ ※紙や布に染み込ませたもの | |
京都府 京都市 | 回収不可 | |
大阪府 大阪市 | 回収不可 | |
岡山県 岡山市 | 可燃ごみ ※オイルパックに染み込ませたもの |
エンジンオイルを新聞紙に吸わせて捨てるのはあり?
新聞紙を使用してエンジンオイルを処理する方法は、エンジンオイルが少量である場合に限り適しています。
例えば、オイル缶の内部に残った少量のオイルを新聞紙で吸い取ることが可能です。しかし、大量のオイルが残っている状況ではこの方法は効率がわるく、あまり推奨されません。
新聞紙はオイル缶を拭き取る際に役立つものだと理解しておきましょう。
なお、エンジンオイルを吸収させた新聞紙の処分方法は自治体によって異なるため、捨てる前に必ず確認することが重要です。
2.カーショップ等のエンジンオイル購入店で引き取ってもらう
自治体で使用済みエンジンオイルの回収が行われていない場合、購入した店舗で引き取ってもらう方法があります。
代表的な店舗としては、以下のカーショップが挙げられます。
- イエローハット
- オートバックス
- タイヤ館
また、エンジンオイルは車だけでなくバイクでも使用するので、バイクショップやオイル交換など車のメンテナンスサービスを提供しているホームセンターで引き取ってもらえることもあります。
購入店に引き取ってもらったエンジンオイルは廃油として再生工場でリサイクルされます。このサービスを利用する際は、購入時のレシートが必要になることがあるため注意です。
他にも以下のようなケースもあるため、お店に行く前に電話で問い合わせてから持ち込むようにしましょう。
- エンジンオイルの引き取りに費用が発生する
- エンジンオイルを交換した場合のみ引き取り可能」など、条件がある
3.ガソリンスタンドで引き取ってもらう
お住まいの自治体で使用済みエンジンオイルの回収が行われていない場合、地元のガソリンスタンドで引き取ってもらうという方法があります。
多くのガソリンスタンドには、ガソリンや石油を貯蔵する大きなタンクである「油槽」があり、定期的に専門業者がエンジンオイル(廃油)を回収に来ます。
そのため、多くのガソリンスタンドではエンジンオイル(廃油)の引き取りを可能としていることが多いですが、セルフサービス型のガソリンスタンドでは引き取りをしてくれない場合があります。
また「◯リットルまで引取り可」など、量の制限が設けられていたり、費用が発生することもあるので注意しましょう。
使用済みのエンジンオイル(廃油)をガソリンスタンドに持ち込む際は、適切に密封できる容器に入れて運ぶようにしてください。
4.不用品回収業者に引き取ってもらう
不用品を専門に回収する業者にエンジンオイルを回収してもらう選択肢もあります。しかし、使用済みエンジンオイル(廃油)の回収については、不用品回収業者によって取り扱いが異なります。
一般的な不用品回収業者は家庭の粗大ゴミや家電製品などを主に回収することが多いため、特殊な廃棄物である廃油の回収は行わない業者も多いです。
そのため、使用済みのエンジンオイルを回収してもらいたい場合は、業者に問い合わせて回収品目に「エンジンオイル」が入っているか、どんな条件で回収してもらえるのかを確認することが必要です。
使用済みのエンジンオイルが回収可能な不用品回収業者の場合、エンジンオイルのみを回収依頼に出すよりも「車」や「原付バイク」、「タイヤ」、「自転車」、大型の家具・家電などの不用品もまとめて回収依頼するのがおすすめです。
「そうは言っても、不用品回収業者ってなんかお金騙しとられそうで怖い・・・」
「不用品回収業者がいっぱいいすぎてどの業者に依頼したらいかわからない・・・」
「無料で回収してくれる不用品回収業者に依頼しようと思ったんだけどどうなんだろう?」
そんな人は以下の記事も参考になるので、合わせてチェックしてださい。
5.廃油回収業者に引き取ってもらう
この方法は、一般の方ではなくカーショップやバイクショップ、整備工場を経営している方向けです。
事業で出る使用済みのエンジンオイルは「産業廃棄物」として扱われます。そのため、一般のごみとして自治体で処分することはできず、適切な処理が必要です。
家庭から出た使用済みのエンジンオイルは「産業廃棄物」には該当しません。出所が家庭か事業者かによって、使用済みのエンジンオイルの処理方法が異なります。
事業をする上で大量のエンジンオイルを定期的に処分する必要があるなら、廃油回収業者に引き取ってもらうのがおすすめです。廃油回収業者は工業用の油やエンジンオイルなど、事業に伴って発生する廃油の回収を行っている専門業者です。
タンクローリーで回収しに来てくれるので、大量のエンジンオイルをまとめて回収してもらいたいときに重宝します。
処分費用は業者によって異なりますが、回収してもらうエンジンオイルの量によっては無料で回収してもらえることもあります。
廃油回収業者は買取が可能なケースも!
エンジンオイルは再生燃料としてリサイクルできる貴重な資源なので、廃油回収業者に買い取ってもらうこともできます。
買い取ってもらう際の価格や条件は業者によって異なりますが、収入を得ながら処分できるので企業にとってもメリットになるでしょう。
未使用のエンジンオイルの処分方法
購入したものの使わずに保管してあるような未使用のエンジンオイルは、以下の方法で処分できます。
- フリマアプリ・オークションで売却する
- 欲しい人に譲る
それぞれの処分方法について解説していきます。
1.フリマアプリ・オークションで売却する
使用する機会がなく保管しているだけの未使用のエンジンオイルは、フリマアプリやネットオークションを使って売却することもできます。
人気の「メルカリ」や「ヤフオク!」では、未使用のエンジンオイルが以下のような価格で売却されています。
サービス名 | 製品名 | 売却価格 |
---|---|---|
メルカリ | 日産 SN スペシャル 5W-30 20L エンジンオイル | 7,800円 |
モービル SP3000 0W-20 SP 3L エンジンオイル | 2,480円 | |
ENEOS 0w-20 エンジンオイル | 10,000円 | |
ヤフオク! | ワコーズ トリプルR エンジンオイル 10W-40 3缶セット | 10,080円 |
カストロール エンジンオイルGTX 10W-30 SL/CF | 4,500円 |
製品や量によっては1万円以上で売れることもあるので、ゴミとして捨てるくらいであれば試しに出品してみるのもおすすめです◎
ただ、製品名や内容量を間違えると後にトラブルになるので、商品説明文には正しい情報を記載するようにしてください。
また、エンジンオイルに明確な使用期限はないものの、3年ほどで劣化するとされているので、フリマアプリやネットオークションで売却する際は購入してから3年以内の製品を出品するようにしてください。
なお、未使用と偽って使用済みのオイルを売却する行為は犯罪なので、絶対に行わないようにしましょう。
2.欲しい人に譲る
エンジンオイルは車やバイクのメンテナンスに欠かせないアイテムなので、未使用品であれば、欲しい人に譲って処分する選択肢もありです。
車やバイクを所有している人であれば持っていて困ることはないので、友人や知人に声をかけて引き取ってもらえないか聞いてみましょう。
また、SNSや掲示板で譲渡先を探すという方法もあります。SNSで探す場合は情報が拡散されやすい「X(元Twitter)」、掲示板であればユーザー数の多い「ジモティー」がおすすめです。
ただ、エンジンオイルはサイズは大きくありませんが、重量があるので送料が高くなる傾向があります。
送料の有無や金額もトラブルになりやすいので、郵送で送る際は「着払い」にするのか「引き取り」に来てもらうなどの対応は事前に取り決めておきましょう。
エンジンオイルは他の廃油と一緒に処分できる?
使用済みのエンジンオイルを、灯油などの他の廃油と一緒に処分したい場合は、販売店で引き取ってもらうかガソリンスタンドに持ち込んで処分してもらいましょう。
それ以外の処分方法では、廃油の種類によって対応が異なるケースも多く、まとめて処分できない可能性があります。
欲しい人に譲る場合も、両方を引き取ってくれる人が見つけられない可能性もあるので、販売店かガソリンスタンドで処分するのが無難です。
まとめ:エンジンオイルは液体のまま捨てる&無料処分は難しい!
当記事では、エンジンオイルの処分の仕方について紹介してきました。
使用済みのエンジンオイル(廃油)を自治体のゴミ回収に出す場合は、液体のままでは回収してもらえません。そのため、新聞紙で拭いたり廃油処理BOXで吸い取り固める処理が必要になります。
未使用品や未開封品のエンジンオイルは、基本的にフリマアプリで売るか人に譲る方法がベストです。
ただ保管状態にもよりますが、未使用・未開封の状態でもおよそ3年くらいが目安となります。それ以上経過したエンジンオイルは品質が保証できない為、フリマアプリで売ったり他人に譲るのは控えたほうがいいでしょう。
もし、エンジンオイル以外にも処分したい不用品がある場合は、不用品回収業者の活用がおすすめです。不用品回収業者であれば、『面倒なゴミの分別』や『手間』がかかりません。
ただ注意点として、不用品回収業者でもエンジンオイルを買い取り品目にしていないケースもあるため、エンジンオイルが回収可能かはお問合せしましょう。
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