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「飲食店を閉店するときってどのように動くの?何から始めるの?」とお悩みではないでしょうか。中には、事業系一般廃棄物の取り扱い方がわからないとお悩みの方もいるでしょう。
そこでこの記事では、飲食店閉店時の処分方法をわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 飲食店を閉店する手順
- 不用品や大型設備を処分する方法
- 事業系一般廃棄物を処分する注意点
- 店舗ゴミ・不用品処分の費用を抑える方法
スムーズに飲食店の閉店作業を進めるため、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店を閉店する手順とは?ゴミ・設備処分はどう動く?
飲食店を閉店することになり、お店の中を空っぽにしなければならないという方もいるでしょう。その際には、次の手順でゴミや設備の処分を実施してください。
廃業届を提出する
最初に必要なのが、飲食店を閉店するための手続きです。まず廃業届を以下の行政機関に提出しなければなりません。
・保険所(10日以内)
・税務署(10日以内)
・警察署(廃業翌年の3/15まで)
・公共職業安定所(5日以内)
・年金事務所(5日以内)
・労働基準監督署(50日以内)
金融機関に報告する(借入金がある場合)
電気・ガス・水道会社に連絡する
店舗に供給しているライフラインを停止するために、インフラ会社へ連絡をしましょう。
従業員を解雇する
ライフラインの停止に合わせて従業員の解雇手続きなるべく早くしましょう。
店舗の片付けをする
ここまで完了すれば業務運営が完全に停止し、店舗の片付けをスタートできます。
物件を解約する
すべての片付けが完了したら、最後に店舗貸主との手続きを済ませて物件を解約してください。
スケルトン物件か、居抜き物件かによって返却方法が違う
閉店作業で大切なのが、順番通りに作業を進めていくことです。
ライフラインを止めずに片付けを開始すると危険であったり、物件解約時には必ず店内を元通りの状態に戻さなければならなかったりと、各工程に条件があるため、必ず順番通りに作業を進めてください。
賃貸物件は「原状回復」が基本!
原状回復とは、店内を契約時の状態に回復して返却することです。飲食店を閉店する際には、物件を借りたときの状態(原状回復)で返却するのが基本です。
ただし、物件によっては契約書の返却条件に「スケルトン返し」「原状回復」と記載されており、返却時の条件が異なる場合があります。
スケルトン物件
スケルトン物件は、基本的な建築構造が残るだけで、内装や設備が一切ない物件のことを言います。つまり、壁紙、床材、エアコン、トイレ、厨房などは含まれず、コンクリートむき出しの「箱」の状態です。
借主がテナントとして契約する際には、自分で内装設備工事を行い、必要な設備を取り付ける必要があります。テナントの退去時には、非常灯や煙感知器を残し、再びコンクリート打ちっぱなしのスケルトン状態に戻すことが一般的です。
このような工事費用は通常、借主が負担することになります。
居抜き物件
居抜き物件とは、退去時に店内の内装や設備を次の入居者にそのまま引き継ぐ物件のことです。これには内装や設備、什器や食器が含まれることが多いですが、物件によって残される内容は異なります。
居抜き物件の原状回復の範囲は入居時の物件賃貸契約書に依存し、基本的には設備や家具などをそのまま残して引き継げます。ただし、追加した造作や内装の汚れなどは取り除く必要があり、その原状回復工事は借主の負担となります。
契約内容によっては居抜きで入居してもスケルトン返しが求められることもあるため、契約書の内容を確認することが重要です。
飲食店の閉店で不用品や大型設備を処分する方法
飲食店を閉店するために不用品・大型設備の処分を検討している方も多いでしょう。それなら、以下で紹介する3つの方法で処分してみてください。
時間がある | 体力がある | 安く処分したい | 手間をかけたくない | |
---|---|---|---|---|
自己搬入 | おすすめ | おすすめ | おすすめ | |
不用品回収業者 | おすすめ | |||
売却 | おすすめ | おすすめ |
自分で処理施設に搬入して処分する
片付ける時間があり、体力的にも問題ないのなら、自力で不用品・大型設備を処分するのがおすすめです。
トラックなどを借りて自治体の処理施設(ゴミ受け入れ施設)に直接搬入すれば、必要最小限の費用で飲食店の閉店作業を進めることができます。
ただし、重くて移動できないような大型設備、自治体の施設で回収してもらえない不用品がある場合には、特定の品だけ不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
事業系廃棄物を収集・運搬・処理できる不用品回収業者に依頼する
飲食店を閉業する際に出る事業系廃棄物を自分で片付けられないとお悩みなら、民間の不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。
ただし、事業系廃棄物を収集・運搬・処理するためには、各都道府県から発行される「産業廃棄物収集運搬業許可」および「産業廃棄物処理業許可」が必要です。
これらの許可は、廃棄物の処理に関する法律である「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」に基づき、適切な知識と設備を持ち、環境保護を遵守する企業に対してのみ発行されます。
業者を選ぶ際には、これらの許可を持っているかどうかを確認することが重要です。
産業廃棄物収集運搬業許可 | 事業系廃棄物を収集および運搬するために必要な許可 |
産業廃棄物処理業許可 | 事業系廃棄物を処理するために必要な許可 |
両方の許可を持っている不用品回収業者であれば、事業系廃棄物を収集・運搬・処理までの一連の作業をすることが可能ですが、もし「産業廃棄物収集運搬業許可」しか持っていない場合は、事業系廃棄物の最終処分もできる「産業廃棄物処理業許可」を持っている他の業者と提携しているかを確認しましょう。
買取・リサイクルサービスを使って売却する
飲食店の閉店時に出る不用品・大型設備には、お金に換えられる価値があることをご存知でしょうか。
例えば、次のサービスを利用することにより、処分費用を必要最小限に抑えることができます。
- 不用品回収業者の買取サービス
- フリマアプリ
- オークションサイト
- リサイクルショップ
飲食店の閉店時に出る不用品で、お金に換えられる可能性があるものを以下に挙げます。
食器・グラス類
ブランド物の食器やグラスがあるのなら、買取サービスを利用するのがおすすめです。食器やグラスの箱などもセットになっていると、さらに高額で売却できる可能性があります。
また、ブランド物でなくても未使用の食器やグラスは購入してもらいやすいのが特徴です。
業務用の電化製品
業務用に利用している次の電化製品のうち、状態の良い品であれば業者等に買取してもらえます。
- 電子レンジ
- 冷蔵庫
- 冷凍庫
- 食洗器
- ワインセラー
特に大型電化製品は、通常だと高額で販売されているため、中古製品を求める飲食店からニーズが高いのが特徴です。また、若干古くなっていても、フリマアプリやオークションなら購入者が見つかる可能性があります。
キッチン用品
包丁や鍋、調理器具といったキッチン用品も、状態が良ければ購入されやすい品です。中でも包丁の種類によっては値打ち物があるため、貴重な包丁・高額な包丁であるほど、高額買取を期待できます。
ただし、キッチン用品に錆が目立つ場合や、擦り傷が多い場合には、買取してもらえないケースが多いことにも注意してください。
レジスター
飲食店の会計に使っているレジスターも、買取対象に含まれています。新品だと高額で購入しなければなりませんが、中古品であれば安く購入できるとニーズが高く、ある程度状態が良ければ買取してもらえるかもしれません。
ただし、故障して一部機能を使えない、古い機種であるという場合には、買取対象から外れてしまうケースもあるようです。
お酒類
一升瓶やワインボトルなど、未開封のお酒類は、買取対象となりやすい品です。中でもレアなお酒は箱だけでも価値があり、高額買取を期待できます。
ワインセラーなどの電化製品と一緒に買取してもらえるケースも多いため、中身を捨てずに確保しておくことをおすすめします。
メルカリで不用品を売ることを考えているのなら、そのアイテムが売れるものかどうかを事前にしっかり確認しましょう。以下はメルカリで売る方法について詳しく解説しているので、合わせてご確認ください。
事業系一般廃棄物を処分する際の注意点
飲食店の閉店処分する不用品や設備は、可燃ゴミ・不可燃ゴミのような一般廃棄物として処分できないことをご存じでしょうか。
実は、飲食店処分時に出るゴミは「事業系一般廃棄物」に該当します。
- 生ゴミ
- 弁当ガラ
- 書類
- その他飲食店から出るゴミ
また、事業系一般廃棄物を処分するときの注意点を2つまとめました。ゴミ処分の問題を避けるために、ぜひチェックしてみてください。
1. 地域のゴミ集積所に出せない
事業系一般廃棄物は、自ら自治体の処理施設へ搬入するか、一般廃棄物収集運搬許可業者に依頼して回収・処分してもらう必要があります。
地域ゴミとしてゴミ集積所やクリーンステーションにゴミ出しすると、不法投棄が適用されるので注意してください。
不法投棄:5年以下の懲役又は千万円以下の罰金(法人3億円)
引用元:環境省「不法投棄等の対策」
飲食店などの法人の場合、3億円以下の罰金が課せられます。高額な罰金を徴収されることになるため、絶対にゴミ集積所にゴミ出ししないように注意してください。
2. 自治体で受け入れてもらえない場合がある
事業系一般廃棄物の種類によっては、自治体に受け入れてもらえない場合があります。自治体が受け入れていないゴミは、基本的に購入した販売店で引き取りサービスを利用するのが一般的です。
また、引き取りサービスを提供している専門業者もあるため、事前に自治体の受け入れるゴミ・受け入れてくれないゴミをチェックしておきましょう。
飲食店を閉店する時の不用品の処分費用を抑える方法
飲食店閉店時のゴミ・不用品にかかる処分費用を抑えたい方も多いでしょう。それなら、こちらで紹介する3つの方法を試してみてください。
なるべく自身でゴミ・不用品を処分する
店舗から出るゴミ・不用品の処分費用を最も抑えられるのが、自力で片付けや処分を実施する方法です。
すべて自分で片付けるので、人件費を抑えられることはもちろん、トラックレンタルや処分という必要最小限の費用だけに抑えられます。
不用品回収業者を利用した場合、複数人の人件費が上乗せして請求されるため、少しでも費用を抑えたいという方におすすめです。
ただし、片付け期間が長くなりそうな場合や、自力で片付けるリソースがないという場合には、不用品回収業者を利用したほうがお得かもしれません。
ゴミや不用品の量が多いと、その分だけ負担も増えていくため、体力的に厳しいという方は不用品回収業者に相談してみてください。
不用品回収業者を比較する
自分でゴミ・不用品を処分できない場合には、不用品回収業者に相談するのがおすすめです。また、少しでも依頼費用を抑えたいのなら、不用品回収業者を比較してみるのが良いでしょう。
比較ポイントは以下のとおりです。
- 見積金額
- 実績の多さ
- オプションサービスの量
- 利用者の口コミ
不用品回収業者を比較する際には、事前に相場感をチェックしておくことが重要です。見積金額が相場よりも高すぎる業者を判断できるだけで、数千〜数万円の費用を抑えることにつながるでしょう。
中には、なんとなくの気持ちで業者を選ぶ人もいますが、それだと業者による費用の違いを判断できません。
飲食店閉店の費用負担を少しでも避けたいのなら、少なくとも3社程度から見積もりを取り、比較検討を実施することをおすすめします。
不用品回収業者の買取サービスを活用する
不用品回収業者を利用する際には、同時に買取サービスの利用を検討するのがおすすめです。
買取サービスを利用すれば、不用品回収費用から買取金額分だけ費用を差し引いてもらえます。高額買取される品が多ければ、回収費用を大幅に抑えられる場合もあるため、ぜひ買取サービスを活用してみてください。
まとめ:飲食店を閉店する際に出る不用品は処分ルールを守ろう
飲食店閉店時の不用品・設備の処分では、退去するまでの手順や事業系一般廃棄物の処分ルールに注意しなければなりません。また、すべての品を捨てるのではなく、買取してもらえる品があることに注意してください。
ですが中には、ゴミ出しのルールがわからない、自分で処分できないとお悩みの方も多いはずです。それなら最短即日で事業系一般廃棄物の回収してくれる不用品回収業者に相談することをおすすめします。
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