【個人・法人別】書類の捨て方を解説!大量の書類処分は各種サービスを利用

書類のアイキャッチ画像

普段、私たちが何気なく捨てている書類には、多くの個人情報が記載されています。

クレジットカードの利用明細書や宅配便の送り状など、パッと思いつく物だけでもいくつもあります。

そのまま一般ゴミに出してしまうと、悪意のある人に情報を盗まれ迷惑行為や金銭トラブルに発展する可能性もあるでしょう。

法人の場合、社会的な信用・顧客からの信頼を失うことになるので適した処分方法を取り入れる必要があります。

本記事では個人・法人別で適切に書類を処分する方法や、大量に処分する際に利用できる有料サービスについて詳しく解説していきます。

この記事でわかること

  • 【個人】安全に書類を処分する方法
  • 個人でも利用できる溶解サービス
  • 【法人】安全に機密書類を処分する方法
  • 法人で利用できる溶解サービス
  • 不用品回収業者にまとめて処分依頼するメリット

【個人】個人情報が記載されている書類例

書類を処分する際の注意点

普段、何気なく生活していくうちに溜まっていく書類にはさまざまな種類があります。

大きく分けると「長期間保存する書類」「一定期間で捨てる書類」「すぐに処分できる書類」の3パターンで、加えて個人情報の記載有無に分類できるでしょう。

一定期間で捨てる書類やすぐに処分できる書類にも個人情報が載っている場合も多く、そのまま「可燃ゴミ」として処分してしまうと、個人情報を抜き取られてしまう可能性があります。

個人情報が記載されている書類例

  • ダイレクトメール
  • 講演会等の資料
  • ハガキ
  • 手紙
  • 検針票・領収書
  • 明細書・納品書
  • 契約書
  • 給与明細
  • 仕事や学校関係の書類など

すぐに思いつくものだけでも上記のような書類があり、郵送物には基本的に氏名や住所が記載されており、ダイレクトメールに記載されているバーコードからは電話番号を読み取れます。

また、給与明細からは収入がわかりますし、仕事や学校関係の書類から家族構成や年齢、職場などが特定できます。

「いちいちゴミを漁って個人情報を探している人がいるわけない」と軽視される方もいますが、実際に納品書から自宅を特定されてストーカー被害に合った事例や、クレジットカードの明細書から不正利用の被害に合った事例もあります

バラバラの個人情報も繋ぎ合わせることで完全な個人情報が完成します。

犯罪の被害ではないものの、迷惑な営業電話や大量のダイレクトメールが届くといった迷惑行為の被害に合う可能性もあるので、書類を処分する際には個人情報が特定されないよう捨て方に注意しなければなりません。

【個人】書類を安全に処分する方法

個人で書類を安全に処分する方法

自宅にある書類を処分する際に、手でちぎったりはさみで切ってゴミ袋に入れる人がいますが、その方法だと簡単に繋ぎ合わせられるので適切な方法とは言えません。

特に個人情報が載っている箇所は復元できないように処理をすることが大切です。

安全に処分できる方法を4つ紹介しますので、書類を処分する際に試してみてください。

  1. シュレッダーにかける
  2. インク・スタンプで塗りつぶす
  3. 水にかけてまるめて捨てる
  4. 家庭用焼却炉で燃やす

処分する書類が少量なら、家庭用のシュレッダーで裁断したり、個人情報部分をインクで塗りつぶすといった方法が一般的で、他にも大量の書類に水をかけて処分する方法や家庭用焼却炉で燃やす方法があります。

初期投資が必要な処分方法もありますが今後も使い続けることを視野に入れ、ご自身で最適だと思える方法を選ぶようにしてください。

シュレッダーにかける

個人情報が載っているような書類を処分する際に便利な製品はシュレッダーです。

近年では家庭用シュレッダーの種類も充実しており、ハサミで切ったり手でちぎるより確実に細かく裁断できるのでオススメする処分方法の一つです。

シュレッダーは大きく分けて「手動タイプ」と「電動タイプ」の2種類に分けられます。

シュレッダーの価格帯は、手動タイプの製品で1,000円から3,000円程度、電動タイプの製品は10,000円程度の製品が中心で、中には5万円以上する高機能の製品まで様々です。

手動シュレッダーの特徴

手動タイプは文字通り手でハンドルを回し裁断するタイプで、安価で入手できるメリットがありますが、一度に裁断できる書類の枚数が少なかったり、裁断形状を選べないものが多いことがデメリットです。

書類の溜め込み癖がなく定期的に処分している方にとっては、手動タイプの製品で十分かもしれません。

電動シュレッダーの特徴

一方で電動タイプはメーカーや機種によって機能が異なります。

  • 裁断形状
  • 容量
  • 裁断できるメディアの種類
  • 裁断枚数
  • 静音機能
  • 連続使用時間など

電動タイプのシュレッダーは製品の価格が高ければ高いほど機能のスペックが高く、20枚以上の書類を一度に裁断できたり、60分以上も連続使用が可能だったり、使用時のストレスがかからないものが揃っています。

安全に書類を捨てるうえで最も重要なことは裁断形状です。

裁断面がストレートのものは時間をかければ復元できてしまいますが、マイクロカットされた書類は復元が不可能と言われています。

シュレッダーを選ぶ際は裁断形状がマイクロカットの製品がオススメです。

ただし電動タイプでも廉価品だと、裁断枚数が少なかったり、連続使用時間が短く作動音がうるさかったり機能面に不満を感じてしまうので、電動タイプでも恰好ばかりの製品よりは手動でも裁断形状がマイクロカットのシュレッダーの方が良いかもしれません。

シュレッダーは誤って使用すると危険な製品なので、お子さんがいるご家庭では手が届かない場所に置くように注意してください。

インク・スタンプで塗りつぶす

個人情報部分をインクやスタンプで塗りつぶし捨てるといった方法もあります。

油性マーカー一本あれば個人情報部分を塗りつぶして捨てられますので、シュレッダーを購入するまでもない方にとっては簡易的かつ安全性を担保できる方法です。

ただし塗りつぶす箇所が多い場合、油性マーカーだとかえって面倒な作業になりますが、個人情報保護スタンプという商品もあるので、作業を効率化することも可能です。

個人情報保護スタンプにはローラータイプやスタンプタイプとさまざまな種類があり、手で押しあてるだけなので使いやすい特徴があります。

加えてスタンプの価格は100円から1,000円程度とシュレッダーに比べて購入しやすい点もメリットですが、あくまで手軽に個人情報を隠せるだけなので、書類を処分する有効な方法ではないです

水をかけてまるめて捨てる

もう一つ有効な方法は書類に水をかけてまるめて捨てるという方法です。

衣類のポケットにメモをした用紙をしまったまま洗濯をしてしまい、気づいた時には紙がグシャグシャで文字が読めなくなった経験をされたことはありませんか?

水をかける方法のポイントは、この効果を利用して個人情報など文字を読めない状態にするということです。

まずは処分したい書類を洗濯ネットに入れて通常通り洗濯から脱水まで行い、脱水した後はバラバラになった書類をまるめて「可燃ゴミ」に捨てるだけです。

洗濯機を使いたくない方は、書類を小さく切って文字がぼやけるまで水に浸すことで、洗濯機にかけた状態と同様の結果になります。

費用はかからない一方で時間や手間がかかる方法なので処分に時間をかけたくない方にはオススメできません。

家庭用焼却炉で燃やす

大量に書類を処分する場合、電動タイプのシュレッダーでも相当な時間がかかってしまうため、家庭用焼却炉で燃やす方法もご紹介します

ひと昔前までは紙くずや木くずを庭で野焼きしている家庭もありましたが、環境に配慮するための法律が施行されてからは見かけることがなくなりました。

近年では家庭用焼却炉を設置するためには設置届けを提出し、関連する法律の構造基準をクリアした小型焼却炉を使用する必要があります

書類を確実に焼却する方法ですので、個人情報が洩れる心配はありませんが、法令を順守し自治体の条例に従って利用する必要があるので、必ずお調べになってから購入を検討してください。

個人で利用できる書類溶解サービス

個人向け溶解サービス

いくつか処分方法をご紹介しましたが、初期投資が必要な手段もあり大量の書類をご家庭で処分するには少々負担が大きいかもしれません。

そこでご紹介したいのは個人でも利用できる書類溶解サービスです。

簡単に説明すると個人情報が書かれているような書類でもダンボールにまとめ業者に送るだけで箱ごと工場で処分してくれるサービスのことです。

溶解サービスをしている業者

会社名サービス処分容量料金
日本郵政書類溶解サービス・縦約340㎜
・横約230㎜
・高さ約150㎜
組み立て式ダンボール
はがき2,500枚程度
専用キット2,880円
専用キット発送料、
セキュリティゆうパック運賃、
溶解処理料全てを含む。
株式会社ワラケン書類溶解処分サービス
持ち込み可
利用プランによる持ち込み1,100円(50kg未満)
セキュリティーパック21
地域別単価1,320~3,300円+商品送料
竹下産業
T-CUBU
機密文書処理サービスダンボールサイズ、
重量の指定なし、
発送用ダンボールは自己負担
無料(送料は自己負担)
※内容は変更になることがあります。

日本郵政のサービスは3,000円程度の費用でクリップやホチキスが付いたままの書類も処分できますが、窓口で申し込み、専用キットを郵送で受け取り、さらに窓口に持ち込むといった手間があります。

竹下産業の溶解サービスは個人利用であれば無料という特殊なパターンですが、一時的に利用する点では非常に有力な方法と言えるでしょう。

大量の書類の処分で困っている方は、それぞれのサービスを比較して自分に合ったサービスの利用を検討してみてください。

【法人】機密情報を処分する方法

法人で機密書類を安全に処分する方法

法人では取引の詳細が記載された文書や、社外秘の重要機密文書などを多数取り扱っており、管理はもちろんのこと、処分時も慎重に行わなければなりません。

これまで企業や団体が取り扱っている紙媒体から情報漏洩に至ったケースが多数報告されており、JNSA(日本ネットワークセキュリティ協会)によると顧客情報が載っている資料を誤ってそのまま処分してしまい、数万人の顧客情報が流出した事例も報告されています。

一度でも漏洩してしまえば社会的信用や顧客の信頼を失うので取り扱いは慎重に行い情報漏洩リスクを無くす必要があります。

機密情報を処分する方法は主に3通り

  1. 社内でシュレッダーにかける
  2. 焼却炉のある工場に持ち込む
  3. 法人向けの溶解サービスを利用する

それぞれの処分方法でメリット・デメリットがありますが、処分する書類の機密性や重量によって処分方法を変えることもできます。

他社に委託する場合は、具体的な作業工程や取り扱い方法を把握し実際に現地視察をするなど厳しい目で確認しておく必要があるでしょう。

社内でシュレッダーにかける

機密情報を処分する際に行われている一般的な方法は社内でシュレッダーにかけて自社で処分する方法です。

その場ですぐに裁断できるため、社外に書類を持ち出さずに済むのはメリットですね。

ただ処分したい書類の量によっては裁断が終わるまでに時間がかかりますし、クリップやバインダーを外すといったひと手間がかかるのはデメリットと言えるでしょう。

業務用のシュレッダーは数万円から十万円を超えるものまで価格帯が幅広く、家庭用シュレッダーに比べて1度に処分できる書類の枚数や処理スピードが格段に上がります。

機密性の低い書類であれば業務用シュレッダーで十分といえるでしょう。

焼却炉のある工場に持ち込む

大量の機密文書を処分したい場合は、自社で焼却炉のある工場に持ち込むか焼却処理業者に委託する方法があります

メリットは書類を完全に焼却できるので漏洩の心配がない点ですが、自社で運搬する場合は人件費が余分にかかりますし、外部に委託する場合は信頼できる業者に頼む必要があります。

また焼却処理業者は機密文書を処理する専門業者ではないため、処分までの一定期間放置されたり、処分する過程での情報漏洩リスクが0ではありません。

法人向けの溶解サービスを利用する

やはり法人で書類を処分するのに最も適した方法は溶解サービスでしょう。

溶解処理は焼却処理のように二酸化炭素を排出せず、釜内部で水と混ぜて書類を粉砕する仕組みになっているため、環境に優れています。

加えて処理された書類は古紙原料になり、再生紙としてリサイクルされるので、SDGsに取り組む企業としては溶解サービス以外の選択肢はないかもしれません。

溶解サービスによってはクリップを取り除いたりバインダーから外すといった仕分けも不要なので人件費を削減することもできます。

法人向け溶解サービス

会社名サービス料金
ヤマト運輸機密文書リサイクルサービス・料金は1,650円から3,080円
・容量は2,500枚から7,500枚
・オフィス専用サービスあり、別料金
日本郵政機密文書溶解サービス溶解手数料715円
+ゆうパック運賃
+セキュリティサービス料金
SAGAWA飛脚機密文書リサイクル便・A3対応1,562円
・A4対応1,309円
大塚商会メルティBOX21箱1,800円
株式会社ワラケンセキュリティーパック21・定期回収プランは1セット5箱まで6,000円
・ミニは1,320円+送料330円(5セットまで)
・ライトは3,080円から3,630円(送料込み)
※内容は変更になることがあります。

溶解サービスの料金は回収する書類の量によって変わりますが、ダンボール1箱分の量であれば1,500円程度で処分できることが分かります。

また、オフィス向けのサービスとしてポストタイプの回収ボックスを設置できるプランもあり、月額費用と回収料金を支払えば定期的にオフィスの書類が処分されるので、社員への負担もなく情報漏洩リスクを抑えられます。

溶解サービスを行う業者の管理体制はさまざまですが、セキュリティに関する国際規格ISOの認証を得ている業者やPマークを取得している業者であれば、保管体制も保証されているので安心して良いでしょう。

業者を選ぶ際にはこうした認証を得ているかどうかを確認してから自社に合ったプランを検討してみてください。

大量の書類をまとめて処分したいなら不用品回収業者へ

書類を不用品回収業者に依頼する

大量の書類をまとめて処分する方法として不用品回収業者に依頼するのも良いでしょう。

部屋の大掃除やオフィスの整理する際に不要な書類が大量に出てくるもので、機密書類は専門サービスに依頼して、書棚やキャビネットは粗大ゴミに分別するといった方が多いのではないでしょうか。

しかし、不用品回収業者の訪問回収を利用すれば自宅やオフィスで立ち会うだけで済みます。

書類だけでなく家具やオフィス用品などもまとめて引き取ってもらえるので手早く片付きます。

ただ不用品回収業者によっては書類の処分を受け付けていないので、事前に確認しておきましょう。

即日で回収できる業者もいるので、書類を整理しその日のうちに部屋を綺麗サッパリと片付けることができるでしょう。

まとめ

この記事では個人や法人が書類を処分する際の注意点や方法について解説してきました。

ご紹介した書類の処分方法をまとめたものが以下になります。

【個人】で書類を処分する方法【法人】書類を処分する方法
少量・家庭用のシュレッダーにかける
・インクやスタンプで塗りつぶす
・水をかけてまるめて捨てる
・業務用シュレッダーにかける
・溶解サービスを利用する
大量・家庭用焼却炉を設置して焼却する
・溶解サービスを利用する
・不用品回収業者に依頼する
・焼却炉のある工場に持ち込む
・溶解サービスを利用する
・不用品回収業者に依頼する
※個人情報・機密情報が漏れない処分方法を選びましょう

個人や法人、会社の規模や利用シーンによって適した処分方法は異なりますが、書類だけの処分であれば溶解サービスに任せるかシュレッダーで細かく裁断する方法が良いでしょう。

ただ大量の書類の他に処分したい不用品が出てくる場合は、不用品回収業者にまとめて依頼するのが一番楽な解決方法と言えます。

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