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骨董品や美術品の処分を考える時は、捨てる前に、売れる可能性を探すのがおすすめです。
骨董品や美術品の知識がない素人の目では価値がわからない場合でも、専門家が鑑定すれば、意外な高値で買い取られる可能性があります。
しかし鑑定を依頼しても値がつかない場合は、他の処分方法を検討しなければなりません。
そこでこの記事では、骨董品や美術品の処分方法について、買取依頼できる場所や具体的な方法、また専門店に売る以外の処分方法まで、幅広くご紹介します。
骨董品や美術品の処分にお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 骨董品と美術品の違い
- 骨董品や美術品の処分方法
- 骨董品と美術品を高く売るポイント
- 骨董品や美術品を売る際の注意点
骨董品と美術品の違い
骨董品と美術品は、いずれも価値が高いとされる品ですが、その定義や範囲が異なります。
骨董品 | 主に古くて希少性や歴史的・芸術的価値があるもの |
美術品 | 視覚的な表現を通じて芸術的価値や美的価値を持つ作品 |
なお美術品の中には、歴史的・芸術的な希少価値が認められており、骨董品で美術品で、というケースもあります。
骨董品とは
骨董品とは、希少性や歴史的、芸術的価値がある工芸品や美術品のことです。
世界的な骨董品の定義としては『100年以上前に作られたもの』とされています。
経年によって風化や劣化が進んでいても、価値が認められる可能性があるのが、骨董品の大きな特徴です。
むしろ時間の経過とともに、価値が上がることさえあります。
代表的な骨董品の例
- 絵画
- 掛け軸
- 茶道具
- 焼き物
- 陶磁器、
- 刀剣
- 甲冑類
- 象牙や珊瑚
- 翡翠製品
美術品とは
美術品は、主に視覚的な表現を通じて、芸術的価値や美的価値を持つ作品を意味します。
具体的には絵画や彫刻のほか、版画、写真といったものが美術品の代表的な例です。
求められる価値の違い
骨董品 | 歴史的な価値が求められる。 |
美術品 | 芸術的価値が認められれば年代を問われない。 |
美術品は新しい作品でも、高く評価される可能性は十分あります。
また先述の通り、制作年が古い歴史的な美術品で、骨董品にも該当する場合があります。
古美術と呼ばれる美術品が、この例です。
骨董品や美術品の処分方法9選
遺品整理や生前整理といったタイミングで、骨董品や美術品の処分が必要になることがあるでしょう。
骨董品や美術品を処分する方法は、次の9つです。
- 骨董品や美術品の買取専門店に買取依頼する
- 美術品専門のオークションに出品する
- フリマアプリやネットオークションに出品する
- リサイクルショップに買取依頼する
- 自治体のゴミとして処分する
- 不用品回収業者に依頼する
- 遺品整理業者に依頼する
- 親族や知人・友人への譲渡する
- 寄付する
骨董品や美術品の買取専門店に買取依頼する
骨董品や美術品の処分を考えるならまず、骨董品や美術品を専門に買取している業者や画廊に買取を依頼することをご検討ください。
骨董商や画廊に依頼すれば、専門家による鑑定を受けられます。
骨董品や美術品の価値を鑑定するのは難しいといわれており、意外な品が思わぬ価値を生むことがあります。
骨董品や美術品の買取事例
品目 | 買取価格 |
---|---|
絵唐津湯呑・十三代 中里太郎右衛門 作 | 8,000円 |
花瓶・柳 海剛 作 | 20,000円 |
紅梅(日本画)・秋野 不矩 作 | 135,000円 |
福童子(木彫りの置物)・平野千里 作 | 165,000円 |
ただし買取査定を依頼する際は、査定を依頼したい骨董品や美術品を専門に取り扱う業者を見極めることが肝心です。
それぞれの業者で得意な分野や専門性、取り扱う作家等は異なります。
例えば絵画一つとっても、水墨画と油絵では鑑定方法が異なり、専門家でないと判断に迷うことも少なくありません。
高値で売却するためには、鑑定先の選定が重要です。
美術品専門のオークションに出品する
骨董品や美術品は、美術品に特化したオークションに出品することができます。
美術品専門のオークションに出品する際の大まかな手順は、次の通りです。
- 出品するオークションを選ぶ
- オークションの開催者に査定を依頼する
- オークションに出品する
美術品専門のオークションを開催している企業は複数ありますが、出品に際しては、出品可否を吟味する審査を通過しなければなりません。
ひとまず複数のオークションに査定を依頼してから、どのオークションに出品するか、検討するのもよいでしょう。
なお美術品専門のオークションは、購入希望者を会場に集め、実物をみた上で入札するシステムを採用しています。
美術品専門のオークションのメリット
- 骨董品や美術品の目利きができる人が集まる
- 新たな価値を見出され、高値で落札される可能性がある
美術品専門のオークションのデメリット
- 出品してもすぐ換金できない
- 出品手数料がかかってしまう
以下は、美術品専門のオークションでの落札価格の事例です。
品目 | 落札価格 |
---|---|
置物・中村 萌 作 | 345,00円 |
リトグラフ5点・小林 孝亘 作 | 126,500円 |
木版画・山口 晃 作 | 655,500円 |
油絵・今井 麗 作 | 12,075,000円 |
出品に際して、最低落札価格などオークションの開催者と相談できますが、骨董品や美術品の知識がないと判断が難しいこともあるでしょう。
そういった場合は、オークションの出品代行サービスを利用することも可能です。
フリマアプリやネットオークションに出品する
骨董品や美術品の専門店では買値がつかなくても、フリマアプリやネットオークションに出品することで買い手が見つかる可能性もあります。
フリマアプリやネットオークションには、安価に民芸品などの骨董品や美術品を買いたい需要があります。
専門店に足を運ぶのはハードルが高く感じて二の足を踏んでしまうユーザーが、気軽に骨董品や美術品を探せるのが、フリマアプリやネットオークションの魅力です。
ユーザーのニーズと合致すれば、高値で買取される可能性も十分にあります。
フリマアプリで取引された骨董品の実績
品目 | 購入価格(いずれも送料込・手数料別) |
---|---|
日本画(絹本) | 2,200円 |
風景画 | 3,200円 |
木彫りの虎 | 5,500円 |
備前焼の置物 | 7,500円 |
希少性が高いものや、専門店では値がつかないものの買い手の琴線に触れるような個性を放つ魅力のある骨董品や美術品は、フリマアプリやネットオークションに出品することで、買い手が見つかることもあります。
フリマアプリやネットオークションに出品する手間や時間をかけられる場合は、ぜひご検討ください。
気持ちよく取引を進めるために、商品詳細を細かに記入したり、発送の際の梱包を厳重にしたりといった対応を心がけることが大切です。
リサイクルショップに買取依頼する
骨董品や美術品の買取は、リサイクルショップに買取依頼できることがあります。
ただしリサイクルショップの買取見積もりでは、専門家による鑑定はできません。
メリット | ・フリマアプリやネットオークションに出品するより手間なく処分できる。 ・わずかでも手元にお金が戻ってくる可能性がある。 |
デメリット | ・骨董品や美術品の知識のないスタッフが、店舗の在庫状況や顧客の需要の傾向を加味して査定するので高値はつきにくい傾向。 |
自治体のゴミとして処分する
値段がつかない骨董品や美術品は、自治体のゴミとして捨てれば、簡単に処分できます。
骨董品や美術品のサイズや素材によって、可燃ゴミや不燃ゴミ、もしくは粗大ゴミに分別されます。
以下は、大きなサイズの額縁に入った絵画を捨てる際の分類の基準と、粗大ゴミになる場合の処分費用の事例です。参考までにご覧ください。
自治体名 | 粗大ゴミに分類される基準 | 粗大ゴミの処分費用 |
---|---|---|
渋谷区 | 一辺の長さが30センチメートル 四方を超えるごみ | 400円 |
江東区 | おおむね30cm以上の大きなごみ | 400円 |
横浜市 | 50cm以上のもの | 200円 |
名古屋市 | 30cm角を超えるもの | 250円 |
大阪市 | 最大辺が30cm以上のもの | ・1.5m未満:200円 ・1.5m以上2m未満:400円 ・2m以上2.5m未満:700円 ・2.5m以上:1,000円 |
京都市 | 自治体指定のゴミ袋に入らないごみ | ・中身が見える45lのポリ袋に入るサイズ:400円 ・50cm四方の箱に入るサイズ:400円 ・上記を超える場合:800円〜 |
福岡市 | おおむね20l以上の大きさのごみ | 300円〜 |
不用品回収業者に依頼する
専門店やリサイクルショップでは値段がつかない骨董品や美術品がいくつもある場合や、他にも処分したいものがある場合は、不用品回収業者に依頼する方法もあります。
不要品回収業者に依頼すれば、手間なく、全ての不用品を一気に処分することが可能です。
また買取に対応している不用品回収業者に依頼すれば、わずかでも、骨董品や美術品に値段がつく可能性もあります。
買取された場合は不用品の買取費用から相殺されるので、お得に不用品一式を処分できるのでおすすめです。
不用品回収業者ごとに、料金体系やサービスのシステムが異なります。
依頼する際は複数の不用品回収業者から見積もりをとり、比較検討してから依頼してください。
遺品整理業者に依頼する
遺品整理や生前整理に特化した、不用品回収業者もあります。
遺品整理業者には遺品整理士が在籍していることが多いため、遺族の心情に配慮した、より細部まできめ細やかなサービスを受けられるのが特徴です。
不用品回収業者と同様に価値のある不用品の買取に対応していることもあり、買取された場合は、遺品整理の作業費用から相殺されます。
ただし遺品整理業者は、骨董品や美術品の専門家ではないため、高値での買取は期待しにくいのが弱点です。
専門業者では値段がつかない骨董品や美術品も含めて遺品整理したい場合は、検討する価値があるでしょう。
親族や知人・友人への譲渡する
骨董品や美術品が好きな友人や知人がいれば、譲るのもよい方法です。
また遺品整理であれば、親族や故人と懇意にしていた方々と、形見分けすることもできます。
骨董品や美術品の買取専門店やリサイクルショップでは高値がつかなくても、魅力を見出す人がいれば、特別な価値を持つのが骨董品や美術品の強みです。
処分を急がない場合は、アンティークやアートが好きな人に声をかけながら、気長に引取り手を探すのもよいでしょう。
寄付する
骨董品や美術品は、寄付できることがあります。主な寄付先は、次の通りです。
- 国立美術館や博物館などの公益事業
- 国内外の支援活動に従事するNPO団体
例えば国立美術館や博物館といった公益事業に寄付した場合、税制優遇措置を受けられるので、節税対策としても有効です。
NPO団体でも、寄付された骨董品や美術品を売ってお金に変えてから活動資金に充当することがあります。
ただし全ての骨董品や美術品が寄付の対象になるわけではありません。
寄付の対象外になる例
- 美術館や博物館の場合:広く価値が認められている骨董品や美術品に限定されることがほとんど。
- NPO団体の場合:市場価値のある骨董品や美術品でないと、寄付は難しい。
寄付を考える場合は、美術館や博物館、NPO団体等に問い合わせ、寄付の対象品目や寄付の可否についてご確認ください。
骨董品や美術品を高く売るポイント
骨董品や美術品には、市場における決まった値段がありません。
そのため買取の際は、以下のような点が価格を決める上でのポイントになります。
- 作者への評価
- 作られた年代
- 希少性からの評価
- 市場相場
- 保存状態
市場での相場や流行によって、有名作家の骨董品や美術品であっても、買取金額が変動することは少なくありません。
いくつかの専門業者に査定を依頼したり、時間を置いてから再度査定を依頼したり、といった方法をとると、最初の査定価格よりも買取金額が上がる可能性があります。
ただし時間の経過とともに価値が下がるケースもあるのが、骨董品や美術品の難しいところです。
一定以上の価値が認められた骨董品や美術品であり、かつ処分を急がないのであれば、価格が上がるのを待って、何度か査定に出すことをご検討ください。
骨董品や美術品の買取を依頼する際の注意点
骨董品や美術品の買取を依頼する際は、以下の5点にご注意ください。
まずは専門家に査定を依頼する
骨董品や美術品の処分を考える時は、真っ先に専門家に査定を依頼してください。
この時、それぞれの品目に特化した買取業者に依頼するのが重要です。
骨董品や美術品は品目によって、価値の基準が変わります。
査定を依頼する際の注意点
- 専門外の業者に依頼すると、適切に評価されない可能性がある。
- 絵画や掛け軸、茶道具は、品物の状態の良し悪しが評価にダイレクトに影響する。
- 時代性は査定に影響する重要な要素の一つではあるものの、古ければ古い程高値が付くわけでもない。
美術的な価値があるか無いかが、買取価格を左右します。
また蒔絵などの豪華な装飾が施されている製品に関しても、状態が著しく悪いと、なかなか買い手が付かないため高価買取は困難です。
ただし古い物で状態が完璧なものはそうそうないため、状態が悪いからといって自己判断で処分すると、実は価値のある物だった、ということもあり得ます。
特に骨董品や古美術品の場合、多少状態が悪くても希少価値が評価されれば、思わぬ高額評価がつくことも少なくありません。
作家や作られた年代が査定に影響するのは前述の通りですが、買取依頼する段階で骨董品や美術品に関する詳細な情報がわからなくても、何ら問題はありません。
専門家が見れば詳細はわかるので、まずは査定を依頼してください。
実は価値のある骨董品や美術品であるにもかかわらず、知らずに自治体のゴミとして捨ててしまうのは、あまりにもったいないことです。鑑定できる専門家に依頼し、その結果を受けて処分方法を検討するのが最善策といえるでしょう。
付属品も揃えて買取依頼する
骨董品や美術品に付属していたものは全て、買取の査定に出してください。
特に美術品や茶道具、掛軸、工芸品といった品には、購入時点で木箱や袋に入れられていたり、陶歴や作歴を記載した紹介文、包み紙や布などが付属されているものが多くあります。
これらはいずれも、品物の価値を裏付ける評価材料です。
捨てずに、できるだけ購入時そのままの状態で持っておくと、高値がつきやすくなります。
また鑑定書がある場合も、一緒に出してください。査定結果にポジティブに影響することがあります。
保存状態に注意する
骨董品や美術品はホコリや湿気に弱いため、保存状態に細心の注意を払ってください。
- 埃や湿気が多い蔵や倉庫、物置きなどに骨董品を長時間置いておくだけで傷む。
- 例えば陶磁器は、湿気を吸収しやすい素材の典型です。
- 絵画や掛軸、書画などは湿気の多い場所では水分を吸収するため、素材の質を傷めてしまう可能性がある。
すでに埃や湿度の高い場所で保管されている骨董品や美術品を見つけた場合は、速やかに清潔で湿度の低い場所に移動させる必要があります。
ただし移動の途中で骨董品や美術品を傷つけないよう、十分ご注意下さい
出張買取を選ぶ
骨董品や美術品の買取専門店に査定を依頼する際は、出張買取を選択してください。
多くの買取業者が、店頭への持ち込み、出張査定、宅配による査定の、3つの査定方法を用意しています。
- 店頭への持ち込み
- 出張査定
- 宅配による査定
しかし骨董品や美術品を移動させれば、傷がついたり破損したりといったリスクが生じます。
骨董品や古美術品の場合、すでに劣化が進んでいるものが多いため、現状のままで査定するのが理想です。
査定結果に悪影響を及ぼすリスクを抑えるために、今ある状態のままで査定できる出張買取がおすすめです。
骨董品や美術品には相続税がかかる
遺品として骨董品や美術品を相続する場合、相続税がかかります。
骨董品や美術品の価値を正しく把握するために、専門家に査定を依頼しておくことが大切です。
査定結果を受けて、相続するか、もしくは寄付等の対応を検討するかを検討するとよいでしょう。
まとめ
骨董品や美術品を処分する際はまず、どのくらいの価値があるものかを専門家に鑑定依頼してください。
- お得に骨董品や美術品を処分できる可能性が高まる。
- 引き取り手もない場合は、不用品回収業者に依頼する。
- 不用品回収業者に依頼すれば、骨董品や美術品以外の不用品も簡単に処分できます。
不用品回収業者を探す場合は、「不用品回収モール」をご活用ください。
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