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終活や遺品整理で出てきた古い着物は思い入れもあり、処分に迷う方も多いのではないでしょうか。
着物を処分する方法としては、主に6つあります。
- 自治体で処分する
- 買取専門店に売る
- リサイクルショップに売る
- ネットオークション、フリマアプリで売る
- 親戚、友人に譲る、NPO法人に寄付する
- 不用品回収業者に依頼する
どの処分方法を選ぶかは、着物の状態や種類を見極める必要があります。
そこで今回は、着物を処分する基準と捨て方について解説していきます。
この記事でわかること
- 着物を処分する基準
- 処分にかかる費用
- 買取してもらう方法や手順
着物を処分する基準は?
着物を処分するかどうかは、着物の状態、着物の種類や生地など総合的にみて決めていくのがおすすめです。
不要になった着物は次の3つに分けられます。
- 処分したほうがよい着物
- 売れる着物
- 売れにくい着物
それでは分別の見極め方について解説します。
処分したほうがよい着物とは
処分したほうがよい着物の特徴
- 汚れ、シミがある
- 布が傷んでいる
- ほつれがある、穴がある
- ニオイがついている
以上のような状態の着物は需要がないため、処分したほうがよいでしょう。
売れる着物とは
売れる着物の特徴
- 伝統工芸品(大島紬、結城紬、芭蕉布など)
- 証紙がついている
- 正絹
- 訪問着
- 七五三の着物
伝統工芸品など希少性が高いもの、有名な作家の着物や証紙がついている着物は高く売れる可能性があります。
証紙とは、織元や素材が書かれているもので、反物の切れ端に貼られています。
証紙がついていると、着物の価値が分かり適正価格で買い取ってもらいやすくなるので、着物を査定してもらう際は、一緒に持ち込みましょう。
正絹の着物は需要が高く、なかでも準礼装である訪問着は、披露宴や入学式、あらたまった食事会など着る機会が多いので売りやすいでしょう。
このように価値の高い着物は、着物の知識のある専門の買取店で売るのがおすすめです。
また、子どもの七五三の着物は着用する機会が限られるため、リサイクル品を求める方も多く、売りやすい着物です。帯や小物一式が揃っていればなお良いでしょう。
買取専門店で売れにくい着物とは
着物は買取専門店で売るのがおすすめですが、状態が良くてもなかなか売れなかったり安価で買い取られてしまう着物があります。
買取専門店で売れにくい着物の特徴
- サイズが小さすぎたり大きすぎるもの
- 正絹ではない着物
- 五紋の喪服
着物のサイズが小さすぎたり大きすぎたりするものは、買う人が限定的になりがちなので買い取りされにくくなってしまいます。
また、ウールや化繊の着物は、もともとが安価なこともあり、買取価格がつかない場合があります。
五紋の喪服については、五つの家紋が染め抜かれており誰でも着られるものではないため買取が難しく、家紋を消すなどの処置が必要になる場合があります。
しかし費用をかけても喪服の買取相場は低く、買取できる店舗が限られてしまいます。
買取専門店での買取が難しい場合の処分方法は4つです。
- 古布としてリサイクルする
- リサイクルショップへ持ち込む
- ネットオークション、フリマアプリで売る
- NPO法人などに寄付
着物の状態や種類によって処分方法を選びましょう。
売れない着物は自治体で処分
売れない着物の処分で一番身近なのは、自治体で処分する方法です。
自治体での処分と費用
自治体では2つの捨て方があります。
- 可燃ゴミ
- 古着、リユース
それでは、いくつかの自治体での処分方法をみていきましょう。
自治体名 | 分別 | 費用 | 備考 |
---|---|---|---|
北海道札幌市 | ・可燃ゴミ ・古布回収 | ・可燃ゴミ指定袋 代 ・古布は持ち込み無料 | 衣服として再利用可能な物は古布回収可能 |
宮城県仙台市 | 資源ゴミ | 無料 | 洗濯後乾いたものを透明のビニール袋に入れ回収拠点に持ち込み |
神奈川県横浜市 | 古布 | 無料 | 透明半透明の袋に入れ指定場所に出す 汚れたものは可燃ゴミへ |
汚れのひどいものや綿が入った半纏は可燃ゴミになる場合があるので、お住まいの自治体のルールを確認しましょう。
メリット・デメリット
自治体で捨てるメリット
- 確実に処分できる
- 古布回収に回せるものは無料で処分できる
自治体で捨てるデメリット
- 後ろめたい気持ちになる
- 持ち込む手間がかかる
自治体での処分は、費用がかからないことがほとんどです。
ただし、高価な着物や思い出深い着物などは「もったいない」という気持ちから、なかなか処分に踏み切れないことがあります。
しかし、古布回収ならリユースやリサイクルされることがあるので、積極的に利用しましょう。
着物の処分は買い取りがおすすめ
遺品整理や終活で出てきた不要な着物、親戚のお下がりの振袖など高価で捨てづらいものは買取がおすすめです。
方法は3つあります。
- 買取専門店で売る
- リサイクルショップで売る
- ネットオークション、フリマアプリで売る
それぞれの方法やメリット、デメリットについてみていきましょう。
買取専門店で売る
振袖や訪問着、伝統工芸品など高価な着物、正絹の着物などは買取専門店で売るのがおすすめです。
着物の専門的な知識のある査定員がいる店舗で査定をしてもらうと、適正価格で買取してもらえます。
買い取り方法は3つ
買取専門店では3つの買取方法があります。
- 店頭買取
- 宅配買取
- 出張買取
着物の買取ができる店舗は限られる場合があったり、予約が必要な場合があったりするので、店舗に問い合わせてから持ち込みましょう。
店頭買取の手順
- 店頭に持ち込んで査定してもらう
- 査定額に同意すれば買取
その場で現金にしたい方や処分したい着物が多くないなら店頭買取がおすすめです。
宅配買取の手順
- 電話やメールなどで申し込むと宅配のキットが送られてくる
- 着物を梱包して集荷を依頼します。
- 査定後、電話やメールにて査定額が知らされ、査定金額に納得すれば振り込み
店頭に持ち込む手間がないので、忙しくて時間がとれない方向きです。
出張買取の手順
- 電話やメールにて申し込み、都合の良い日時に査定に来てもらう
- 自宅にて査定後、その場で現金にて買取
遺品整理、終活などでたくさんの着物がある場合、出張買取がおすすめです。
この3つのいずれの方法であっても、本人確認書類が必要です。
これは、盗品が流通しないために法律で定められていますので、あらかじめ準備しておきましょう。
メリット・デメリット
買取専門店のメリット
- 適正な価格で着物を買い取ってもらえる
- 草履やバッグ、帯など小物とセットで買取も可能
買取専門店のデメリット
- 買い取ってもらえないものもある
- 着物を査定できるスタッフがいる店舗を選ぶ必要がある
着物をまた使ってもらえるというのは、気持ちが楽になります。
母の着物など、処分に抵抗を感じる場合は買取がおすすめです。
買取専門店の選び方と注意点
買取専門店にもいろいろあります。
着物の買取を依頼するなら、以下の点をチェックしましょう。
- 着物専門の査定士がいる
- 取り引きを途中でキャンセルできる
着物は専門知識がある査定士に査定してもらった方が安心です。
ただし、1社だけの見積もりでは、相場がわからないので適正価格かわかりません。
買取専門店を選ぶ際は、複数の業者に査定を依頼しましょう。
また、途中であまり納得のできる査定ではないと気付いたときに、取り引きの中止ができるかどうかも重要です。
取引の中止を求めても聞いてもらえない店舗では、無理やり買い取られてしまう可能性があります。査定・キャンセル料が無料かどうかを確認して、安心な店舗や業者を探しましょう。
リサイクルショップで売る
とにかく着物を売りたいなら、リサイクルショップで売るという方法もあります。
ただし、リサイクルショップで着物を買う人は少ないので、買取額は期待できません。
リサイクルショップに売る方法
リサイクルショップに売る方法は次のとおりです。
- 店舗に持ち込む
- 査定
- 査定額がよければ、買取へ
- 現金受取
店舗によって着物の取り扱いがない場合がありますので、事前に確認してから持ち込みましょう。
メリット・デメリット
リサイクルショップで売るメリット
- 状態がよければ古布として引き取ってもらえる
- 七五三の衣装など需要が高い物なら売れる可能性もある
リサイクルショップで売るデメリット
- 適正価格で引き取ってもらえない
- グラムいくらで買い取られてしまうこともある
リサイクルショップでは、着物の詳しいスタッフが査定をするとは限らないため、不本意な値段で買い取られる可能性が高いです。
あきらかに高価な着物をリサイクルショップで売ってしまうのは、抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。
リサイクルショップに売る際の注意点
リサイクルショップでは、着物の専門知識のある査定士がいない場合が多いです。
なので、作家の着物や伝統工芸品のような着物であっても、グラムいくらと査定されてしまったり、他の古着と同じ買取額になってしまうこともあります。
とにかく、買い取ってもらえばいいというような着物を手放すには最適かもしれません。
ネットオークション、フリマアプリで売る
ネットオークションやフリマアプリを使って着物を売る方法について解説します。
自分で値段を決められるので、納得できる価格で売ることも可能です。
ネットオークション、フリマアプリで売る方法
ネットオークションやフリマアプリで売る方法は以下のとおりです。
- サイトで相場をチェックする
- 着物の写真を撮る
- 素材、着物の種類、サイズなどの説明文を入力する
- 買い手がついたら発送する
シミや汚れなども撮って一緒にアップすることで、買い手からのクレームなどのリスクが減らせます。
メリット・デメリット
ネットオークション、フリマアプリで売るメリット
- 自分で値段を決められる
- ウールの着物、化繊の着物も売れる
- 高額買取も可能
ネットオークション、フリマアプリで売るデメリット
- 適正価格より低く売ってしまう可能性がある
- 値下げ交渉、トラブル対処をしなければならない
- なかなか売れないことや売れ残ることもある
自分で価格を決められるというメリットがあり、安く買いたたかれる心配は少なくなります。
また、場合によっては高額買取される可能性もあります。
一方、古い着物などで正確に着物の価値がわからないことにより、適正価格より低い値段で売ってしまうこともあり得ます。
なかなか売れない場合は、値下げ交渉の対応も検討しなければなりません。
ネットオークション、フリマアプリで売る際の注意点
ネットオークションやフリマアプリで売る際の注意点は、写真をきれいに撮ることです。
着物の全体像がわかるように写真を撮りましょう。
ただし、ライトの加減などで色が違って見えたりしますので注意が必要です。
また、遺品整理で出た古い着物などの場合、着物の価値がすぐにはわからないことがあり、適正価格より低く売ってしまう可能性もあります。一度出品前に、専門家に鑑定してもらうのもおすすめです。
なかなか売れないこともあるので、すぐに処分したい方には向いていません。
着物を譲る・寄付する
着物を譲ったり、寄付する場合は、着物を処分するという後ろめたさがないばかりでなく、また使ってもらえるという嬉しさがあります。
親戚・友人知人に譲る
成人式を控えた甥、姪がいる、七五三のお祝いをする親戚がいる方は、着物を譲るのがおすすめです。
振袖や七五三の衣装は、数回しか使っていないことも稀ではありません。
親戚や友人知人に譲れば、相手にも喜ばれて自分もスッキリできます。
NPO法人寄付する方法
NPO法人のなかには、着物の寄付を募っているところがあります。
例えば、NPO法人グッドライフでは、着物の寄付を受け付けています。
NPO法人 グッドライフでの着物の寄付方法
- 電話やホームページで申し込み
- 集荷専用伝票がメール便で届く(2、3日かかる)
- 段ボール箱に着物や小物を詰めておく
- 集荷用伝票に同封の説明書の電話番号やQRコードで集荷申し込み
- 集荷
- 寄付の費用を振り込んで完了
ただし、グッドライフでは1箱の寄付につきポリオワクチンの寄付金も合わせて振り込むことになっています。
寄付費用は、箱のサイズによって2通りあります。
- 3辺の合計が120サイズ以下 2,100円
- 3辺の合計が160サイズ以下 2,600円
※費用の内訳:伝票配送料 +ゆうパック料金 + ワクチン募金
グッドライフの寄付の特徴
- 多少の傷や汚れ、穴などあっても引き取ってもらえる
- 喪服の引き取り可能
- リメイクした着物の引き取り可能
- 小物も一緒に寄付できる
寄付された着物はほとんどがリユースされるので、思い出の詰まった着物もまた使ってもらうことができ、罪悪感なく手放せます。
NPO法人ステップアップサポートきらりでも、着物の寄付を受け付けています。
金銭的理由で七五三や成人式の記念写真をあきらめてしまう方のために、無料で記念フォトを撮る支援に着物を使っています。
傷みのある着物でもリメイクして利用されるので、処分するしかない着物があれば相談しても良いでしょう。
メリット・デメリット
着物を譲る、寄付するメリット
- 喜んでもらえる
- また使ってもらえる
- 買取されにくい着物も使ってもらえる
- 処分する罪悪感がない
着物を譲る、寄付するデメリット
- 寄付金や送料などがかかる
着物を譲る際には清潔な状態にするなど、気遣いを忘れないようにしましょう。
着物の処分を簡単にするなら不用品回収業者へ
着物の処分方法のなかで一番簡単な方法は不用品回収業者に依頼する方法です。
メリット・デメリット
不用品回収業者に依頼するメリット
- 手間がかからない
- 即日処分が可能
- 土日祝日に関わらず処分してくれる
- 都合の良い時間帯に処分してもらえる
- 他の不用品も回収できる
作業一切をお任せできるので、簡単に遺品整理や着物の処分ができます。
また、他の不用品も一緒に処分できるので便利さがあります。
不用品回収業者のデメリット
- 費用がかかる
- 優良な業者を探す手間がかかる
- 悪質な業者がいる
他の処分方法に比べて処分費用がかかってしまいますが、買取サービスのある業者なら、費用から買取額を差し引かれるのでお得に処分も可能です。
ただし、依頼者をだまして高額な請求をしてくる悪質な業者もいますので、業者選びは慎重にしましょう。
不用品回収業者を選ぶポイント
それでは、不用品回収業者を選ぶポイントについて解説します。
スピーカーで無料回収をうたって街を回っている業者や無料回収のチラシなどで不用品を回収している業者は避けましょう。
このような業者は、不法投棄や作業後に高額料金を請求する可能性が高いからです。
優良な不用品回収業者を選ぶポイント
- 複数の業者から見積もりをとって比較検討する
- 見積もりの内容がわかりやすい
また、説明が丁寧だったり質問にもしっかりと答えてくれる業者なら安心です。
見積もり無料、見積もり後のキャンセル料無料かどうかもチェックしておくことで、安心して見積もり依頼ができます。
実際に不用品回収業者をお探しの際は、ぜひ「不用品回収モール」をご利用ください!
不用品回収モールには、当サイトのコンセプト(ぼったくりなどの被害を防ぎたい)に賛同いただいている企業様を掲載しております。
ぜひ当サイトに掲載されている企業/回収業者様を一度ご検討いただき、もし何かご不満などがございましたら、当サイトへ口コミをお寄せください。
【まとめ】着物を処分する基準と捨て方・売り方
遺品整理や終活で大量に出てしまった着物、使われていない着物は処分に迷いがちです。
高価な着物や思い出がある着物だけに、ゴミとして処分してしまうのは罪悪感があります。
着物の傷みがはげしかったり汚れていたりするものは、処分がおすすめです。
伝統工芸品や正絹の着物なら、買取専門店に依頼すれば適正価格での買取も可能になります。
買取店で値段がつかなかった着物も、リサイクルショップやネットオークションやフリマアプリで売ることも可能です。
NPO法人では着物の寄付を受け付けているところがあります。
少々傷んだ着物でもリサイクルやリユースしてくれる場合もありますので、相談してみても良いでしょう。
遺品整理などでたくさんの不用品がある方や、忙しくて処分の時間がとれない方は、不用品回収業者に依頼するのがおすすめです。作業一切をお任せできて、即日での処分も可能です。
不用品回収業者を利用する場合は、複数の業者から見積もりをとって、自分にあった業者を見つけましょう。