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電気温水器はほとんどの場合、粗大ゴミなどの自治体のゴミとして捨てることができません。
電気温水器を取り外したり解体する作業を行えるのは、有資格者に限定されています。
それに伴い、不要になった電気温水器の処分も、専門の業者に依頼する必要があります。
すぐに電気温水器を処分したい方はもちろんのこと、電気温水器をお持ちの方にとって、知って損のない情報です。
ご自身に最適な電気温水器の処分方法を見つける際の参考にしてくださいね。
この記事でわかること
- 電気ポットと電気温水器の違い
- 電気温水器の処分方法
- 電気温水器の処分の依頼先
- 電気温水器の費用の相場
- 電気温水器を撤去する際に申請方法
電気ポットと電気温水器の違い
家庭で使用するお湯を沸かす電気製品というと、電気温水器のほかに電気ポットがあります。
電気ポットと電気温水器の違いは、次の通りです。
湯の沸かし方 | 用途 | 設置工事 | |
---|---|---|---|
電気ポット | 電熱ヒーターの熱と水の熱を熱交換する | 家庭や職場での湯沸かし | 不用 |
電気温水器 | 電熱ヒーターの熱と水の熱を熱交換する | 家庭のほか、業務や施設での大量の湯沸かし | 必要 |
電気ポットとは
電気ポットとは、主に家庭で使われる小型の湯沸かし器具のことです。
水を入れてスイッチを入れると、お湯が沸く仕組みになっています。
お湯が沸くと自動で電源が切れる機能が搭載されており、沸騰したお湯を保温する機能も付いていることが一般的です。
逐一やかんを火にかけて沸かす手間を省く便利な電化製品として、家庭や職場で、お茶やコーヒーなどを飲むシーンで広く活用されています。
容量は、1人から数人程度でお茶などを飲むのに十分な程度の、0.5リットルから2リットル程度のものが多い傾向です。
電源を取れる範囲であれば、好きな場所に置いて利用することが可能な点も、電気ポットの特徴です。
電気温水器とは
電気温水器は、主に業務用や大規模な施設で使われる大型の湯沸かし器具です。
ポットの場合は、1回に沸かせるお湯は少量ですが、電気温水器の場合は大量のお湯を一度に沸かしたり、保温したりすることができます。
そのため電気温水器は、家庭のほかにも飲食店や学校、オフィスといった業務用でも広く使用されており、容量は数lから数10lまでと幅広いのが特徴です。
電気温水器は、電気の回線や水道管に直接連結して使用します。
そのため取り付け、取り外し、解体等の工事は、給水装置工事主任技術者、第二種電気工事士といった資格をもった作業員が行うことが義務付けられています。
無資格では工事作業ができないため、必ず有資格者が在籍する業者に依頼してください。
なお、お湯をわかす備え付けの機器に「給湯器」があります。
給湯器は、水を加熱して温水を供給する装置の総称です。
給湯器はエネルギー源によっていくつかのタイプに分類され、そのうち電気を使って水を加熱するものが電気温水器であり、電気温水器は、給湯器の一種という位置付けです。
電気温水器の処分方法6選
電気温水器は産業廃棄物の一種に分類されるため、自治体の粗大ゴミとして捨てることができません。
電気温水器を処分する際は、以下のいずれかの方法をご検討ください。
- 電気・水回りの工事・修理の専門業者に依頼する
- 購入店に引き取り依頼する
- 不用品回収業者や産業廃棄物の回収業者に依頼する
- リサイクルショップに買取依頼する
- フリマアプリやネットオークションに出品する
- 廃金属の回収業者に買取依頼する
電気・水回りの工事・修理の専門業者に依頼する
電気・水回りの工事や修理の専門業者に依頼すれば、電気温水器の撤去から処分まで、一貫して依頼できます。
電気温水器の解体等の工事に際しては、有資格者による作業が必須です。
電気や水回りの工事・修理を専門に行っている業者であれば、有資格者が在籍しています。
さらに撤去処分も依頼できるため、複数の業者に手配する手間がなく便利です。
ただし依頼費用は、他の方法に比べて高価になる傾向があります。
専門業者に電気温水器の解体から撤去処分まで 依頼した際の費用相場 | 10,000円〜15,000円程度 (出張料込み・処分費用別途) |
戸建てか集合住宅かといった住宅の状況や、電気温水器の型式、メーカー、サイズといった条件で変動するため、詳細は見積もりを依頼してご確認ください。
購入店に引き取り依頼する
電気温水器本体を購入した店舗に引き取りを依頼できるケースがあります。
ただし全ての販売者が、電気温水器の引き取りに対応しているわけではありません。
また引き取りサービスを実施している場合でも、取り外し工事に対応していなかったり、解体工事の費用や出張料を請求されるケースがあります。
また大手の家電量販店ではほとんどの場合、電気温水器の取り外しや処分には対応していません。
例えばビックカメラでは買い替えに限り、対応可能です。
購入先が電気温水器の代理店や地元に根付いた電気店等の場合は、店舗によって対応可能なこともあります。
依頼の際は、購入時のレシートや保証書など、購入を確認できる書類が必要です。
しかし電気温水器の寿命は長く、10年〜15年程度は使える電化製品です。
購入時点のレシートや保証書が書類が手元にないケースの方が多いでしょう。
購入店がはっきりわかっている場合は、レシートや保証書がなくても、ひとまず連絡して相談してみるのとよいでしょう。
対応できる可能性もゼロではありません。
不用品回収業者や産業廃棄物の回収業者に依頼する
電気温水器をゴミとして捨てる場合は、産業廃棄物に分類されます。
そのため産業廃棄物の回収業者や、資格を取得している不用品回収業者に、回収処分を依頼することが可能です。
ただし電気温水器の解体と回収処分を請け負う業者には、産業廃棄物の運搬処分の資格のほか、電気工事や水道工事の資格も必要です。
無資格の業者に依頼すると、思わぬトラブルや事故につながることもあります。
依頼を検討する際は公式サイト等で、資格の有無について確認してください。
必要な資格は以下の通りです。
作業内容 | 必要な資格・許可 |
---|---|
電気温水器の解体 | ・給水装置工事主任技術者 ・第二種電気工事士 |
産業廃棄物の運搬・回収処分 | ・廃棄物処理施設技術管理者 ・産業廃棄物収集運搬業の許可 ・産業廃棄物処分業の許可 |
電気温水器以外の不用品も一緒に処分依頼する | ・一般廃棄物収集運搬業許可 |
不用品を買い取る場合 | ・古物商許可 |
業者によって、料金体系が異なります。
依頼する際は必ず複数社から見積もりをとって、比較検討してください。
見積もりの内容にわからない点があれば遠慮なく確認し、不明点を残さないことも大切です。
また作業当日に追加料金を請求されることがないか、事前に確かめてから契約を結んでください。
リサイクルショップに買取依頼する
建材や電気温水器を専門に買取するリサイクルショップであれば、買取を依頼できることがあります。
ただしリサイクルショップに売る場合、故障等がないことや、型式が新しいことが必須です。
故障箇所がある場合は、買取依頼できません。
またリサイクルショップではほとんどの場合、電気温水器の取り外し工事に対応していません。
解体作業は別途専門の業者に依頼しなければならないので、手配の手間がかかる点を考慮する必要があります。
購入したものの、取り付けしないまま保管していた電気温水器や、短期間の使用で故障等がない電気温水器を安価に取り外しを依頼できる場合は、リサイクルショップへの買取依頼を検討すると良いでしょう。
なお、衣料品や生活家電を主に取り扱うリサイクルショップでは、電気温水器の買取に対応していないケースが多々あるので、ご注意ください。
リサイクルショップによって、買取対象品目は異なります。
電気温水器の買取をリサイクルショップに依頼する際は、建材や電気温水器をはじめとする給湯器機を専門に買取するショップをお尋ねください。
フリマアプリやネットオークションに出品する
電気温水器は、フリマアプリやネットオークションに出品して売却できます。
新品未使用品や、購入から日が浅く、状態がよい電気温水器であれば、高値が付く可能性があります。
また部品だけでも出品可能です。
フリマアプリでの買取相場
メーカー・商品詳細 | 買取価格(税込) |
---|---|
HOLS・電気温水器基盤 | 3,500円(送料込み) |
MITSUBISHI・電気温水器リモコン | 6,000円(送料込み) |
TOTO・電気温水器(中古美品) | 8,800円(送料込み) |
LINAX・電気温水器(中古美品) | 10,000円(送料込み) |
TOTO・電気温水器(新品未使用) | 34,000円(送料込み) |
使用頻度の少ない電気温水器は、比較的高値で買取される傾向があります。
- 購入後、梱包を解かないまま保管されていた型式の新しい未使用品
- 臨時の事務所などで短期間使用されただけ
- 最初の試運転だけ
また部品取りや故障箇所の修理用に、基盤やリモコンといった部品だけでも購入されているのが、フリマアプリやネットオークションの特徴です。
ただしフリマアプリやネットオークションは、出品から発送まで、個人間での取引であり、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。
フリマアプリやネットオークションに出品する場合は、トラブル防止のために、以下のような詳細を漏らさず記載してください。
- メーカー
- 型番
- 製造年月日
- 使用年数
- 傷や故障等
- 保証書等の付属品の有無
また発送する際は、輸送途中で傷ついたり破損したりといった事態に陥らぬよう、丁寧に梱包することも重要です。
廃金属の回収業者に買取依頼する
リサイクルショップ等で買値がつかない電気温水器でも、廃金属の回収業者に買取依頼できることがあります。
電気温水器の場合、銅製の窯が入っていないことが多く、金属部分が少ないため、高価買取は難しい傾向です。
しかしわずかでも、買い値がつく可能性があります。
買取依頼の注意点
- 取り外し済みの状態でないと買取できないため、取り外しだけ別途業者に依頼しなければなりません。
- 出張買取を依頼すると出張費が差し引かれるため、高価買取を期待するなら廃金属の回収業者の元まで持ち込む必要があります。
すでに取り外し済みの電気温水器で、近隣に廃金属の回収業者があれば、検討の価値がある方法です。
電気温水器を撤去する際に申請は必要か
今使用している電気温水器を同じタイプの電気温水器に交換する際は、電力会社への申請は不要です。
電力会社へ配電事業所への申請が必要な場合
- 電気温水器を新たに導入する
- 電気温水器のタイプが変わる
- 電気温水器撤去する
ただし解体作業を受託した工事業者が申請の手配をするので、自分で申請する必要はないことがほとんどです。
申請にかかる手数料も、工事費用に含まれています。
しかし業者によっては、電力会社への申請手続きまでサポートしていないことがあり、この場合は自分で申請する必要があります。
業者によって対応は異なるため、電力会社への申請が必要か否か、依頼する際にご確認ください。
また次の場合は、別途申請が必要なことがあります。
- 家屋の取り壊しに伴う電気温水器の撤去の場合
- 電力の契約アンペア数を変更する場合
家屋の取り壊しがある場合は、引込線や計量器を取り外す工事が必要です。
- 家屋自体の解体に伴う電気温水器の取り外しの場合は、電力契約終了の申請を行う。
- また電気温水器の使用停止に伴って契約アンペア数を変更したい場合も、契約者本人が申請をする。
お住まい先の管轄の配電事業所に申請の連絡をしてください。
電力会社に申請の連絡をする際は、電気の検針表に記載されているお客様番号を手元に用意して話を進めると、契約内容の確認等がスムーズに進みます。
まとめ
電気温水器は自治体の粗大ゴミに出せないので、捨てる場合は業者を手配する手間も費用もかかります。
処分を急がない場合や、購入から日が浅く状態がよい電気温水器であれば、リサイクルショップに見積もり依頼したり、フリマアプリなどに出品するのがおすすめです。
不要になった電気温水器を処分しながら、わずかでも手元にお金が残ります。
ただし電気温水器は高圧の電力が流れる機器であり、水道管にも直結しています。
工事作業には専門的な知識が求められることから、無資格では解体作業できません。
電気温水器の取り外し作業は、必ず業者に依頼しなければなりません。
そして電気温水器は、古くなるほど値段がつきにくくなる電化製品です。
リサイクルショップやフリマアプリでの売却処分が難しい場合や、引越し等で他にも処分したいものがあれば、有資格の不用品回収業者に依頼することを検討するとよいでしょう。
不用品回収業者であれば、電気温水器のみならず他の不用品も一緒に回収処分できます。
不用品回収業者を利用する際は、業者選びに「不用品回収モール」をご活用ください!
不用品回収モールでは実際の利用者の口コミや投稿された画像を参考に業者を比較検討できます。
不用品回収モールには、当サイトのコンセプト(ぼったくりなどの被害を防ぎたい)に賛同いただいている企業様を掲載しております。
ぜひ当サイトに掲載されている企業/回収業者様を一度ご検討いただき、もし何かご不満などがございましたら、当サイトへ口コミをお寄せください。