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遺品整理をしたいけれど、何を処分していいかわからない。捨ててはいけないものが何か知りたい。
慣れない遺品整理は、何から手をつけるべきか悩んでしまうものです。
特に、捨ててはいけないものを捨てると、大きなトラブルの元につながります。この記事では遺品整理で捨ててはいけないものを一覧でご紹介します。
また、遺品整理を進めるコツや注意点についてもくわしく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 遺品整理で捨ててはいけないものとその理由
- 遺品整理を行うタイミングについて
- 遺品を捨てるか迷った時の対処法
- 遺品整理を効率良く進めるコツ
遺品整理で捨ててはいけないもの一覧
遺品整理で捨ててはいけないものを14個ご紹介します。捨ててはいけないものを処分した結果、ほかの親族や会社に迷惑がかかるうえ、思わぬ損害賠償の支払いにつながるリスクまであるのです。
下記に当てはまるものがあれば、むやみに処分しないでしっかりと保管しておきましょう。
遺言書
真っ先に遺品整理をするうえで、探したいものが遺言書です。
遺言書は法的な効力があります。遺書とは異なり、相続や遺贈に関することが書かれています。処分するとその後の親族間での大きなトラブルになるため、見つけたら絶対に捨てないよう十分注意しましょう。
現金・預貯金
現金や預貯金は、相続の対象になるので絶対に捨てないようにしましょう。
なお、現金や預金通帳で確認できるお金だけでなく、家に隠されているへそくりも相続の対象になるため、何人かであらゆる場所を探しましょう。
- 金庫
- たんす
- 仏壇
- 本棚(本の間)
このような場所は、現金をそのまま保管している可能性があります。特に家の中にある金庫の中やタンスなど、お金を置いていそうな場所があれば調べてみましょう。
もし、現金を見つけたら決してそのまま使わずに、ほかのお金とともに後の遺産の相続分配の際にまとめて計算する必要があります。
通帳・キャッシュカード
通帳やキャッシュカードは、処分してしまうと親族でも引き出すことが難しい状況になります。
通帳やキャッシュカードを見つけたら、絶対に捨てずにほかの現金などの資産とともに保管しておいてください。
年金手帳・身分証明書・健康保険証
年金手帳や運転免許証、健康保険証といった身分証明書は、死亡届を提出する際に必要となります。
また、運転免許証などは失効手続きをするため、後に手続きが必要なものとして保管しておきましょう。
クレジットカード
クレジットカードがあれば、ほかのキャッシュカードなどと一緒にまとめておきましょう。
ローンが残っていないか、年会費の支払いが必要ではないかといった、負債があるか調べる必要があります。その後の解約手続きも行うため、使わないからと捨ててしまわないよう十分注意しましょう。
土地の権利書
土地の権利書は故人の資産であり、相続の対象となります。故人が住んでいる家はもちろん、ほかにも不動産を所有している可能性があります。
特に、地方では山や畑などの土地を持っている家庭も少なくありません。あとから、実は土地を所有していることがわかるケースもあるため、見つけ次第しっかりと保管しましょう。
美術品・骨董品・貴金属
美術品や骨董品、貴金属は相続の対象となります。
- 掛け軸
- 絵画
- 壺などのコレクション
- 18金のネックレスやピアスといったアクセサリー
- 宝石を使ったジュエリー
- ハイブランドのバッグなどのアイテム
このような高価な品々は、相続の対象になり遺産分配されるものです。
そのまま遺品を形見分けをするのか、いったん現金化して親族で相続するのかによっても対応が異なるため、話し合って決めるまで責任を持って保管しましょう。
支払通知書・請求書
故人宛ての支払通知書や請求書があれば、しばらくの間保管しておきましょう。
支払いが遅れてしまうと、遅延金や賠償金が発生してしまいます。支払った形跡がない請求書があれば、問い合わせて支払い済みかどうか確認することをおすすめします。
仕事に関する資料
故人が勤めていた会社に連絡して、返却した方がいいか処分するかどうか、判断してもらう必要があります。
故人の仕事を引き継いでもらうために、資料が必要になるケースが多いため、むやみに処分しないよう気を付けてください。
基本的には仕事に関する資料は、すべて保管しておきましょう。
スマートフォン・携帯電話
スマートフォンや携帯電話は、故人に電話やメールが来る可能性があります。
故人の写真や各種アカウントのログイン用のデータも保存されています。IDやパスワードが分からない結果、サブスクリプションを解約できなかったり、ネット銀行にログインできないといったトラブルにつながるため、スマートフォンや携帯電話は保管することを忘れないでください。
亡くなってから1年は、継続して契約しておくことをおすすめします。
遺書・個人宛の手紙
遺書や個人宛ての手紙は、直接遺産相続に関わるものではありません。しかし、故人の気持ちが詰まったものであり、思い出の品です。
手続きに影響が出るものではありませんが、故人を偲ぶためにも思い出として残しておくことをおすすめします。
写真
写真は故人との思い出が詰まったものです。形としてそのまま残すことをおすすめしますが、アルバムが何冊もあるなど大量の写真があると管理が負担になってしまいます。
さらに、写真は時間によって色あせや変色につながるため、量が多い場合はデータ化することをおすすめします。
HDDなどにまとめて保存しておけば、劣化が気にならずいつでも思い出を見返せます。
鍵
故人の鍵は家、車、金庫などさまざまなものがあります。また、使い道がわからない鍵も、実は故人が隠していた財産などを置いている金庫かもしれません。
鍵を見つけたら使い道がわからないものでも、処分しないでしばらく保管しておきましょう。
レンタルした物
故人がレンタルしたDVDや家電などがあれば、処分すると損害賠償を請求される可能性があるため、見つけたら処分しないようにしましょう。
レンタルしていた物はいち早く、レンタル先に連絡したうえで返却など必要な手続きをとりましょう。
遺品整理を行うタイミング
遺品整理を行うタイミングをはっきりと決めると、作業にとりかかりやすくなります。
いつか整理しようと思っても、踏ん切りがつかないとどんどん時間が過ぎてしまいます。
特に書類などは、早めに見つけないと遺産相続に関わる可能性があるため、できるだけタイミングを見極めて、整理を進めていきましょう。
生前
遺品整理を故人が生きている間に少しずつ進めておくのがおすすめです。
終活として、一緒に持ち物を確認してすでに不要なものは処分しつつ、処分に困りそうなものについて確認しておくと、亡くなった後でも遺品整理をスムーズに進められます。
さらに、亡くなった後は、葬儀の日程を調整したり、死亡届の提出などの様々な手続きを行う必要があるため、すぐに遺品整理をするのが難しくなり、後回しになる可能性があります。
また、終活の時点でまとまった量を処分できていれば、亡くなった後の遺品整理に時間がかからないため、行っておくメリットが大きいです。
葬儀のあと
遺品整理のタイミングの1つが葬儀を終えた後です。葬儀後は故人の死を悼み、遺族で思い出話をするなど、仕事や学校を休んで喪に服すタイミングです。
仕事や学校が再開すると、時間的なゆとりがなくなり遺品整理を始める時期を逃してしまいやすいです。
また、葬儀のあとにすぐ探しておきたい重要な書類も複数あります。一度に遺品整理するのではなく、必要な書類を探すことを目的に、片付ける場所を決めましょう。
特に遺言書、現金やクレジットカード、土地の権利書などは相続に関わるため、優先して探すのがおすすめです。
また、レンタル品や故人が勤めていた会社関連のものなどは、早めに整理して必要に応じて手続きや返却することが望ましいです。
四十九日のあと
故人の私物の形見分けをするのなら、四十九日を過ぎた頃がきっかけとしておすすめです。
四十九日は故人が亡くなったあとの慌ただしい時期が過ぎ、少し気持ちも落ち着いてきた頃です。無理のない範囲で遺品整理を始めましょう。
百日忌の前後
百日忌が過ぎると、多少なりとも心の整理がつき、遺品整理を行う心の準備ができるようになる人も多いでしょう。
また百日忌の時期は故人との最後のお別れの場として、親族や友人が集まる機会になります。このタイミングで、遺品整理について話し合い、必要な手続きや分配についての調整を行うことができます。
百日忌は心理的な区切りがつけやすいため、このタイミングで遺品整理を行うことで新たなスタートを切りやすくなります。
一周忌の前
一周忌は故人を偲び、追悼する重要な行事です。この行事に向けて遺品整理を行うことで、故人に対する敬意を示すとともに、家族や親族が故人との思い出を共有する機会を持つことができます。
また、故人の死から1年が経過すると、遺産相続などの法的手続きが一通り完了していることが多く、遺品整理における物品の分配や処分がスムーズに行えます。
遺品整理は置いておくスペースがあれば、いつ片付けても問題ありません。
しかし、整理ができないまま時間が過ぎて、生活スペースがなくなったという状況を防ぐためにも、一度に片づけようとせずタイミングをみて遺品整理を進めましょう。
捨てるかどうか迷ったときの対処方法
遺品を捨てるかどうか迷ったときは、どうすればいいのでしょうか?
自己判断できないときの遺品の取り扱い方について、おすすめの対処方法を5つご説明します。
複数人で相談しながら作業する
遺品整理は1人で行わず、複数人で相談しながら作業することをおすすめします。個人では判断できない物も、多くの人と作業すれば意見を出し合いながら整理できます。
また、孤独な遺品整理は精神的につらいものです。体力面でも精神面でも、複数人で遺品整理をすることが、負担軽減につながります。
故人が残した遺書に従う
遺言書があれば、故人の遺志に従いましょう。まだ状態がきれいな遺品や、残した方が良いと思える写真も、故人がすべて処分を望むのなら、願いを聞き届けることが大切です。
また、一見不要な物でも、故人が残してほしいと気持ちを伝えているのならば、遺書に従って保管したり形見分けしたりしましょう。
写真や動画などはデータ化する
写真や動画などは、データとして残しておくといつでも必要になったときに見返せます。
データ化すれば保管場所もとらず、経年劣化も心配ありません。処分しづらい写真も、紙ではいずれ色あせてしまいます。
古い写真はスマホやデジカメで撮影するなどして、データとして残しておきましょう。
判断に迷ったら一旦残しておく
置けるスペースがあるのなら、無理して処分しようとせずに一旦残しておきましょう。遺品整理はスピーディーに進めようとすると、心身の負担が大きいものです。
整理する物が多いとその分判断力も使われるため、後に処分しなければよかったと後悔する物が出てきてしまう可能性があります。
だからこそ、迷ったら一時保管することも1つの手段です。
プロに相談してアドバイスをもらう
どうしても処分した方がいいのか、残すべきか判断に迷う遺品があればプロに相談しましょう。
たとえば価値がわからない品々なら、まずはプロに鑑定してもらうなど資産的価値の有無を判断しましょう。
ほかにも、遺品整理の業者に相談するなどして、一般的に残すのか処分することが多いのか、アドバイスをもらうこともおすすめです。
捨ててはいけないものを捨てたときに起こる問題
捨ててはいけないものを捨てると、さまざまなトラブルの元になります。遺品整理の際に、むやみに故人の持ち物を処分しないように十分注意しましょう。
どのような問題が起きやすいのか、4つの例を紹介します。
親族間のトラブルにつながる
遺品をむやみに捨ててしまうと、親族間のトラブルにつながります。
理由は、遺産分割の際に必要な遺言書や土地の権利書などを処分してしまえば、遺族の協議で揉めるきっかけになってしまうからです。
特に土地の権利書などがないと、後ほど不動産を売却できず、遺産を分けるまでに長い時間がかかってしまいます。
損害賠償につながる可能性がある
価値がないと判断して処分したものが、実は骨董品としての高い価値がある品物だったケースもトラブルの原因です。
また、特に注意したいのはレンタル品やリース品で誤って処分した結果、多額の損害賠償金や遅延金の支払いが必要になってしまうケースがあるのです。
遺品整理をする際には、あらかじめレンタル品などがないか調べましょう。そのうえで、レンタルした会社のルールの元に、どのような形で返却するか、費用の支払いはどうすればいいのか問い合わせることをおすすめします。
故人が働いていた会社に迷惑をかける
故人の遺品として処分したものが、実は故人が勤めていた会社に関連したもので、返却義務がある資料、備品である可能性も考えられます。
特に仕事の資料を破棄してしまえば、故人が働いていた会社に必要な情報を引き継ぐことができません。会社自体に大きな迷惑になってしまうため、取り扱いには十分が必要です。
故人が働いていたのなら、返却する必要がある資料を所有していないか、勤め先に問い合わせることをおすすめします。
また、遺品整理の際に、故人の勤め先のものと思われる資料や、封筒などが見つかったら、処分しないで確認が済むまでは保管することが大切です。
故人との思い出を振り返れなくなる
遺品整理で捨ててはいけないものを、捨ててしまった結果、時間が経ってから処分しなければよかったと後悔する可能性があります。
故人が大切にしていたものをむやみに処分せず、自己判断ではなく親族にも確認をとりましょう。親族の中に、故人の形見分けとして所有したい人が見つかる可能性があります。
遺品整理はスピーディーに行う必要がありつつも、むやみに捨ててはいけないものを捨ててしまうと、後にさまざまなトラブルの原因になります。
また、心理的にも故人の私物を処分するのはつらいものがあります。故人の物を処分したくないと感じるのなら、気持ちの整理がつくまで、保管できるスペースがあれば、ある程度は残しておくといいでしょう。
遺品整理を効率良く進めるコツ
遺品整理は故人が持っていた物をすべて整理したうえで、保管するもの、処分するものを分けていきます。重労働であり時間がかかる作業のため、できるだけ順序だてて効率的に片付けていきましょう。
遺品整理を効率良く進めるために、おさえておきたい3つのコツをご説明します。
処分するものとしないものの判断基準を決める
遺品整理は自己判断で処分しないで親族で相談しましょう。そのうえで残すものの判断基準を決めることで、スムーズに不要なものと残すものを分別できます。
たとえば、次のような具体的なラインを決めておくと、親族全体で遺品整理の方針が決まるため、お互いに整理を進めやすくなります。
- 故人が身につけていた愛用品は残す
- 故人の趣味のコレクションは鑑定してもらう
- 故人も使用した形跡がないものや読んでいない本は売却する
上記のように具体的なラインを決めると、捨ててはいけないものを捨ててしまい、後ほど親族間でトラブルになるケースを予防できます。
絶対に捨てないものをリスト化しておく
個人では絶対に「これは捨てたくない」と思うものは異なります。そこで、先に捨てたくないものをリスト化しましょう。
捨てたくないものがはっきりとわかっていれば、遺品整理後に後悔せずに済みます。
そのため、故人の財産にまつわる書類といった、公的に捨ててはいけないものはもちろん、個人的に思い入れがある故人との思い出の品物、写真などをリスト化しましょう。
場所を区切って少しずつ整理していく
故人の遺品整理は一軒家ともなると膨大な量です。また、賃貸物件などでいくら部屋が小さくても、物を整理することは大変な作業です。
なんと言っても、亡くなった方の物を整理するという作業は、たとえ物が少なくても心理的にとてもつらいものですよね。
一度に遺品整理を終わらせようとするのではなく、「今日はここまで片付ける」と区切りながら少しずつ片づけていきましょう。
少しずつ場所を決めて片付けていけば、捨ててはいけないものを見落とすリスクも減り、だんだんと気持ちの整理もつきやすくなっていきます。
まとめ
遺品整理は自己判断で捨ててしまうと、親族や故人の勤め先に迷惑がかかってしまうリスクがあります。
特に仕事関係の書類、預金通帳や土地の権利書などの遺産相続にまつわるものは、決して勝手に処分しないように十分注意が必要です。
故人の遺品整理は心身共に負担が大きな作業です。特に、大型家具などの不用品が含まれる場合、その処理には多大な体力が必要となります。
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