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「廃品回収」と「不用品回収」は、どちらも「不要な物を引き取ってもらう」という共通の目的を持つ言葉として、広く知られています。
しかし、これらの用語は業者間でも混同されがちですが、実は両者にはわずかながら意味の違いがあります。
この記事では、その微妙な違いについて解説し、不用品回収と廃品回収の区別を明確にします。それぞれのサービスがどのようなものなのか、どんな時に利用すべきなのかを理解することで、より適切な選択ができるようになります。
廃品回収と不用品回収の違いは?
廃品回収と不用品回収の間には法的な違いは存在しません。しかし、サービスの内容を詳しく見ると、両者には若干の差異があります。
項目 | 廃品回収 | 不用品回収 |
---|---|---|
対象物品 | リサイクル可能な物品(古紙、ビン、缶等) | 使用されなくなったあらゆる物品 |
回収範囲 | 範囲が狭い(再利用可能な物に限る) | 範囲が広い |
サービス内容 | リサイクルを目的とする | 処分を目的とする |
費用 | 売却可能な物品は無料または低価格で回収 | 一般的に料金が発生する |
環境省では、この二つのサービスを包括的に「不用品回収業者」という呼称で統一しています。
これは、一般の人々に対してサービスの内容をより分かりやすく、明確に伝えるための措置です。廃品回収と不用品回収の区別が一般には理解しにくいため、このような統一が行われています。
しかし、実際の業務においては、一部の業者は自らを「廃品回収業者」と称し、他の業者は「不用品回収業者」と区別して名乗ることもあります。
このセクションでは、そういった場合に混乱を避けるため、廃品回収と不用品回収とは何かについて両者には差を解説します。
廃品回収とは?
廃品回収は、一般的にリサイクル可能な物品を対象に行われるサービスです。
このサービスは不用品回収よりも回収できる物の範囲が狭く、主にリサイクルできるもの、つまり再利用や再加工が可能な物品が中心です。
具体的には、新聞紙や雑誌などの古紙、段ボール、ビンや缶、そして故障していない使用可能な家電などが該当します。
廃品回収のプロセスでは、回収業者がこれらの物品を集めた後、それらが再販売や再資源化によって利益を生むかどうかを基準にして取り扱います。
そのため、リサイクルや再利用が難しい品目については業者が回収を断ることがあります。これが、不用品回収と比べて廃品回収の範囲が狭い理由の一つです。
廃品回収の主な目的は、使わなくなった物を適切に処理して、それらを再び役立つ資源に変えることです。このサービスは、ただ捨てるのではなく、使えるものを再利用したり、リサイクルして新しい価値を作り出すことに注目しています。
不用品回収とは?
不用品回収とは、家庭やオフィスなどで「もう必要としない物」や「使用できなくなった物」を集めて処理するサービスです。
このサービスは、回収される物品がお金になるかどうかに関わらず、顧客が不要と判断したあらゆる物を引き取ります。そのため、廃品回収と比較して取り扱う物の範囲が広いと言えます。
不用品回収では、大型の家具や家電、衣類、書籍など、さまざまな種類の物品が対象となりますが、一部回収できない物もあります。これには生ごみ、汚物、危険物、死骸などが含まれます。
不用品回収の主な目的は、家庭やオフィスで使われなくなった物品を整理し、適切に処分することです。
このサービスは、不要になった物をただ捨てるのではなく、それらを安全かつ効率的に処理し、清潔で快適な生活空間を保持することに焦点を当てています。
近所を徘徊しているトラックは廃品回収が目的
私たちの街中でよく見かける、移動式のトラックを使った廃品回収車は、一般的に「廃品回収」を目的としています。
「不用品を無料で回収します」というアナウンスを流しながら巡回していることが多いですが、これらは「不用品回収」ではなく「廃品回収」が主な目的の業者であることがほとんどです。
ここで混乱しやすいのはトラックで廻っている業者がすべて廃品回収業者ではないということです。先述したとおり、廃品回収も不用品回収も法的に明確な違いというものがないため、業者によっては回収内容やサービスの質が異なります。
無料を謳っている業者には注意!
近所をトラックで徘徊しているすべての業者が悪質とは限りません。しかし多くのケースで悪質な業者の場合が多いです。
特に「無料回収」と謳っている業者の場合、注意が必要です。実際には無料で回収されず、さまざまな理由をつけて高額な料金を請求されることがあります。
また、たとえ無料で回収してもらえたとしても、その後の処理に不法投棄などのリスクが伴う可能性があります。
そもそも廃品も不用品も無料で処分することはできないことを理解しましょう。
トラックで巡回している業者に依頼する際は、その業者が回収業務に必要な許可証を保持しているかどうか、また回収した物品の処理方法をしっかり確認することが肝心です。
無料回収を謳う言葉に簡単に惑わされず、適切で責任ある廃品の処理を意識することが大切です。