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食品や靴箱、家電の梱包などに入っている「乾燥剤(シリカゲル)」。小さな袋ながら、どのゴミに出せばいいのか分からないという人は多いです。
「燃えるゴミ?」「土に混ぜてもいい?」「発火するって本当?」といった疑問を持つ人に向けて、この記事ではシリカゲルの安全で正しい捨て方をわかりやすく解説していきます。
名古屋・東京・京都市・横浜市・大阪市といった主要都市の捨て方の違いも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事でわかること
シリカゲルとは?
シリカゲルの捨て方
家庭ごみとして処分できるケース
捨てるときのNG行為
主要都市のシリカゲルの捨て方
シリカゲルとは?種類によって捨て方が違う

シリカゲルとは、二酸化ケイ素を主成分とした乾燥剤のことを指します。「青い粒入り」と「透明な粒」など、見た目でも種類を区別できるのが特徴です。
シリカゲルは無数の小さな孔を持つ多孔質構造になっており、この孔が空気中の湿気を吸着することで周囲を乾燥した状態に保ちます。無味無臭で人体に無害なため、食品や医薬品のパッケージ内にも広く使用されているといえるでしょう。
シリカゲルA型(青やピンクの粒があるタイプ)
成分にコバルト塩を含む場合があり、燃えるゴミには出せません。
有害物質を含むことがあるため、「不燃ごみ」や「有害ごみ」として扱われます。青色の粒は湿気を吸うとピンク色に変化する指示薬として機能。乾燥剤の交換時期を知らせる役割を果たしています。
コバルト塩は環境への影響が懸念される物質であるため、適切な処分が求められるでしょう。特に大量に処分する場合は、自治体のルールを必ず確認してください。
シリカゲルB型(透明・白色の粒)
一般的な食品用乾燥剤で、無害なため「燃えるゴミ」に分類される自治体が多くなっています。
ただし粉末化している場合は、吸入しないよう注意が必要です。袋が破れて中身が飛び散った場合は、掃除機で吸い込まず、濡れた布で拭き取るようにしましょう。
透明タイプのシリカゲルは食品パッケージに最も多く使用されており、お菓子や海苔、乾物などに同封されています。水分を吸収しても発熱しないため、安全に処分できるのが特徴です。
塩化カルシウム系の乾燥剤との違い
シリカゲルと似ていますが、水分を吸うと液体化するのが塩化カルシウム系乾燥剤の特徴です。
「除湿剤」「押し入れ乾燥剤」に多く使われており、こちらは「中身と容器を分けて」処分する必要があります。液体化した中身は多量の水道水を流しながら排水し、容器は自治体の指定に従って分別するのが一般的でしょう。
詳しい処分方法については、石灰乾燥剤の捨て方も合わせてご確認ください。
シリカゲルの捨て方|家庭ごみとして処分できるケース

シリカゲルは基本的に家庭ごみとして処分できますが、自治体によって分類が異なります。
燃えるゴミとして捨てられる場合
食品に入っていた乾燥剤(B型)は「燃えるゴミ」で問題ない自治体が多くなっています。
中身が飛び散らないよう、袋ごと新聞紙などに包んでから捨てると安全です。湿気を吸っても発火性はなく、通常の可燃ごみで問題ありません。
シリカゲルは水に濡れても発熱しない性質を持っているため、石灰系乾燥剤と比べて扱いやすいといえるでしょう。ただし、大量に処分する場合は万が一のことを考えて、しっかり水分を吸収させてから捨てることをおすすめします。
不燃ごみとして捨てる場合
コバルト系の青色シリカゲルは「不燃ごみ」「有害ごみ」に分類されます。
不明な場合は、不燃ごみとして出すのが安全でしょう。自治体によっては有害ごみとして特別な回収日が設定されている場合もあるため、お住まいの地域のルールを確認してください。
青色やピンクの指示薬付きタイプは、有害成分が含まれることがあるため、再利用も避けるべきです。
小型家電などに付属していた乾燥剤の扱い
家電や革製品の梱包に入っている乾燥剤も、中身がシリカゲルなら燃えるゴミで問題ありません。
中身が塩化カルシウムなら、液漏れの可能性があるため分別に注意が必要です。パッケージに成分表示がある場合は確認し、不明な場合は念のため不燃ごみとして出すのが安全といえるでしょう。
シリカゲルを捨てるときのNG行為

シリカゲルの処分方法には、いくつかのNG行為があります。環境や設備に悪影響を及ぼす可能性があるため、必ず守るようにしましょう。
土に混ぜるのはNG
ネット上では「土に混ぜて再利用できる」と言われることがありますが、これは誤りです。
シリカゲルを土に混ぜると、土壌のpHを変化させ、植物の生育に悪影響を与える可能性があります。また、コバルト入りの場合は土壌汚染の原因にもなりかねません。
土壌改良剤として使えるのは石灰系乾燥剤(生石灰が水分を吸って消石灰に変化したもの)であり、シリカゲルではないことを覚えておきましょう。混同しないよう注意が必要です。
水道に流すのはNG
目詰まりの原因になるため、シリカゲルを水道に流してはいけません。
シリカゲルは水に溶けない性質を持っているため、排水管に詰まってしまう危険性があります。特に大量のシリカゲルを一度に流すと、配管トラブルの原因となるでしょう。
もし誤って流してしまった場合は、大量の水を流して押し流すか、配管業者に相談することをおすすめします。
まとめて燃やす・加熱するのは危険
乾燥した状態では燃えませんが、袋の素材(ナイロンなど)が溶けて発火することがあります。
ストーブやコンロの近くで保管しないよう注意しましょう。再利用のために加熱する場合は、袋から出して適切な容器で行う必要があります。
地域別|主要都市のシリカゲルの捨て方

シリカゲルの処分方法は自治体によって異なります。主要都市のルールを参考にしてください。
東京都
一般的に「燃えるごみ(可燃)」扱いとなっています。ただし工業製品の乾燥剤は不燃物扱いの区もあるため、確認が必要です。
例えば世田谷区では燃えるごみ、新宿区でも可燃ごみとして処分できます。各区のホームページやゴミ分別アプリで確認するのが確実でしょう。
横浜市
食品用は「燃やすごみ」、吸湿剤・除湿剤タイプは「燃えないごみ」として分類されています。
横浜市では衣類用を含む防虫剤(シリカゲル)、乾燥剤ともに基本的には燃やすごみですが、大型の除湿剤などは別の分類になる場合があります。詳しくは横浜市公式サイトでご確認ください。
名古屋市
「燃やすごみ」に分類されるのが基本です。ただし青色粒入りは不燃扱いとなります。
名古屋市ではシリカゲルと脱酸素材は「可燃ごみ」、生石灰は「不燃ごみ」と明確に区別。名古屋市公式サイトで詳細を確認できます。
京都市
食品乾燥剤は「燃やすごみ」、化学薬品系は「不燃ごみ」として処分します。
市施設で詳しい分別方法を案内しているため、迷った場合は問い合わせてみるとよいでしょう。京都市公式サイトに詳しい情報が掲載されています。
大阪市
「普通ごみ(燃えるごみ)」で処分可能です。除湿剤は中身を出して「不燃」扱いとなります。
大阪市では乾燥剤(シリカゲル)は普通ごみとして処分できますが、容器が大きいものは分別が必要な場合があります。詳しくは大阪市公式サイトでご確認ください。
大量のシリカゲルを処分する場合

家庭で出る少量のシリカゲルは自治体のゴミとして処分できますが、大量の場合は別の方法を検討する必要があります。
家庭ごみで出せない量(業務用・大量保管など)の場合
不用品回収業者に依頼するのが安全です。
化学成分を含む乾燥剤を大量に捨てると、自治体で断られることもあるため注意が必要でしょう。特に事業活動で発生したシリカゲルは産業廃棄物として扱われ、家庭ごみとして出すことはできません。
事業で使用したシリカゲルは、産業廃棄物の「汚泥」に区分されます。産業廃棄物処理業者に依頼して処分する必要があり、処理費用は1キログラムあたり20円から30円が相場となっています。
業者で回収したシリカゲルは焼却や溶解・埋め立てなどの方法で処理され、粘土や堆肥の代替原料としてリサイクルされることも多いです。
業者回収を利用するメリット
袋詰めのまま出せるため、手間がかからないのが大きなメリットです。
他の乾燥剤(塩化カルシウムや石灰系)とまとめて処理できるため、引っ越しや大掃除の際にも便利でしょう。自宅まで回収に来てくれるため、重い荷物を運ぶ必要もありません。
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シリカゲルを安全に再利用する方法

シリカゲルは適切に処理すれば、乾燥剤として再利用することができます。
電子レンジ・天日干しで再乾燥
食品用で清潔な状態のものに限り、再利用可能です。
電子レンジで30秒から1分温めると水分が抜けます(ただし袋が溶けないよう注意が必要です)。電子レンジの「解凍モード」で2分から3分ほど加熱するのが安全でしょう。
フライパンで弱火で温める方法もあります。青色の粒が混じっているタイプであれば、ピンク色から青色に変わったら乾燥完了の合図です。
靴箱・クローゼットなどで再利用
袋を新しい紙袋や布袋に詰め替えれば、除湿剤として再利用できます。
靴の中に入れておけば湿気を吸収し、臭いを軽減する効果も期待できるでしょう。クローゼットや引き出しに入れておけば、衣類の湿気対策やカビ防止にも役立ちます。
本棚や書類の保管場所に置くことで、紙製品が湿気で劣化するのを防ぐこともできます。
ただし再利用できるのは透明タイプのみ
青色やピンクの指示薬付きタイプは、有害成分が含まれることがあり、再利用は避けるべきです。
コバルト塩を含む可能性があるため、加熱して再利用すると有害物質が拡散する危険性があります。透明な粒のみのシリカゲルB型であれば、安全に再利用できるでしょう。
まとめ:シリカゲルは種類と自治体ルールで正しく分別しよう
シリカゲルの処分方法は、種類と自治体によって異なります。基本的なルールをまとめると以下のようになります。
食品用(透明)は燃えるごみとして処分できる自治体が多く、青色やピンク入りは不燃ごみまたは有害ごみとして扱われます。土に混ぜたり水に流すのは絶対にNGです。
シリカゲルは一見安全そうでも、種類によっては環境への影響を及ぼすことがあります。必ず自治体の指示を確認し、正しい方法で処分することが大切でしょう。
大量に処分する必要がある場合や、事業活動で発生したシリカゲルの処分にお困りの場合は、不用品回収業者への依頼が便利です。
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