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大切な我が子を安全に車に乗せるためには、チャイルドシートが必要です。しかし、チャイルドシートは子どもの成長とともに必要がなくなります。
必要がなくなったチャイルドシートを、どのように処分すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。本記事では自治体での捨て方だけでなく、さまざまな処分方法を解説します。
この記事でわかること
- チャイルドシートを処分するのに最適な時期
- チャイルドシートの自治体での捨て方・費用
- チャイルドシートの売却の仕方
- 無料で処分する方法と気をつけたいこと
ぜひ、古くなったチャイルドシートを自分に最適な方法で処分してください。
チャイルドシートを処分するのに最適な時期
ところで、チャイルドシートはいつ処分をしたら良いのでしょうか。
以下のような時期を迎えたら処分を考えましょう。我が子が安全で快適に車に乗るためには、チャイルドシートを処分して、新たにジュニアシートを使うなどのステップアップが必要です。
子どもが成長して不用になったとき
チャイルドシートを使用する義務があるのは、6歳未満の子どもです。生まれたばかりの新生児も車に乗せるなら、チャイルドシートを使用しなくてはなりません。すべての年代の子どもが安全に車に乗れるように、チャイルドシートには3つの種類があります。
チャイルドシートは、子どもの年齢と身体の大きさに合わせて使用しましょう。小さすぎるシートは、窮屈で苦しく、快適に車に乗れません。逆に大きすぎるシートでは、シートベルトをすり抜けたり、腹部を圧迫する原因となり、安全を守ることができません。
子どもが成長したら、チャイルドシートの処分を検討するべきです。
乳児用シート | 新生児から1歳くらいまで・身長70cm以下、体重13kg未満の子どもが対象 |
幼児用シート | 1歳から4歳くらいまで・身長65~100cmくらい、体重9~18kgの子どもが対象 |
学童用シート | 4歳から10歳くらいまで・身長135cm以下、体重15~36kgの子どもが対象 |
チャイルドシートが古くなったとき
チャイルドシートには、製造メーカーが標準使用期間を定めています。これは新規購入した日から安全に使用できる期間という意味です。標準使用期間をこえてチャイルドシートを使っていると、経年劣化のために本来の機能を発揮できない可能性があります。
コンビのチャイルドシートの場合、標準使用期間は下記の通りです。
- 乳児用シート:5年
- 幼児用シート:8年
- 学童用シート:10年
チャイルドシートは、上の子どものものをそのまま使ったり、譲り受けたものを使うことも多いでしょう。そうしたものは、購入した時期も不明、取扱説明書もないことがあります。
こうした標準使用期間をはかりかねるチャイルドシートを使っている場合は、我が子の安全を守るために、劣化したと感じたら捨て方を考えることも必要です。
チャイルドシートの捨て方
ある程度大きさのあるチャイルドシート。捨て方がわからずに、ためらっている方も多いかもしれません。最初に多くの方になじみがある、自治体での捨て方を解説します。
自治体の粗大ゴミとして処分
チャイルドシートの捨て方で多いのは、粗大ゴミに出すことです。理由は、30cm以上のものが粗大ゴミだと定義されている場合が多いからです。
粗大ゴミは通常とは捨て方が違います。自分で集積場に出すのではなく、申し込みをして収集を予約しなくてはいけません。
- 電話やインターネットで収集を予約
- 予約日の指定された時間に、指定された場所にチャイルドシートを置いておく
- 料金を支払う:前もって料金シールを購入して貼っておく・当日職員に現金で支払うなどさまざまな方法があるため、事前に確認をしておく必要がある
チャイルドシートを粗大ゴミとして収集している一部の自治体を下にまとめましたが、料金も条件も地域によって違います。収集を申し込む前には、どのような条件があるのか、ホームページなどで前もって確かめておきましょう。
チャイルドシートを粗大ゴミとして収集している自治体
自治体名 | 料金 | 収集の条件 |
---|---|---|
札幌市 | 200円 | 最大の辺が1m未満のもの |
横浜市 | 200円 | 50cm以上のもの |
江東区、江戸川区、世田谷区 | 400円 | 一辺の長さがおおむね30cm以上のもの |
品川区 | 300円 | 一辺の長さがおおむね30cm以上のもの |
高崎市 | 520円 | 60cm以上、10kg以上、または市の指定袋に入らないもの |
浜松市 | 310円 | 60cm以上のもの |
神戸市 | 300円 | 45Lの指定袋に入らないもの・入っても重さが5kgをこえるもの |
京都市 | 800円もしくは1,200円 | 可燃ゴミでは集められない大型のもの |
高松市 | 510円 | 10kgをこえるもの |
また、ほとんどの場合、粗大ゴミにはもう1つの捨て方があります。自分で処理施設に持ち込む方法で、料金が節約できることが多いです。
- 品川区の場合:300円の手数料が、持ち込みの場合は200円
ただし、持ち込みにも事前の申込みが必要な場合があるため、やはり確認が大切になるでしょう。
不燃・可燃ゴミとして処分できることも
自治体によって、または大きさによってチャイルドシートの捨て方は変わります。不燃・可燃ゴミになる場合があるのです。この捨て方には、以下のようなメリットがあります。
- チャイルドシートを集積場に出せば良いので捨て方が簡単
- 収集日が決まっており、回数も多いためすぐに処分ができる
- 料金が発生しないので、お得に処分ができる
チャイルドシートが可燃ゴミになるのを意外に感じる方もいるかもしれません。しかし、そこにはキチンと理由があります。熊本市や長崎市では、プラスチック製容器包装だけを分別・収集しています。それ以外のプラスチック製品は焼却処分をされるため、チャイルドシートは可燃ゴミとなるわけです。
このようにチャイルドシートの捨て方は大きく違います。予約などが必要ないからと油断せずに、必ず事前に確認をしてください。
プラスチックゴミの種類
- プラスチック製容器包装:商品を入れる袋や容器のことで、プラマークと呼ばれる識別シールがついている
- プラスチック製品:バケツや歯ブラシなど、製品そのものを利用する
自治体名 | 分別 | 収集の条件 |
---|---|---|
金沢市 | 不燃ゴミ・可燃ゴミ | 70cmをこえるもの・70cmをこえないもの |
熊本市 | 可燃ゴミ | 指定収集袋に入れて口が結べない場合は粗大ゴミ |
長崎市 | 可燃ゴミ | 指定収集袋に入らない場合は粗大ゴミ・金属部分は取り外す |
高松市 | 不燃ゴミ | 10kgをこえないもの |
チャイルドシートを回収できない場合も
静岡県藤枝市、焼津市ではチャイルドシートを回収しません。チャイルドシートは市の処理施設では処理できない、適正処理困難物に当たるからです。この場合、捨て方はありませんから、下記の方法を取ることになるでしょう。
- 販売店に相談
- 一般廃棄物収集運搬許可業者へ依頼
多くの自治体では、一般廃棄物収集運搬許可業者の一覧をホームページに掲載していますので、参考にするとよいでしょう。
藤枝市の(有)塚本工業では、チャイルドシートの引取料金は、3,300円から5,500円です。自治体での捨て方よりも、かなり料金がかかってしまうので、納得できない方もいるかもしれません。
そのような場合は売却など、別の方法を考えましょう。
チャイルドシートを売却する
チャイルドシートがまだ標準使用期間内であり、十分に使える状態なら、売却を検討するのも良いでしょう。
捨て方によっては、チャイルドシートを処分するのに費用がかかりますが、うまくいけば収入が得られるかもしれません。
リサイクルショップで売却
売却を考えるとき、最初に考えるのはリサイクルショップという方が多いでしょう。普段からなじみがあって使いやすいのも、リサイクルショップを利用するメリットです。
リサイクルショップ「アシスト」では、実際に以下の値段でチャイルドシートが買取されています。
メーカー名 | モデル | 状態 | 買取価格 |
---|---|---|---|
コンビ | ネルーム CC-UID | 一般的な中古品 | 6,000円 |
コンビ | クルムーヴスマート | 一般的な中古品 | 15,000円 |
エールベベ | クルット3 プレミアム | 一般的な中古品 | 5,000円 |
店舗に持ち込むだけでなく、出張買取や宅配買取にも応じてもらえるため、小さな子どもがいて出かけにくい方でも利用しやすいのではないでしょうか。あれこれ捨て方に悩むよりも、ラクにできる方法です。
売却しやすいチャイルドシートとは
人気のあるメーカーのチャイルドシートは買取してもらいやすいです。リサイクルショップには、事前にメーカーやモデルを伝えておくと買取がスムーズに進むでしょう。また、汚れやシミがあると買取には不利になるかもしれません。前もって掃除をして清潔にしておくことも大切です。
人気のメーカー
- コンビ:1957年創立、日本のベビー用品メーカー
- アップリカ:1958年設立、日本のベビー用品メーカー
コンビとアップリカは日本のベビー用品の2大メーカーと称されており、長い間人気を保っています。
- エールベベ:カー用品メーカー「カーメイト」のチャイルドシートブランド
- レカロ:ドイツの自動車・鉄道・航空機関連の製品を製造するメーカーの日本法人、「レカロ・ジャパン」が販売しているチャイルドシートブランド
自動車について深い理解のあるメーカーが作るチャイルドシート。高い機能性と安全性を備えていることで、大きな支持を得ています。
フリマアプリなどを利用して売却
フリマアプリなどを利用すれば、1人で作業ができるのでチャイルドシートを手軽に処分できます。また、価格を自分で決められるため、リサイクルショップに依頼するよりも多くの収入を得られるかもしれません。
以下は、実際にフリマアプリやネットオークションに出品されているチャイルドシートの例です。
- メルカリ コンビ クルーヴスマート 12,400円で出品
- メルカリ コンビ ジョイトリップ 11,999円で出品
- ヤフオク コンビ ジョイトリップ エアスルー 10,800円で出品
ただし、必ず希望の価格で売却できるとは限らない上、売却できたときには自分で梱包と発送をする必要があります。また、メルカリでは販売手数料が売上金額の10%かかること、送料も自己負担になることを忘れないようにしましょう。
チャイルドシートを無料で処分する
売却ができなかった場合、チャイルドシートはいつまでも手元に残ることになります。そのようなときのために、無料で処分する方法も解説します。収入にはなりませんが、処分する費用もかかりません。
チャイルドシートを必要な知人・友人に譲る
身近にチャイルドシートを欲しがっている知人や友人がいれば、無料で譲りましょう。この方法には、以下のようなメリットがあります。
- 捨て方を悩まずに済む
- 無料で譲る代わりに自宅まで取りに来てもらうことで、梱包や発送をしなくて済む
- 送料や手数料がかからない
ただし、自分の子どもには安全面からも、新品のチャイルドシートを使いたいと思う人もいます。押し付けにならないように、気をつけましょう。
都合よくチャイルドシートを欲しがっている人がいない場合は、ジモティーなどで探しましょう。ジモティーを使うと、自宅の近所で手渡しできる人を探すこともできます。
チャイルドシートを寄付する
チャイルドシートは寄付もできます。
- 寄付をする団体にチャイルドシートを宅配、またはゆうパックで送る
これで寄付は終了です。送料は自己負担、チャイルドシートだけでなく寄付金も求められます。それでも処分のための費用はかかりません。また、確実にリユースしてもらえますから、単に捨てるよりも気持ちはラクになるはずです。
チャイルドシートの寄付ができる団体は以下の通りです。事前の申込みが必要かどうかなど、詳しくはそれぞれのホームページを参照してください。
- セカンドライフ
- いいことシップ
個人で売却・譲るとき、事前に気をつけたいこと
チャイルドシートは我が子の安全を守るための大切な道具です。それは、他の人に譲るときでも変わりません。
業者に買い取ってもらうのと違って、個人はチャイルドシートの整備や安全確認をおろそかにしがちです。しかし、個人間のやり取りこそ、安全には細心の注意を払ってください。
具体的には次のことに注意してください。
- 事故にあったことがある、強い衝撃を与えたことがあるものは譲らない
- ひび割れしているなど、外観が傷んでいるものは譲らない
- あまり古いもの・標準使用期間を大幅に過ぎているものは譲らない
- 部品・付属品など必要なものが揃っていないものは譲らない
- 取扱説明書がないものは譲らない
- 相手の車と適合性があるものを譲る
どれもチャイルドシートを正しく安全に使うためには必要なことです。あくまでも自分の子どもを乗せられるかを基準にしてチャイルドシートを譲りましょう。
メーカーで引取りをしてくれることも
乳幼児用の製品メーカー「コンビ」では、使わなくなったチャイルドシートを無料で引き取り、リサイクルをしています。国内メーカーとしては初めてのサービスですが、利用には条件があるため注意が必要です。
- 対象の商品を購入していること
- ユーザー登録をしておくこと
この条件さえ満たしていれば、メーカーに連絡すると自宅までチャイルドシートの回収に来てもらえます。捨て方に悩むことがないため手軽に処分できる上、メーカーが責任を持ってリサイクルをしてくれるため、安心感もあります。
不用品回収業者でチャイルドシートを処分
チャイルドシートは、不用品回収業者に依頼して処分してもらうのも良い方法です。
不用品回収業者は、申込みをしてから対応するまでの時間が短いため、引っ越しなどで急いで処分をしたい場合などに最適です。
他にも以下のようなメリットがあります。
- 買取を断られたチャイルドシートでも回収してもらえる
- チャイルドシート以外に処分したいものがあれば、一緒に回収してもらえる
- 早朝や深夜にも対応してもらえるため、どのような生活環境の方にも利用できる
- 分別や運搬など、一切自分ではやらなくて済む
- 不用品買取をしている業者が多いため、不用品が利益になることも
不用品回収業者は、1回の回収に10,000円程度の料金設定をしていることが多いです。
チャイルドシートだけの回収では高くつくことになるため、処分したい不用品がたくさんある方に最適だといえます。一気に不用品を処分できれば、引っ越しや片付けなどの作業もはかどるはずです。
料金に不安がある方は前もって見積もりを取ると良いでしょう。
不用品回収業者をお探しの際は、ぜひ「不用品回収モール」をご利用ください!
不用品回収モールには、当サイトのコンセプト(ぼったくりなどの被害を防ぎたい)に賛同いただいている企業様を掲載しております。
ぜひ当サイトに掲載されている企業/回収業者様を一度ご検討いただき、もし何かご不満などがございましたら、当サイトへ口コミをお寄せください。
まとめ【チャイルドシートは子どもの成長に合わせて処分しよう】
チャイルドシートの処分方法を解説してきました。自治体での捨て方だけでなく、売却や知人に譲る、寄付するなどさまざまな方法があることがわかっていただけたと思います。
チャイルドシートはずっと同じものを使い続けるわけにはいきません。使わなくなったチャイルドシートをどうすれば良いのかわかっていれば、心置きなく新しいものを購入できるでしょう。
処分の後には、「まだ使えるチャイルドシートをムダにしてしまった」「譲った後でどうなったか心配になってしまった」など、悩んでしまう方もいるかもしれません。だからこそ、自分に合った方法で処分をするべきです。それを見つけるために、ぜひ本記事を参考にしていただければ幸いです。