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「自宅に溜まっている洗剤を処分したい」と考えている方も多いでしょう。しかし、誤った捨て方をすると有毒ガスが発生しそうで不安だという方も多いはずです。
そこでの記事では、洗剤の正しい捨て方についてわかりやすく解説しています。
この記事でわかること
- 洗剤の使用期限
- 洗剤の捨て方(種類別)
- 洗剤を捨てる際の注意点
- 洗剤の活用方法
中身が残っている洗剤の処分にお困りなら、ぜひ本記事の情報を参考にしてみてください。
洗剤の使用期限は?古い洗剤は使える?
そもそも洗剤に使用期限があるのか気になっている方もいるはずです。また「未開封なので、品質に問題ないなら使ってしまいたい」と考えている方もいるでしょう。
結論として、洗剤の使用期限は3年程度です。3年を超えると品質や洗浄力が落ちてしまうため、古い洗剤は処分をおすすめします。
ちなみに使用期限について洗剤のパッケージに記載されているわけではありません。ですが、厚生労働省が公開している製品表示のルールには以下のように記載されています。
使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はないが、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっている(配置販売される医薬品では、「配置期限」として記載)。
引用元:厚生労働省
また、長期間使わずに放置していた古い洗剤には、次のデメリットがあります。
- 洗浄力が弱まっている
- 成分が分離・凝固している
- 化学反応でにおいが変わっている
- 肌がかぶれやすくなっている
経年劣化するのはもちろん、洗剤の目的である洗浄力が落ちてしまうのが問題です。3年程度であれば購入した時期と同様の効果を保持できますが、3年を超えてくると徐々に劣化する恐れがあります。
もったいないと感じますが、品質や健康面のことを考え、いかにも怪しい見た目・においの場合には、未開封でも処分しましょう。
洗剤の捨て方
自分で洗剤を処分したいと考えている方向けに、種類別で洗剤の捨て方をまとめました。
- 粉末洗剤
- 固形洗剤
- 液体洗剤
今回説明する「洗剤」は、衣類を洗う洗濯洗剤のほか、食器用洗剤、トイレ掃除用洗剤、床掃除用洗剤などを含みます。
中でも液体洗剤は、捨て方を間違えると化学反応で有害物質が発生する場合もあるため、安全な捨て方をわかりやすく解説します。
粉末洗剤・固形洗剤の捨て方
粉末洗剤や固形洗剤は、そのまま燃えるゴミとして処分できるのが一般的です。例えば、以下の用途で使用する粉末洗剤・固形洗剤は、そのまま処分して問題ありません。
- 洗濯用洗剤
- 食器用洗剤
ただし、一緒のゴミ袋に水気のある物を捨てている場合には、一緒に入れないことをおすすめします。粉末洗剤・固形洗剤は水分に反応して泡立つので、ゴミ袋の中が泡だらけになるかもしれません。
安全のために、ビニール袋等に入れて処分するか、小さなゴミ袋を準備して粉末洗剤・固形洗剤だけを処分しましょう。
液体洗剤の捨て方
液体洗剤は、必ず中身の液体を処理したうえで捨ててください。ちなみに、液体洗剤には以下の用途で使用する洗剤を含みます。
- 洗濯用洗剤
- 食器用洗剤
- トイレ用洗剤
- 床用洗剤
また液体洗剤には、捨てる際に気を付けるべきポイントが複数あります。具体的な捨て方を4ステップに分けて説明しているので、液体洗剤を使用している方は、順番に確認してみてください。
1. 余った洗剤は中身を空にする
洗剤の容器に液体洗剤が残っている際には、使い切ったうえで適切に捨ててください。使い切る方法としては、以下の2つの選択肢があります。
- 排水口に流す
- 布にしみこませる
まず、余っている洗剤の量が少ない場合には、トイレやシンク、洗面所で流して問題ありません。ただし、濃度の高い状態で流すと配管が錆びる恐れもあるので、水で薄めながら洗剤を流しましょう。
また未開封の洗剤の場合には、流す量が多く水質汚染といった問題につながる場合があるため、事前に地域規制や推奨事項を確認して、捨て方を検討してみてください。お住まいの自治体によっては、専門の清掃業者を紹介しています。
もうひとつ、液体洗剤の中身が少ない場合には使わない布やタオルにしみこませて捨てることも可能です。水質汚染を防止できるため、自宅にいらない布・タオルがないか探してみてください。
2.容器を洗う
液体洗剤を容器から出し終わったら、容器の中を水で軽く洗って内側に付着している洗剤を取り除きましょう。
たとえ少量の液体洗剤だったとしても、化学反応のリスクがあります。また、ゴミ捨てやリサイクルに出した際、他の素材を傷めてしまう可能性があるため、水を入れキャップを締めた状態で2~3回ほど振り洗いするのがおすすめです。
3.キャップや容器の分別は自治体のルールに従う
液体洗剤を捨て終わったら、洗剤の容器・キャップを処分しましょう。
一般的に、液体洗剤の容器・キャップはプラスチック製であるため「プラスチック容器包装」に分類されるのが特徴です。自治体では、「プラスチック容器包装」といったリサイクル品の回収ボックスを設置しています。洗い終わった容器・キャップをまとめてボックスに入れに行きましょう。
また、液体洗剤の容器・キャップが紙製の場合には「紙ゴミ」としてリサイクルできます。ただし、容器・キャップの内側がプラスチックでコーティングされているとリサイクルができません。通常の燃えるゴミとして捨てましょう。
他にも、容器のキャップがプラスチック・紙ではないときには、自治体ごとに処分方法が違います。事前にお住まいの自治体が公開している「ゴミ出しルール」を確認したうえで、洗剤容器・キャップを分別してください。
また、リサイクルについて詳しく知りたい方は、以下の記事がおすすめです3Rの概要や具体例を解説しています。
4.布にしみこませた洗剤は燃えるゴミとして処分する
液体洗剤を布やタオルにしみこませた場合には、そのまま燃えるゴミとして処分できるのが一般的です。ただし、布から液体洗剤が垂れてしまうため、ビニール袋などで密封したうえで捨てるのが良いでしょう。
また、他の液体と混ざらないように、布系のゴミだけをまとめて処分するのがおすすめです。さまざまなゴミを混ぜて捨てると、化学反応が起こるケースもあるため、なるべくゴミ袋を分けて処分してください。
洗剤を捨てる際に注意すること
洗剤を捨てる際、特に注意すべきなのが液体洗剤です。液体洗剤は化学反応しやすく、誤った捨て方をすると有毒ガス発生の恐れがあります。
粉末洗剤・固形洗剤も含めて捨てる際の注意点をまとめました。安全に洗剤を捨てる参考にしてみてください。
油と一緒に排水口に流す
洗剤とは別に、余っている油も流してしまおうと考えている方もいるでしょう。
ですが油と洗剤を一緒に流すのはNGだとご存じでしょうか。なぜなら、油と洗剤の成分が化学反応を起こし、脂肪酸のようなかたまりとなり、排水管の内側にこびりついてしまう恐れがあるからです。脂肪酸は排水管内で固まりやすく、時間が経過するごとに付着力を増し、詰まりの原因となります。
また、洗剤や油を排水管に流すと、においの問題が発生するかもしれません。排水管が詰まって食べ物が排水管内で腐ってしまうほか、洗剤に含まれる界面活性剤が排水管内をキレイに保つ微生物に影響を与えて有機物を分解できなくなる場合もあります。
排水管の詰まりやにおい問題の解消には、莫大な修理費用がかかるため、詰まりの原因となる油・洗剤を一緒に流さないように気を付けてください。
洗剤を薄めないままトイレや排水口に流す
洗剤を捨てる際に水で薄めないまま流してしまうと、排水管を傷つける原因になってしまいます。
大前提として洗剤には次の成分が含まれており、それぞれ金属を腐食させてしまうのが特徴です。
- 塩素系
- 酸性
- アルカリ性
水に薄めて流せば、濃度を薄められるほか排水管に付着する心配もありません。しかし、粘度のある原液の状態で流してしまうと、排水管にこびりついて金属の腐食が進行しやすくなります。
場合によっては、排水管が腐食すると穴が開き、水漏れや故障の原因につながるかもしれません。修理に高額な費用がかかるため、洗剤を処分する際には必ず水に薄めながら捨ててください。
複数の洗剤を混ぜる
処分したい洗剤が複数ある際に、まとめて排水口に流そうと考える方も多いでしょう。しかし、複数の洗剤を混ぜるのは危険です。洗剤の成分によっては有毒ガス発生の恐れがあるので注意してください。
参考として、有毒ガスが発生する組み合わせをまとめました。
組み合わせ | 身体への影響 |
---|---|
酸性洗剤と塩素系洗剤 | 塩素ガスの影響で肺が損傷するほか、呼吸困難に陥る |
アンモニア系洗剤と塩素系洗剤 | 目や喉への刺激のほか、呼吸困難を引き起こす |
酸素系漂白剤と塩素系漂白剤 | 熱発生によるやけどや、ガスによる呼吸器系へのトラブルを引き起こす |
主に、塩素と他の成分を混ぜること自体に問題があります。洗剤を排水口に流す際には、時間を起きながらひとつずつ処分するか、別の排水口に流すように心がけましょう。
また、洗剤を流す際にはもしものことを想定して、換気の徹底やマスク・ゴム手袋の着用など、安全対策を意識してください。
洗剤だけでなく漂白剤の捨て方を知りたい方は以下の記事がおすすめです。漂白剤の種類と処分方法を解説しています。
容器に洗剤が入ったまま捨てる
容器の中に洗剤が入ったままゴミとして捨てるのは、あまり好ましいことではありません。なるべく排水口に流して容器の中をキレイにしたうえで処分するのが良いでしょう。
ただし、どうしても洗剤を入れたまま処分したい場合には、容器から液体洗剤が漏れないように対策したうえで、蓋をしっかり閉めてから処分してください。
蓋が緩んで開いたまま洗剤を処分すると、液体が漏れて有毒ガス発生や、におい問題、環境汚染といったトラブルを引き起こします。またゴミの回収時やリサイクルでも迷惑をかけてしまうので、注意が必要です。
いらない洗剤を有効活用する方法
いらない洗剤や古い洗剤に対して「そのまま捨てるのがもったいない」と感じているのなら、余っている洗剤を有効活用するのがおすすめです。以下に洗剤の種類別に活用方法を表でまとめました。
洗剤の種類 | 活用アイデア | 概要 |
---|---|---|
粉末洗剤 | 除湿剤・芳香剤 | 市販の抽出パックなどに入れて、タンスや玄関の除湿・芳香ができる |
油汚れ掃除 | 少量の水で溶かしてスプレーボトルに入れることで、しつこい油汚れの洗剤として使える | |
固形洗剤(固形石鹸) | 掃除用スプレー | 少量の水に溶かしてスプレーボトルに入れることで、掃除用のスプレーとして使える |
シミ落とし | 固形洗剤を布にこすりつけることで、洋服についた食べこぼしのシミを落とせる | |
手作りキャンドル | 固形石鹼やクエン酸、タコ糸などを使って芳香効果のある手作りキャンドルを自作できる | |
液体洗剤 | 床掃除 | 水で薄めてモップ掛け、雑巾がけすると床の汚れが落ちやすくなる |
窓ガラス掃除 | 水で薄めて窓ガラスに吹きかけると、こびり付いた油膜や汚れが落ちやすくなる | |
自動車掃除 | 水で薄めて吹き付けることで、自動車の外装やガラスに付着した油膜を洗い落とせる | |
シルバーアクセサリーの清掃 | 洗剤を溶かした水の中に入れると、油膜やくすみを改善できる※天然石の装飾はNGの場合も |
洗剤に含まれる表面活性剤や洗浄力により、水場以外の掃除にも洗剤が役立ちます。
また、除湿剤・芳香剤・キャンドルなど、掃除以外のアイデアも見つかるため、余った洗剤を無駄にしたくない方は、ぜひ有効活用してみてください。
まとめ
洗剤は、粉末洗剤・固形洗剤・液体洗剤によって処分方法が違うほか、液体洗剤については処分時の注意点が複数あります。
また、余った洗剤がもったいないと感じる場合には、水場以外の掃除に活用する方法もあるため、自分の考えに合う方法で余った洗剤を使い切りましょう。
ですが中には「大量の古い洗剤の処分に困っている」「自分で排水口に流すのが怖い」と不安な方もいるでしょう。もし、洗剤以外にも処分したいゴミ・不用品が複数あるのなら、荷物の回収・分別・処理を得意とする不用品回収業者に相談するのがおすすめです。
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