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無線機を安易に処分すると、思わぬ危険に巻き込まれる可能性があるので注意が必要です。
例えば無線機を廃棄処分する場合は、総務省が公開しているように、表面画面を破損した上で、電池を取り外さなければなりません。
この手間を惜しむと、大きな事故につながることがあります。
ただし無線機は、状態によって高値で売却することも可能な製品です。
手間をかけて廃棄処分する前に、わずかでもお金を残せる可能性を探す方がよいでしょう。
業務用無線機とアマチュア無線機のいずれについてもご紹介していますので、無線機の処分方法をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 処分方法が異なる無線機の種類
- 無線機の処分方法
- 無線機の処分する際の注意点
- 無線機の電池やバッテリーを処分する方法
無線機の種類
無線機といっても大きく2つの種類があり、種類によって処分方法が異なります。
- 業務用無線機(簡易業務用無線機)
- アマチュア無線機
業務用無線機とアマチュア無線機の違いは、次の通りです。
業務用無線機とアマチュア無線機の違い
比較項目 | 業務用無線機(簡易業務用無線機) | アマチュア無線機 |
---|---|---|
通信可能距離 | ・〜5km程度 | 数100km可能なこともある |
用途 | ・警察や消防 ・タクシーなど仕事の現場 | 個人の趣味などプライベート |
廃棄の際の分別 | ・産業廃棄物 | 各自治体のルールに基づいて分別 |
ビジネスシーンで使用する業務用無線機を廃棄処分する際は、事業者が排出するゴミとして扱われます。
可燃ゴミや不燃ゴミ、粗大ゴミといった自治体のゴミに出せないため、ご注意ください。
なお無線機のほかに、「インカム」や「トランシーバー」という呼称があります。
これらは本来は別々の機器を意味していました。
しかし現在は、同義語として扱われるのが一般的です。
そのため、当記事でも「無線機」=「インカム」および「トランシーバー」として解説しています。
無線機の処分方法8選
無線機には、次の8つの処分方法があります。
- 小型家電回収ボックスでリサイクル
- 自治体のゴミに出す
- 無線機の買取専門業者に買取依頼する
- リサイクルショップに買取依頼する
- フリマアプリやネットオークションに出品する
- 廃金属の回収業者に買取依頼する
- 不用品回収業者に回収依頼する
- 産業廃棄物の回収業者に依頼する
ただし業務用・アマチュア無線機のいずれにも対応可能なものから、どちらかにしか対応できないものもあるので、処分方法を検討する際はご注意ください。
処分方法 | 業務用無線機 | アマチュア無線機 |
---|---|---|
小型家電回収ボックスでリサイクル | × | 〇 |
自治体のゴミに出す | × | 〇 |
無線機の買取専門業者に買取依頼する | 〇 | 〇 |
リサイクルショップに買取依頼する | 〇 | 〇 |
フリマアプリやネットオークションに出品する | 〇 | 〇 |
廃金属の回収業者に買取依頼する | 〇 | 〇 |
不用品回収業者に回収依頼する | △ ※産業廃棄物の資格を有した業者の場合は〇 | 〇 |
産業廃棄物の回収業者に依頼する | 〇 | △ 一般廃棄物の資格を有した業者の場合は〇 |
小型家電回収ボックスでリサイクル
プライベートで使用したアマチュア無線機は、環境省と総務省が定める使用済み小型電子機器等の回収対象に該当します。
そのため小型家電回収ボックスに入れることでリサイクルに出すことが可能です。
自治体によって対象製品や投入口のサイズが異なるものの、無料で不要になった無線を処分でき、さらに環境負荷の軽減にも貢献するのでメリットの多い処分方法です。
ただし自治体によって小型家電回収ボックスで回収できる対象品目が異なり、必ずしも無線機が対象であるとは限りません。
また投入口のサイズに合わない場合、別の方法で処分しなければならない点にご注意ください。
東京都江東区の場合 | 15cm×25cm以下のアマチュア無線機であれば、小型家電回収ボックスに入れることができます。 |
大阪府大阪市の場合 | 15cm×30cm以下のアマチュア無線機に限り、小型家電回収ボックスに入れることができます。 |
回収ボックスは、区役所をはじめとする自治体の施設や、商業施設などにも設置されているので、お近くのボックスをご利用ください。
小型家電回収ボックスを利用する際は、総務省の指示に従い、必ず電池を取り外した上で、液晶画面を使用できない状態にしてください。
自治体のゴミに出す
アマチュア無線機などプライベートで使用した無線機であれば、自治体のゴミとして廃棄処分できます。
ただしゴミの分別に関するルールは自治体がそれぞれ個別に定めているため、自治体ごとに分別の方法が異なります。
不燃ゴミや可燃ゴミなどの一般ゴミに分類する場合もあれば、サイズや品目によって粗大ゴミとして捨てるケースもあるので、ご注意ください。
分別方法の事例
自治体名 | 無線機の分別方法 | 粗大ゴミの場合の処理料金 |
---|---|---|
札幌市 | ・リサイクルセンターや区役所窓口にて対面で回収 (小型家電回収ボックスでの回収だがスタッフとの対面によるゴミのチェックが必要) ・札幌市指定のゴミ袋に入れて口を結べるサイズであれば燃やせないごみ ・指定のゴミ袋に入らない場合は粗大ごみ | 200円 |
世田谷区 | ・粗大ゴミ | 400円 |
横浜市 | ・金属製:粗大ごみ(30cm未満のものは小さな金属類) ・プラスチック製:燃やすごみ(50cm以上のものは粗大ごみ) | 200円 |
名古屋市 | ・縦15cm以下かつ横40cm以下かつ奥行25cm以下は小型家電回収ボックスで回収(基本的には小型家電回収ボックスでのリサイクルを推奨) ・小型家電回収ボックスに入らない場合は粗大ゴミ | 250円 |
京都市 | 資源物回収拠点にて回収 | ─ |
自治体のゴミとして無線機を捨てる場合は必ず、電池やバッテリーを抜き、別途分別して捨ててください。
無線機に使用する電池やバッテリーを誤って廃棄処分すると、火災などの大事故につながる可能性があり、大変危険です。
なお電池やバッテリーの捨て方や分別方法は、後述します。
無線機の買取専門業者に買取依頼する
いらなくなった無線機は、業務用・アマチュア無線機を問わず、無線機の買取専門業者に買取依頼できます。
無線の知識が豊富な専門家が査定するため、高価に買い取られる可能性が高く、廃棄処分を考える前にぜひ検討したい処分方法です。
無線機の専門店であれば故障品でも修理できる可能性があるため、故障箇所がある無線機でも買取できることが多々あります。
無線の買取専門業者における買取の事例
商品詳細 | 買取価格 |
---|---|
八重洲・トランシーバー・FT-DX9000D 新古品 | 185,405円 |
八重洲・アマチュア無線機・FTDX9000・中古 | 102,141円 |
八重洲・FT-2000M・アマチュア無線機・中古美品 | 33,710円 |
ICOM(アイコム)・オールモードSDR無線機・IC-7610 | 79,893円 |
ICOM(アイコム)・オールモード トランシーバー ・中古 | 48,542円 |
KENWOOD(ケンウッド)TS-990S SP-990 HF ・無線機・ジャンク品 | 121,356円 |
KENWOOD(ケンウッド) TS-950SDX DIGITAL HF TRANSCEIVER・無線機 | 37,418円 |
COLLINS(コリンズ)KWM-2A・無線機 | 47,868円 |
モトローラ登録局・GDR3500・デジタル簡易無線機・10台セット | 41,126円 |
ただし市場の流行や流通量、店舗の在庫状況といった条件で、買取価格は変動します。
見積もりを依頼した店舗によって、同じ無線機でも買取価格が異なるケースが多々あります。
複数の無線機買取専門店に見積もりを依頼し、もっとも高価で買取できる先に依頼するのがおすすめです。
リサイクルショップに買取依頼する
業務用・アマチュア無線機のいずれも、リサイクルショップに買取依頼できます。
ただしリサイクルショップによって取扱品目や、買取の得意不得意があります。
あらかじめ複数のリサイクルショップに見積もりを依頼して比較検討する一手間をかけることが、高価買取のコツです。
リサイクルショップでの買取の参考価格
商品詳細 | 買取価格 |
---|---|
八重洲・FT-847 | 16,000円〜33,000円 |
八重洲・FT-1000 | 22,000円〜51,000円 |
ICOM(アイコム)・IC-780 | 24,000円〜45,000円 |
ICOM(アイコム)・IC-275 | 4,000円〜22,000円 |
KENWOOD(ケンウッド)・TS-900S | 50,000円〜85,000円 |
KENWOOD(ケンウッド)・TS-520V | 5,000円〜24,000円 |
ALINCO(アルインコ)・DR-620D | 5,000円〜10,000円 |
ALINCO(アルインコ)・DX-R8 | 8,000円〜20,000円 |
ただ無線機の専門店と異なり、リサイクルショップの場合、壊れている無線機は買取が難しいことがあります。
機種や無線機の状態によっては値段がつくこともあるため、廃棄処分する前に、まずは見積もりを依頼してみるとよいでしょう。
フリマアプリやネットオークションに出品する
無線機はフリマアプリやネットオークションでも人気が高い商品です。
業務用・アマチュア無線のいずれも出品できます。
フリマアプリやネットオークションでの取引の事例には、次のようなものがあります。
商品詳細 | 買取価格 |
---|---|
KENWOOD(ケンウッド)TM-732モービルハム無線機の周辺機材 | 3,000円(送料込み) |
モービル・COMET FS50S・アンテナ2本 | 3,000円(送料込み) |
ICOM(アイコム)・IC-4110 | 5,000円(送料込み) |
MOTOROLA(モトローラ)・GDB4800 | 11,000円(送料込み) |
八重洲・FT1D・ジャンク品 | 11,000円(送料込み) |
フリマアプリやネットオークションの特徴は、無線機の部品だけ、また壊れている無線機でもジャンク品として出品できることです。
修理できる人や部品取りしたい人に買取されることがあります。
また専門店やリサイクルショップより、高値で売れる可能性があるのも魅力です。
しかし、出品してもすぐに買い手が見つかるとは限らないのが弱点です。
処分を急がない場合は、フリマアプリやネットオークションに出品することを検討する価値があるでしょう。
廃金属の回収業者に買取依頼する
無線機には希少価値の高い金属であるレアメタルが使用されているため、廃金属の回収業者に買取依頼することで、わずかでも手元にお金を残すことができます。
廃金属の回収業者の場合は無線機そのものではなく、金属の量や種類によって買取金額が決まります。
無線の買取専門店やリサイクルショップなどでは買値がつかない壊れた無線機でも、買取依頼できる点がメリットです。
ただし買取依頼する無線機の数が少ないと、持ち込みの手間に見合うだけの買取額がつかない可能性があります。
また出張買取を依頼した場合も、出張料金と相殺されて手元にお金が残らない可能性があるのでご注意ください。
大量に処分したい無線機がある場合や、そのほかに処分したい金属製品があり、かつ近隣に廃金属業者があって持ち込みできる場合は、検討したい方法です。
不用品回収業者に回収依頼する
無線機の専門店やリサイクルショップで買値がつかない、廃棄処分したい無線機やその他の不用品が大量にある、といった場合は、不用品回収業者に依頼する方法があります。
例えば引越しのタイミングや、無線機器を収集するのが趣味だった方の遺品整理などのタイミングであれば、不用品回収業者に依頼して一気に不用品を処分するのがおすすめです。
ただしビジネスなどのシーンで使用した業務用無線機は、通常の不用品回収業者では回収処分できないのでご注意ください。
一般的な不用品回収業者は、家庭から排出されるゴミの搬出・回収・処分に必要な資格を取得しています。
しかし業務用無線機の場合、産業廃棄物に分類されるため、産業廃棄物の回収処分に対応した許認可が必要です。
不用品回収業者に依頼する際、取得の有無を確認したいのが以下の資格です。
利用目的 | 必要な資格 |
---|---|
アマチュア無線機などの家庭から排出された不用品を処分する | 一般廃棄物収集運搬業許可 |
無線機などの買取を依頼したい | 古物商許可 |
業務用無線機など、業務で使用した不用品を処分する | 産業廃棄物収集運搬業許可 |
不用品回収業者の中には、一般廃棄物収集運搬業許可と産業廃棄物収集運搬業許可の両方を取得している業者もあり、この場合は業務用・アマチュア無線のどちらも回収可能です。
しかし不用品回収業者の中には、無資格で営業しているケースがあります。
見積もりを依頼する前に、有資格の業者であるかをご確認ください。
産業廃棄物の回収業者に依頼する
業務用無線機は自治体のゴミとして捨てることができません。
無線機の買取業者やリサイクルショップでの買取ができず廃棄処分する場合は、産業廃棄物の回収業者に収集と処分を依頼してください。
この時必ず、産業廃棄物収集運搬業許可を取得している業者に依頼することが大切です。
また産業廃棄物の回収業者と一言でいっても、料金体系はそれぞれ異なります。
複数の業者から見積もりをとって、比較検討することは欠かせません。
無線機の電池やバッテリーを処分する方法
無線機に使われる電池やバッテリーは、それぞれ処分方法が異なります。
電池やバッテリーの種類 | 処分方法 |
---|---|
乾電池 | 自治体の分別方法に従って可燃ゴミもしくは不燃ゴミに捨てる |
ボタン式電池 | 絶縁処理したのち、ボタン電池回収缶に入れる |
充電式のバッテリー | 絶縁処理したのち、小型充電式電池リサイクル回収ボックスに入れる |
特に取り扱いに注意が必要なのが、ボタン式電池と充電式のバッテリーです。
ボタン式電池は内部に水銀が使われており、自治体のゴミに捨てると危険です。
不燃ゴミなどに捨てた場合、発火する可能性もあります。
また無線機のバッテリーは引火性が高く、強い圧力が加わっただけでも爆発することがあります。
誤って自治体のゴミとして捨てた場合、大火災や人命に関わる大事故につながる危険があるため、廃棄処分には十分注意しなければなりません。
実際、火災になった事例が報告されており、国民生活センターや東京消防局なども警鐘を鳴らしています。
ボタン式電池の回収は、一般社団法人電池工業会の協力店で実施しています。
一般社団法人電池工業会のホームページから、お近くの回収場所を調べることができるので、ご活用ください。
また充電式バッテリーを捨てる際は、電極部分にセロテープやビニールテープを貼って絶縁したのち、お近くの小型充電式電池リサイクル回収ボックスに入れてください。
小型充電式電池リサイクル回収ボックスは、家電量販店や自治体の関連施設などに設置されているほか、一般社団法人JBRCの公式サイトで調べることもできます。
まとめ
無線機の処分方法は、業務用かアマチュア無線機かによって異なります。
ただ無線機を処分する場合は、まず買取の可能性を探り、見積もりを依頼するのがおすすめです。
買取は、業務用・アマチュア無線機のいずれも依頼できます。
アマチュア無線機を廃棄処分する場合は、小型家電回収ボックスまで持ち込む手間がかかるほか、大型の場合は、粗大ゴミとして処分費用を払わなければなりません。
また業務用の場合は産業廃棄物として業者に回収処分を依頼しなければならず、大きなコストがかかります。
一方、無線の専門店やリサイクルショップ、フリマアプリなどを利用すれば、故障していても買値がつく可能性があります。不要になった無線機を処分して、手元にお金を残すことができるので、お得な処分方法です。
しかしプライベートで無線が趣味だった人の遺品整理や引越しのタイミングで、無線機と一緒に他の不用品も速やかに処分したいものがある場合は、不用品回収業者に依頼するのが便利です。
買取にも対応する不用品回収業者を利用すれば、不用品の処分費用と相殺できるので、安価に不用品一式を処分できます。
ただ不用品回収業者の中には悪質なものもおり、トラブルを回避するためには慎重に比較検討することが欠かせません。
不用品回収業者を探す際は、ぜひ「不用品回収モール」をご利用ください!
不用品回収モールでは実際に利用した人の口コミを参考にしながら、ご自身のニーズに最適な不用品回収業者を探すことができます。
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