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バイクのバッテリーは、鉛や電解液(希硫酸)を含むため、一般ゴミとして捨てることはできません。
しかし、交換や廃車にともない「外したまま放置している」「処分の仕方がわからない」という人も多いはず。適切に処分しないと、環境汚染や法律違反のリスクがあるため、正しい方法を知っておくことが大切です。
この記事では、「バイク バッテリー 処分」をテーマに、無料で引き取ってもらえる場所、費用がかかるケースとその相場、地域別(世田谷区・横浜市など)の処分ルートを整理し、最も安全で手間の少ない方法を紹介します。
この記事でわかること
バイクバッテリーがゴミとして捨てられない理由
無料・格安で処分できる6つの方法
世田谷区・横浜市など地域別の処分ルート
バイクごと処分したい場合の対応方法
バイクバッテリーの処分方法に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
バイクバッテリーは”有害ごみ”扱い。間違った処分はNG

バイクバッテリーは、鉛や硫酸を含む「特定有害廃棄物」です。
そのため、自治体の粗大ゴミや可燃ゴミとして出すことはできません。間違った方法で処分すると、環境汚染や法律違反につながる可能性があります。
なぜゴミに出せないのか
有害物質が漏れたり、火災・爆発の危険があるためです。
バイクバッテリーには、以下のような有害物質が含まれています。
- 鉛:重金属で、環境汚染の原因となる有害物質
- 希硫酸(電解液):強酸性の液体で、皮膚に触れると化学火傷を起こす
- プラスチック外装:通常のプラスチックとは異なる素材
これらの物質が漏れ出すと、土壌汚染や水質汚染を引き起こします。また、バッテリー端子がショートすると、発火や爆発の危険もあるでしょう。
法的にどう扱われているか
家電リサイクル法ではなく、「資源有効利用促進法」に基づいてリサイクルが義務付けられています。
資源有効利用促進法では、バッテリーメーカーや販売店に対して、使用済みバッテリーの回収とリサイクルを義務付けています。そのため、ほとんどのバイク用品店やカー用品店では、バッテリーの回収サービスを提供しているのです。
消費者側も、適切なルートで処分する責任があります。不法投棄や不適切な処分は、法律違反となる可能性があるため注意が必要です。
バイクバッテリーを処分できる6つの方法

処分ルートは複数ありますが、費用・安全性・利便性が異なります。
① バイク用品店(2りんかん・ナップスなど)での引き取り
バッテリー交換と同時なら無料となることが多いといえます。バイク用品店での処分は、最も一般的で確実な方法といえるでしょう。
- 2りんかん
2りんかんでは、バッテリー購入時に古いバッテリーを無料で引き取ってくれます。店舗によっては「無料回収サービス」を実施しており、購入なしでも持ち込みできる場合があります。交換時にお願いするのが最もスムーズです。バッテリー交換と同時に引き取りを依頼すれば、手間がかからず確実に処分できます。 - ナップス
ナップスでも、同様にバッテリー購入時の無料引き取りサービスを提供しています。一部店舗では、購入なしでも有料(500円程度)で引き取ってくれることがあります。
持ち込みのみの場合は、数百円の回収費用がかかることもあるため、事前に店舗に確認しましょう。
② カー用品店(イエローハット・オートバックスなど)
車用と同じく、鉛バッテリーとして回収可能です。カー用品店では、バイク用バッテリーも受け付けています。
- イエローハット
イエローハットでは、店舗持ち込み制で「購入時無料」が基本となっています。新しいバッテリーを購入すれば、古いバッテリーを無料で引き取ってもらえるでしょう。購入なしで持ち込む場合は、店舗によって対応が異なるため、事前に電話で確認することをおすすめします。 - オートバックス
オートバックスでも、同様のサービスを提供しています。店舗によっては無料、もしくは110円〜550円ほどの手数料がかかる場合があります。
③ ホームセンター(島忠・カインズなど)
バイク・車兼用のバッテリー販売店では、販売と引き取りを同時に行うケースが多いです。ホームセンターでもバッテリーの回収サービスを行っています。
- 島忠
島忠では「購入時のバッテリーを無料引取」サービスを実施している店舗もあります。新しいバッテリーを購入すれば、古いバッテリーと引き換えに処分してもらえるでしょう。 - カインズ
カインズでも、バッテリー販売と同時に引き取りサービスを提供しています。店舗によってサービス内容が異なるため、最寄りの店舗に確認してください。
④ バイクショップ・販売店で処分してもらう
新車・中古問わず、購入店舗に相談可能です。バイクを購入した店舗であれば、バッテリーの処分も相談しやすいでしょう。
店舗によっては「整備のついでに無料回収」も。定期点検や車検の際に、ついでに古いバッテリーを引き取ってもらえることがあります。
ただし、他店購入の持ち込みは有料のことも多いため、事前に確認しましょう。
⑤ 自治体の有害ごみ回収に出す(世田谷区・横浜市など)
残念ながら、ほとんどの自治体では回収を行っていません。
- 世田谷区
世田谷区では、バッテリーは「販売店または回収業者への持ち込み推奨」としています。区の粗大ゴミでは回収不可です。世田谷区公式サイトでは、販売店での引き取りを案内しており、区での回収は行っていません。 - 横浜市
横浜市も、自治体では回収せず、販売店・専門業者・リサイクル拠点を案内しています。市の「資源循環局」では回収対象外です。
いずれも「自治体回収対象外」が基本なので注意してください。バイクバッテリーは、販売店や専門業者での処分が原則です。
⑥ 不用品回収業者に依頼する
バイクごと動かない場合や、複数の部品をまとめて処分したい場合に有効です。
不用品回収業者に依頼する方法もあります。
回収費用の目安は、2,000〜5,000円前後です。バッテリー単体であれば比較的安価ですが、バイク本体や他の部品と一緒に処分する場合は、費用が高くなることがあるでしょう。
ただし、「無料回収」をうたう業者の中には不法投棄のリスクもあるため、必ず許可業者を選んでください。一般廃棄物収集運搬業許可または産業廃棄物収集運搬業許可を持つ業者を選びましょう。
不用品回収業者の選び方について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
費用の目安|無料〜1,000円が一般的

無料処分が可能なケースが多いものの、条件によっては費用がかかります。
バイクバッテリーの処分費用は、以下の通りです。
- 新品購入時に引き取り:無料が多い
- 交換のみで依頼:数百円〜1,000円程度
- 出張回収業者:数千円程度(交通費・処分費込み)
最も費用を抑えられるのは、新しいバッテリーを購入する際に、古いバッテリーを引き取ってもらう方法です。ほとんどの店舗では、購入時の引き取りは無料となっています。
購入を伴わない場合は、数百円から1,000円程度の処分費用がかかることが一般的でしょう。
なお、「無料回収トラック」や「その場で現金買取」をうたう業者は要注意です。
バッテリー内部の鉛を目的に回収し、不法投棄されるケースも。特に、以下のような業者には依頼しないようにしましょう。
- 街中を巡回する無料回収トラック
- 会社名や所在地が不明な業者
- 許可証を持っていない業者
- 書面での見積もりを出さない業者
バイクごと処分したい場合(動かない車両もOK)

バッテリーだけでなく、バイク本体も動かない場合は「廃車+回収」を同時に依頼するのが効率的です。
廃車手続き付きの回収業者を使うメリット
バイクの廃車証明書の発行も代行してくれます。
バイク廃車専門の回収業者に依頼すると、以下のようなメリットがあるといえるでしょう。
- 廃車手続きの代行:陸運局での手続きを代行してくれる
- 廃車証明書の発行:廃車が完了したことを証明する書類を発行
- バッテリー、オイル、タイヤなどの処分も一括対応:部品ごとに処分先を探す手間が省ける
- 一部の業者では不動車・事故車でも無料引取が可能:動かないバイクでも引き取ってもらえる
特に、バイクが動かない場合や、長期間放置していた場合は、廃車専門業者に依頼するのが最も効率的でしょう。
主な廃車専門業者:
- バイク王:不動車でも無料引き取り、廃車手続き代行
- バイクランド:事故車・不動車の買取・引き取り
- バイクワン:全国対応、廃車手続き無料
これらの業者は、バイク本体に価値がなくても、部品やスクラップとしての価値を見出してくれるため、無料または買取で引き取ってくれることがあります。
自分で処分する際の注意点

DIYで処分しようとする場合、いくつかの危険が伴います。
バイクバッテリーを自分で分解・処分することは、以下の理由から非常に危険です。
電解液(希硫酸)が皮膚に触れると化学火傷を起こす
バッテリー内部の電解液は、強酸性の希硫酸です。皮膚に触れると化学火傷を起こし、目に入ると失明の危険もあります。
もし誤って触れてしまった場合は、すぐに大量の水で洗い流し、医療機関を受診してください。
バッテリー端子のショートによる発火
バッテリーの端子(プラスとマイナス)が接触すると、ショートして発火する危険があります。特に、金属製の工具や他の金属と接触させないよう注意が必要です。
自治体ゴミに混ぜると「不法投棄」扱いになる可能性
バイクバッテリーを一般ゴミや粗大ゴミに混ぜて出すことは、不法投棄とみなされる可能性があります。発覚した場合、罰金や刑事罰の対象となることもあるでしょう。
そのため、自宅での分解・解体は避け、必ず店舗や専門業者を利用することが推奨されます。
地域別:世田谷区・横浜市などでの処分ルート

地域別の具体的な処分方法を紹介します。
世田谷区
世田谷区では回収を行っていません。販売店・カー用品店・不用品回収業者などを利用する必要があります。
世田谷区内での処分方法:
- バイク用品店:ナップス世田谷店(環七沿い)で引き取り相談可
- カー用品店:イエローハット、オートバックスの各店舗
- バイクショップ:地元のバイク販売店に相談
世田谷区公式サイトでは、「販売店に相談してください」と案内されています。区での回収は行っていないため、上記のような店舗を利用しましょう。
横浜市
横浜市の「資源循環局」では回収対象外となっています。
横浜市内での処分方法:
- バイク用品店:2りんかん港北店、ナップス横浜店など
- カー用品店:イエローハット、オートバックスの各店舗
- バイクショップ:地元のバイク販売店
近隣の2りんかん港北店やイエローハットで、持ち込み処分が可能です。事前に電話で確認してから持ち込むとスムーズでしょう。
他エリア(参考)
川崎市:自治体での処分不可。バイク用品店やカー用品店での処分が必要
名古屋市:市では回収せず、販売店での無料回収サービスを案内
大阪市:バイク用品店での無料回収サービスあり。ナップス大阪店、2りんかん各店舗で対応
いずれの地域でも、自治体での回収は基本的に行っていないため、販売店や専門業者を利用することになります。
バイクバッテリーを”資源”としてリサイクルする仕組み

実はバッテリーの多くは、再資源化されています。
バイクバッテリーは、適切に処分されれば、以下のように再資源化されます。
鉛:再精錬して再利用(新しいバッテリーや金属資材に)
バッテリーに含まれる鉛は、回収後に精錬され、新しいバッテリーの材料として再利用されます。鉛のリサイクル率は非常に高く、約90%以上がリサイクルされているとされています。
プラスチック外装:粉砕・再成型してプラ製品に
バッテリーの外装に使われているプラスチックも、粉砕・再成型されて、新しいプラスチック製品に生まれ変わります。
電解液:中和処理のうえ安全に廃棄
電解液(希硫酸)は、中和処理を施して安全な状態にしてから廃棄されます。適切に処理されれば、環境汚染のリスクはありません。
正しく処分すれば、環境にも負担をかけず資源の循環につながります。バイクバッテリーは「ゴミ」ではなく、「リサイクル可能な資源」なのです。
まとめ:安全・確実にバイクバッテリーを処分するには
バイクバッテリーは単なるゴミではなく、環境負荷の高い「有害資源」です。鉛や希硫酸を含むため、一般ゴミに出すことは法律上認められていません。
最も手軽で安全なのは、交換時に店舗へ無料回収してもらう方法です。バイク用品店やカー用品店、ホームセンターでは購入時の引き取りに対応しており、費用もかからず確実です。購入を伴わない持ち込みでも、数百円〜1,000円ほどで回収してもらえるケースが多く、自治体では処分できないため、こうした店舗を利用するのが現実的でしょう。
不用品回収業者に依頼する場合は、許可証の提示と口コミの確認が必須です。無許可業者に依頼すると不法投棄のリスクがあるため注意してください。バイク本体や複数部品をまとめて処分したい場合には、正規の業者が安心です。
不用品回収モールは「ヤラセ口コミ0宣言」を掲げ、許可を持つ業者のみ掲載した比較サイトです。料金や口コミを見比べながら、信頼できる業者を選べます。
バイクバッテリーの処分に迷ったときは、不用品回収モールを活用し、思い出の詰まった愛車を適切なルートで手放してください。

