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2026年2月20日、福岡市の不用品回収業者の代表が特定商取引法違反の疑いで再逮捕されました。
被害を受けた20代の女性は、業者のホームページで「7,000円」というプランを確認して依頼したのに、実際には5万2,800円以上を請求されたといいます。しかも契約書にはクーリングオフの記載が一切なかった疑いがあります。
「見積もりと全然違う金額を請求された」「クーリングオフのことを教えてもらえなかった」など、不用品回収の高額請求トラブルは全国で後を絶ちません。今回の事件の詳細と、その背景にある構造的な問題をわかりやすく解説していきます。
事件の概要|福岡の不用品回収業者代表が再逮捕
逮捕されたのはどんな人物?
今回逮捕されたのは、福岡市の不用品回収業者「不用品リユースセンター」福岡営業所代表・石丸正和容疑者(41歳)です。「再逮捕」とあるように、今回が初めての逮捕ではありません。同じような容疑で過去にも捜査対象となっていた人物です。
被害者の女性に何が起きたか
被害を受けた20代の女性は、業者のホームページに掲載されていた「7,000円」のプランを見て回収を依頼しました。ところが実際に作業が終わったあと、請求されたのは5万2,800円以上。差額は実に7倍超です。
〈図解指示:「依頼〜支払いまでの流れ」を横型ステップで図示。HP確認(7,000円)→電話依頼→訪問・作業→請求書提示(5万2,800円超)→支払い〉
業者側は「作業費」「仕分け費」などの名目で追加費用を積み上げましたが、事前の説明はほとんどなかったとされています。女性は不安を感じながらも、その場の雰囲気に押し切られるかたちで支払いに応じてしまいました。
クーリングオフの記載がなかった——それ自体が違法です
この事件でとくに問題視されているのが、契約書にクーリングオフの記載がなかった点です。
特定商取引法では、訪問販売を行う業者は契約書にクーリングオフの権利を必ず記載することが義務づけられています。記載がない契約書を渡した時点で、法律違反にあたります。
石丸容疑者は「クーリングオフの記載がない契約書を渡した事実は認めるが、違法とは知らなかった」と容疑を否認しています。ただ、法律の不知は免責理由にはならず、知らなかったでは済まないのが現実です。
なぜ高額請求を繰り返せたのか|広告費と収益の構造
毎月500〜700万円の広告費をかけていた
今回の事件で注目すべき点の一つが、警察が明らかにした広告費の規模です。石丸容疑者は、検索結果の上位に表示させるために毎月500〜700万円もの広告費を投じていた可能性があるとされています。
これだけの費用を毎月支払い続けるためには、当然ながら相応の売上が必要になります。一件あたりの単価を大幅に引き上げ、高額請求を繰り返すことで広告費の原資を捻出していたとみられています。
〈図解指示:「広告費→上位表示→集客→高額請求→広告費」の悪循環を円形フローで図示〉
「検索上位に出ていた」だけで選ぶのは危険
多額の広告費をかければ、検索結果の上位に表示させることはできます。「上に出てきたから大きい会社だろう」「信頼できるだろう」と思いがちですが、上位表示とサービスの品質や法令遵守はまったく別の話です。
むしろ今回の事件が示すのは、「広告費を回収するために高額請求が必要だった」という構図です。消費者の立場からすれば、検索順位だけを判断基準にすることの怖さがよくわかる事例といえます。
クーリングオフとは?知っておきたい基礎知識
不用品回収でもクーリングオフは使えます
業者が自宅に来て契約した場合、それは「訪問販売」に該当します。特定商取引法により、契約書面を受け取った日から8日間以内であれば、理由を問わず無条件で解約できます。これがクーリングオフ制度です。
ここで知っておいてほしいのが、業者がクーリングオフの記載を省いた契約書を渡した場合、8日間のカウントがスタートしないという点です。今回の被害女性も、もしこの知識があれば、あとから解約・返金を求められた可能性があります。
〈図解指示:「クーリングオフの仕組み」を時系列で図示。訪問契約→書面受取→8日以内に通知→解約成立〉
高額請求されたときの対処法
もし突然高額を請求されてしまったときは、その場でサインや支払いをしないことが最優先です。「持ち帰って検討します」と伝え、まずは業者を帰らせましょう。
そのうえで、請求書や契約書の写真を撮って証拠を残し、国民生活センターの「消費者ホットライン(188)」に相談してください。クレジットカードで支払ってしまった場合は、カード会社にチャージバックを申請できるケースもあります。
悪質業者の手口|こんな特徴に注意しよう
「格安プラン」「無料回収」の広告には要注意
「軽トラ1台〇〇円〜」「無料で回収します」といった目を引く広告は、追加費用の温床になりやすいです。表示価格はあくまで入口にすぎず、実際には「分別費」「処分料」などが後から加算されるケースが少なくありません。
依頼前には「追加費用が発生する条件は何か」「総額でいくらになるか」を必ず確認するようにしてください。
作業が終わったあとに請求書を出してくるパターン
最もトラブルになりやすいのが、作業完了後の追加請求です。作業が終わってしまった後では交渉の余地が少なく、業者が目の前に立っている状況で高額の請求書を出されると、心理的なプレッシャーもかかります。
こうした事態を防ぐためにも、作業前に書面で見積もりを出してもらい、サインする前に内容をしっかり確認することが大切です。
信頼できる業者を選ぶためにできること
許可証があるかどうかを確認する
不用品を適正に回収・運搬するには「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。この許可は各自治体が発行するもので、持っていない業者は法律的に廃棄物を扱えません。
依頼前に「許可番号を教えてください」と確認してみましょう。すぐに答えられない、あるいはホームページにまったく記載がない業者には注意が必要です。
比較サイトで優良業者を絞り込もう
許可証の確認や複数業者への問い合わせを自分でやろうとすると、なかなか手間がかかりますよね。そんなときに便利なのが、不用品回収モールのような比較プラットフォームです。
不用品回収モールには、行政許可を持った優良業者のみが掲載されています。地域やサービス内容を選ぶだけで対応業者が一覧表示され、口コミ評価・料金プラン・サービス内容をまとめて比較できます。悪質業者と接触するリスクをぐっと下げながら、自分の状況に合った業者を探せるので、ぜひ活用してみてください。
まとめ
今回の事件を振り返ると、被害を受けた女性が「ホームページを見て依頼した」という、ごく普通の行動がきっかけでした。検索上位に出てくる業者だから安心、という思い込みが被害につながってしまったといえます。
不用品回収を依頼する際は、許可証の確認・書面での見積もり・クーリングオフの説明があるかどうかを事前にチェックするようにしましょう。少し手間をかけるだけで、トラブルを避けられる可能性がぐっと高くなります。

