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「アップサイクルって何のこと？」「リサイクルと何が違うの？」と疑問をお持ちではないでしょうか？
ゴミの活用方法に関するキーワードとしてアップサイクルが登場し、何のことなのか気になっている方も多いはずです。
そこでこの記事では、アップサイクルの概要とリサイクルとの違いについてわかりやすく解説しています。
この記事でわかること
アップサイクルの概要- 環境省によるアップサイクルの取り組み
- アップサイクルで生み出された製品
- アップサイクルのメリット・デメリット
また、アップサイクルの取り組み事例やアイデア、実施するメリット・デメリットも紹介しているので、日本で実施されている環境対策の取り組みをチェックしてみてください。
アップサイクルとは？
アップサイクルとは、通常だと捨てられる製品に新しい価値を付与して再生するアクションのことです。
別名「創造的再利用」と呼ばれており、捨てられてしまう製品の寿命を延ばし、新たな活用方法を見出すために取り組まれています。
まずはアップサイクルの概要を知りたい方向けに、取り組みの位置づけやリサイクルとの違いを紹介します。
アップサイクルの位置づけを簡単に紹介
アップサイクルは、世界中で起こっているゴミ問題の対策として掲げられる「3R（Reduce: 減量化、Reuse: 再使用、Recycle: 再利用）」の一部で、特に「Reuse: 再使用」に関連が深いです。
まず日本では、持続可能な開発目標として「SDGs」が掲げられており、環境対策として次の取り組みが実施されています。
| SDGsに含まれる 取り組み | 取り組みの概要 |
|---|---|
| 3R | ゴミを資源として再び利用する取り組み |
| ゼロ・ウェイスト | 社会活動の中でムダや浪費をなくしてゴミを出さないようにする取り組み |
| サーキュラーエコノミー | 社会活動における資源投入や消費を抑えながら、経済の付加価値を最大化する取り組み |
一見すると、どの取り組みもゴミに関連するものばかりです。
ただ、ゼロ・ウェイストやサーキュラーエコノミーは浪費・消費を減らす対策である一方、アップサイクルは「再び利用する」という意味で3Rともっとも近い位置にあります。
アップサイクルとリサイクルの違い
アップサイクルとリサイクルは、どちらもゴミを再利用するという似た目的で実施されていると思われがちですが、対象となる製品が違います。主な違いを下表にまとめました。
| アップサイクル | リサイクル | |
|---|---|---|
| 再利用する価値 | 新しい製品につくり変えて元より高い価値を付与する（再利用） | 新しい製品につくり変える（再処理） |
| 対象製品 | 洋服やバッグなど | 古紙・プラスチックなど |
まずリサイクルは、廃棄物を再処理して新しい製品をつくる方法です。例えば、古い紙をリサイクルすると、再び新聞や段ボールなどの紙製品として生まれ変わります。リサイクルのプロセスにより、廃棄物を素材として再利用することで、資源の消費を減らし、廃棄物の量を削減することができます。
一方、アップサイクルは、廃棄物を再利用して元の製品よりも価値の高い製品を作る方法です。例えば、古着を使って手作りバッグやアクセサリーを生み出せます。
つまり、アップサイクルは元の素材をより価値の高い製品に変えることが可能です。リサイクルのように資源や廃棄物を削減するだけでなく、プラスアルファの価値として、経済活動に役立つ新しい製品を生み出せます。
もしリサイクルを含む3Rについて興味をお持ちなら、以下の記事をご参照ください。3つの取り組みの違いや具体例を紹介しています。
アップサイクルを推進する環境省の取組事例・アイデア
アップサイクルは環境省の積極的な取り組みの一環として、さまざまなプロジェクトがスタートしています。ここでは、現在実施中の最新事例やアイデアを取り上げ、皆さんに紹介します。
プラスチック・スマートシンポジウムの定期開催
環境省では、海洋プラスチックのゴミ削減に向けて「プラスチック・スマートシンポジウム」という取り組みを進行中です。
毎年2月頃にシンポジウムが開催されており、3Rの取り組みやアップサイクルの進捗状況、最新の企業事例について情報共有されています。
例えば、シンポジウムに参加した静岡県下田市では、ライフセービングの企業と協働して、美しい海を守るためにペットボトルの回収をスタートしました。回収したペットボトルはアップサイクルの取り組みとして、オリジナルのポロシャツやライフセーバーのユニホームとしてつくり変えられています。
プラスチック・スマートシンポジウムでは、ほかにもアップサイクルに関するさまざまな事例が掲載されています。興味がある方は、ぜひ事例ページを確認してみてください。
JR東日本と連携してアップサイクルを実施
鉄道会社であるJR東日本は、駅や建設現場を活用したイベント「ステーション・ミュージアム」を通じて、知的障害のあるアーティストが作成したアップサイクル製品を販売しています。
SDGsに貢献する目的で開催されているイベントであり、環境対策のみならず、障害のあるアーティストの支援を目的としています。
イベントでは、アップサイクルによって生み出されたデザインの異なるトートバッグが販売され、その売上はアーティスト本人や福祉施設に還元されました。
SDGsについて興味がある方は、ぜひ以下の記事をご参照ください。ゴミ問題や関連する事例について詳しく解説しています。
アップサイクルによって生み出された製品・商品ブランド
アップサイクルの製品や商品は、すでにさまざまな企業が販売しています。
参考として、ブランド化している製品を種類別にまとめました。アップサイクルに利用されている原材料や、生み出される製品の種類をチェックしてみてください。
服・アパレル：RYE TENDER
RYE TENDERは、衣類をつくる際に出る残糸・残布をアップサイクルして、新たな製品として生み出すアパレルサービスです。衣類製造のムダをなくすために、残った原材料を使って次のような製品が生み出されています。
- トップス
- パンツ
- スリーブニット
通常の衣類製品と比べて見劣りしないのはもちろん、おしゃれなブランド服として生まれ変わっています。基本的にはRYE TENDERのECサイトを通じて衣類を販売していますが、イベントに定期参加しつつ、アップサイクルの魅力を広めています。
コスメ：明日 わたしは柿の木にのぼる
「明日 わたしは柿の木にのぼる」は、柿農家が廃棄する柿の皮をアップサイクルするオーガニックスキンケアブランドです。
福島県の特産品「あんぽ柿」をつくる際に廃棄される柿の皮を使って成分を抽出し、デリケートゾーンにも使えるスキンケアを生み出しました。
誰もがゴミだと思ってしまう「皮」を再利用した魅力的な取り組みであり、現在もECサイトを通じてスキンケア製品が販売されています。
食品：グッドネイチャーマーケット
グッドネイチャーマーケットは、日本のフードロス問題を解決するために「豆製品のガラなど」を活用して新たな食品を生み出すアップサイクル企業です。
京都市にグッドネイチャーマーケットの店舗を構えているほか、ECサイトを通じておしゃれで栄養満点の食品を購入可能です。
栄養はあるけれど「メインの材料ではない」という理由で捨てられてしまうガラをムダにしないこと、そしておしゃれなデザインの商品としてつくり変わったことが話題となり、入荷待ちになるほどの人気が生まれました。
家具：アップサイクルインテリア
アップサイクルインテリアは、使われずに処分される端材・廃材を活用し、おしゃれで遊び心のあるインテリアを生み出すアップサイクルのセレクトショップです。
例えば、端材を利用して学習机・椅子といった大型のインテリアを製造しているほか、使われなくなった蛇口や楽器をランプやハンガーラックの一部として使用しています。
またアップサイクルインテリアでは、アップサイクルを題材としたオリジナルブランド「tumugu upcycle furniture」を販売しているほか、全国から取り寄せた端材・廃材を使い、1つ1つ形の違うユニークな製品を販売中です。
インテリアのオーダーメイドにも対応しているなど、積極的なアップサイクルに力を入れています。
アップサイクルのメリット
3Rといった取り組みが実施されているなか、アップサイクルに取り組むメリットを2つ紹介します。
所有物の寿命を延ばせる
アップサイクルを実施すれば、通常だと処分・廃棄される製品や商品の寿命を延ばせます。
例えば、廃材を使ってインテリアをつくれば、ゴミとして捨てられる材料が何十年も使い続けられる製品へと生まれ変わります。また、廃棄されるのが当たり前だと思われていた食材のカスなどから新しい製品・商品が生み出されることもあります。
そのままゴミに出されれば価値を生み出せませんが、アップサイクルに取り組むことにより材料ひとつひとつの寿命が延び、資源をムダにせずに済みます。
さらには売り物としての価値をつくり出せるため、環境・経済に優しい取り組みとして企業にも導入してもらいやすいのがメリットです。
SDGsの取り組みに貢献できる
アップサイクルは、SDGsの12番目の目標である「つくる責任、つかう責任」に貢献できるのがメリットです。
企業が製品・商品を作る際に処分する材料を有効活用できるだけでなく、消費者が購入することによって、材料ロスやフードロスの削減に貢献することもできます。
今までムダに捨てられてきたものに新たな価値を付与できるため、近年では環境省が主体となり、生産者や消費者にアップサイクルの呼びかけを行っています。
アップサイクルのデメリット
環境と経済に良い影響を生み出すアップサイクルですが、いくつかのデメリットも存在します。取り組み中にネックになりやすいポイントを詳しく紹介します。
アップサイクルの費用・手間がかかる
アップサイクルは資源・材料をムダにしない魅力を持っていますが、資源・材料を集めること、制作したりすることには手間や費用がかかります。例えば、次のような点にコストがかかります。
- ムダにされている資源・材料を見つける
- アップサイクルに使える品を厳選する
- アップサイクルする設備を整える
アップサイクルは無駄にされているものがあることを前提として実施する取り組みです。しかし、必ずしも適切な資源・材料が見つかるわけではないため、安定供給が難しい場合があります。
また、集めた資源・材料をすべてアップサイクルに利用できるとは限らないことにも注意が必要です。通常だと捨てられる品ということもあり、品質がばらつきやすく仕分け・厳選に時間と費用がかかります。
ほかにも、アップサイクルに対応するための設備投資といったコストがかかることも少なくありません。アップサイクルから安定して利益を確保するのが難しいことにも注意してください。
廃棄物ゼロにはつなげられない
アップサイクルは、通常なら捨てられるものの寿命を延ばす魅力的な取り組みですが、時間が経てばいずれ廃棄されるため、完全な廃棄物ゼロにはつながりません。
経済活動の中で、資源・材料は経年劣化や損傷によって廃棄が必要になります。また、アップサイクルの需要が高まると、新たな消費が生まれるかもしれません。
廃棄物を減らすことには役立ちますが、廃棄物ゼロを目指したいのなら、アップサイクルだけでなく、3Rやゼロ・ウェイスト、サーキュラーエコノミーなど、SDGsに関わる複数の取り組みを進める必要があります。
まとめ：アップサイクルした後の品・できない品の処分は不用品回収業者に相談しよう
アップサイクルは、通常だと廃棄される品に新たな価値を付与する魅力的な取り組みです。近年ではアップサイクルに用いる材料の提供を求める企業も多く、消費者もアップサイクルに貢献しやすくなっています。
しかし、すべての品がアップサイクルに適しているわけではありません。利用できない品も出てくるため、その処分方法について悩むこともあるでしょう。そんな時に頼りになるのが不用品回収業者です。
不用品回収モールは、こうしたニーズに応えるために、「ぼったくりの撲滅」に賛同する優良な不用品回収業者だけを掲載しています。
例えば、「自分が処分したいゴミや不用品がアップサイクルに活用できるかわからない」「適切な処分方法がわからない」と悩んでいる場合、不用品回収モールを利用することで、信頼できる業者に相談し、適切な処分を依頼することができます。
SDGsに取り組む業者が多いほか、許可証の有無や許可番号、サービス実績などを事前に厳しくチェックした業者だけを掲載しているのがサービスの魅力です。
不用品回収モールでは、さまざまな業者が紹介されており、あなたのニーズに合った業者を簡単に見つけることができます。
「不用品回収業者に任せて良いか不安…」「ぼったくりが心配…」と感じている方も、不用品回収モールなら安心です。アップサイクルと適切な不用品処分を両立し、環境に優しい生活を実現するために、ぜひ不用品回収モールを活用してみてください！
