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遺品整理業者は、遺品の仕分けや片付け、部屋の清掃などを行う業者です。年々利用する人が増えてきたことに伴って、業者数も増加傾向にあり、初めて依頼したいと考えている人は、どこに依頼すればいいのか悩むでしょう。
本記事では、遺品整理業者のサービス内容や良い業者の特徴と選ぶコツ、料金の決まり方などについて紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 遺品整理業者と不用品回収業者の違い
- 良い遺品整理業者の選び方
- 良い遺品整理業者の特徴
- 料金の決まり方と内訳
また、遺品整理において、捨ててはいけないものを以下記事で紹介しているので、ご自身で遺品整理を行う方は是非参考にしてください。
遺品整理業者とは?
遺品整理業者は、遺族の代わりに故人の遺品整理を行う専門業者です。遺品整理による、遺族の精神的な負担を軽減できることから、近年利用者が増えています。
また、一軒家の片付けなど多くの遺品を遺族だけで整理することは、精神的だけでなく肉体的にも負担がかかります。業者に依頼することで必要な遺品を残しつつ、不要な物をまとめて回収してもらえるため、遺品整理と処分を一度に終えられる点も特徴です。
遺品整理業者のサービス内容一覧
遺品整理業者が提供している主なサービスと、おすすめの人をご紹介します。
サービス内容 | おすすめの人 |
---|---|
物の片付け | 買取はまだ考えておらず、物の整理をしたい |
貴重品・重要書類の探索 | 遺言書などの貴重品を優先的に探したい |
ハウスクリーニング | 遺品整理後に家をきれいに掃除したい |
お焚き上げ | 自分では処分しづらい遺品を供養してほしい |
不用品の買取 | 遺品として残す物以外を売りたい |
遺品整理業者と不用品回収業者の違い
遺品整理業者と不用品回収業者は、似ている部分があります。しかし、作業内容によってはどちらかのみ対応していることもあります。
どちらに依頼するか迷ったら、遺品整理業者と不用品回収業者の違いを把握したうえで、依頼先を決めましょう。
サービス内容
作業内容 | 遺品整理業者 | 不用品回収業者 |
---|---|---|
不用品の回収と処分 | 〇 | 〇 |
使うものと不用品の分別 | 〇 | 〇 |
貴重品・重要書類の捜索 | 〇 | × |
ハウスクリーニング | 〇 | 〇 |
特殊清掃 | 〇 | × |
お焚き上げ | 〇 | × |
不用品の買取 | 〇 | 〇 |
作業の目的
不用品回収業者は、使わなくなった日用品から家具、家電などを引き取ることが目的です。また、業者によってはまだ使える物の買取も行っており、不用品をまとめて手放したい方におすすめです。
一方で、遺品整理業者は故人が暮らしていた部屋や家を整理・清掃することが目的です。遺品の整理はもちろん、遺言書や身分証明書の捜索・保管、ハウスクリーニングまでを依頼できるのが特徴です。さらに、不要回収業者とは異なり、扱うものを「遺品」として捉えているため、遺品整理業者のほうが物の扱いが丁寧です。
良い遺品整理業者の選び方
遺品整理業者は年々増えているため、どこに依頼するのか迷う方もいるでしょう。遺品という大切な品々の取り扱いを依頼するからこそ、業者選びは慎重に行いましょう。
そこで、良い遺品整理業者の選び方として、知っておきたいポイントを紹介します。
遺品整理士が在籍しているかどうかを調べる
良い業者を選ぶ際は、遺品整理士が在籍しているかどうかを調べましょう。
「遺品整理士」とは、遺族に代わって遺品を整理して部屋の清掃、不用品の解体などを行うために必要な資格です。以前は、資格のない人が遺品の整理をしていましたが、悪質な買取や持ち出しなどのトラブルが相次いだことで、「遺品整理士認定協会」により民間資格として認定されました。
そのため、資格の持たない人とは違って、故人と遺族の気持ちを尊重して丁寧に作業を行ってくれるので、安心して作業を任せられます。
3社以上の業者に訪問見積もりを依頼する
依頼する業者を決める際には、必ず3社以上から訪問見積もりをしてもらいましょう。
同じ作業でも業者によって、かかる費用にバラつきが出る可能性があります。また、費用の相場もある程度把握でき、相場よりも費用が高すぎたり、安すぎる業者は「悪徳業者ではないか」と警戒して、ぼったくられずに済みます。
大切な人を失って気持ちの整理ができない期間ですが、1人で決めようとせず親族とも相談しながら、3社以上に見積もりを依頼して納得できる遺品整理業者を選びましょう。
見積書の内容の充実度を確認する
見積もりをしてもらったら、見積書の内容をチェックすることも大切です。
見積書の内容がどれくらい充実しているのか、明朗会計で信頼できそうかなど、次のポイントでそれぞれくわしくご紹介します。
紙で見積書を渡してもらえる
紙で見積書を渡してもらえる業者は、後に比較しやすく証拠として保管できます。一方的に見積書を見せてもらうだけでは、後ほど請求額が見積もりと違った場合に、証明できなくなってしまいます。
きちんと見積書を紙として渡してもらえるところなら、後の金銭トラブルの予防になります。
作業内容と料金が具体的に書かれている
作業内容と料金が具体的で、項目別に分かれている見積書は信頼できるポイントです。
ざっくりと遺品整理の費用としてではなく、遺品の仕分けや片付け、回収費用といった項目がわかっている見積書なのか見てみましょう。
何の作業にどれくらいの料金なのか明確に記載されていると、ほかの業者とも比較しやすくなります。
追加料金があるかどうかが明記されている
見積もり後に追加料金が発生する可能性があるか、はっきりと明記されているかどうかもチェックしましょう。
例えば、想定よりも遺品の量が多かったり、処分費用が高くなったりすると、作業後に追加料金が発生する可能性があります。
見積もり時点では安いと思っても、結果的に追加料金によってほかの業者よりも高くなってしまうケースもあるのです。
不用品の買取・処分価格が明記されている
不用品の買取価格や処分価格をきちんと明記していることも大切です。
1点ずつ買取価格や処分にかかった費用が記載されているうえ、価格の理由を尋ねたときに答えてもらえる業者を選びましょう。
どの品物がいくらで買い取ってもらえるのか分かれば、本来よりも価値のある物を不当に安く買い取られるリスクが減ります。
また、遺品整理の際、骨董品や美術品が見つかった場合、それらを適正に評価してもらうには専門の買取業者に相談するのがおすすめです。骨董こたろうは、骨董品の査定や買取を専門とする実績豊富な企業です。ぜひ一度ホームページをご覧ください。
スタッフの対応が丁寧かどうかを確認する
スタッフの対応の丁寧さは、業者を信頼できるかどうかを見極めるポイントです。訪問見積もりの時点で、スタッフの言葉遣いや対応の丁寧さに納得のいく業者に依頼しましょう。
また、見積もり費用の説明、作業内容についての質問などに、具体的に説明してくれるのかも判断材料の1つです。こちらの質問に対して、回答が不十分だったり、何となく不信感がある業者には依頼しないようにしてください。
ホームページに実績・口コミの記載があるかも確認しておく
業者を選ぶ際は、訪問見積もり後に、ホームページの実績や口コミもチェックしましょう。気になるところがあれば、メールや電話で問い合わせをして、不安や懸念点を失くしておくのがおすすめです。
また、メールや電話での問い合わせでの対応の丁寧さについてもチェックしておき、判断材料の1つにすると良いでしょう。
サービス内容に必要な許可や資格を取っているかを調べる
良い業者を選ぶ際に、サービス内容によって、本当に必要な許可や資格を取っているか忘れずに見ておきましょう。遺品整理業者が行うサービスには、以下の資格が必要になります。
- 一般廃棄物収集運搬許可
- 古物商許可
家庭から遺品を回収するには、一般廃棄物収集許可証が必要になります。ただし、多くの遺品整理業者は、許可を持っていないため、許可を持っている業者に廃棄物の運搬に関わる業務を委託しています。ホームページを調べて、提携先があるかどうかを確認しておきましょう。
また、骨董品や貴金属などの価値のある遺品を買い取ってもらう際は、必ず古物商許可を取得している業者に依頼しましょう。もし、業者が取得していることを知らずに売却してしまうと、こちら側は罪に問われませんが、業者は何かしらの事情があって取得できていない可能性があるため、本来よりも安く買い取られてしまうかもしれません。
もし不法投棄されてしまうと依頼者側も罪に問われる可能性がある
もし、処分してもらった遺品が不法投棄されてしまうと、業者だけでなく依頼者側まで罰せられる可能性があるため、業者選びは慎重に行いましょう。
業者に売ったつもりが、許可がない相手に渡した場合は、そのまま元の所有者が捨てたことと同罪になってしまいます。遺品整理業者は実績とともに資格、許可を受けている業者に依頼することが鉄則です。
遺品整理士の資格があると質の良いサービスを受けられる
遺品整理士の資格は、作業をするにあたって必須ではないものの、業者を選ぶポイントの1つとして重要です。
少しでも質の高いサービスを受けたいなら、ホームページを確認して「遺品整理士」の資格を持ったスタッフが所属しているかを調べてみましょう。
良い遺品整理業者の特徴
良い遺品整理業者の特徴として、おさえておきたい3つのポイントをご説明します。
渡された見積書が明確に記載されている
良い遺品整理業者は、見積書がわかりやすく、項目ごとの金額が明確であることが特徴の1つです。悪徳業者の場合は、見積書を具体的に書かなかったり、見積書自体を作成しなかったりする傾向があります。
さらに、作業後に具体的な項目を書いていなかったことを理由に、不当な高額請求をしてくるケースは少なくありません。見積書の内容を見て不明点があれば、必ず作業を開始するまでに質問しましょう。
そのうえで納得できない部分があれば、業者に依頼せずに別の業者を探してトラブルを回避しましょう。
スタッフの対応が丁寧である
スタッフの対応が丁寧で、質問にわかりやすく答えてくれるところは良い遺品整理業者である可能性が高いです。悪徳業者はスタッフの勧誘がしつこく、こちらがあまり納得していない状況でも無理に契約をさせようとしてくる傾向があります。
とにかくいち早く契約を迫ってくる際は、業者に流されずにその場で契約せずに一旦考える時間を作りましょう。
スタッフの経験が豊富で実績がある
良い遺品整理業者の特徴として、スタッフの経験が豊富で、多くの遺品整理の実績があることが挙げられます。スタッフの経験年数が短いと、どうしても作業に対するノウハウや知識は少なめです。
結果的に、捨ててほしくない物を処分されたり、遺品を傷つけられたりして、遺族が後悔する結果になりかねません。そのような後悔をしないために、サービスを開始してからの年数が長いところや、依頼数が多い遺品整理業者を選びましょう。
遺品整理の料金の決まり方
遺品整理の料金は、業者によるだけでなく作業する環境によっても大きな違いがあります。どこを基準に見積もり額が決まるのか、知っておきたいポイントをご紹介します。
部屋の広さ・作業人数・作業時間によって決まる
部屋の広さ、作業する人数、時間によって料金は変化します。また、遺品の量が多く運び出すトラックの台数が増えれば、その分運搬費もプラスされます。
1日で片付けが終わらなければ、日数分の人件費なども上乗せされるため、あらかじめ見積もりの時点で料金を確認しておくと安心です。
東京都の部屋の間取り別での料金相場は次の通りです。業者や遺品の量によって違いがありますが、目安として参考にしてください。
1K | 30,000円~ |
1LDK | 50,000円~ |
2LDK | 100,000円~ |
3LDK | 150,000円~ |
処分品の量によって料金は変動する
遺品の量が多く、作業する時間が長くなったり、トラックの台数が増えたりすると間取りが1LDK程度でも、遺品の量が少なく、作業時間が短かった3LDKと同じくらいの費用になる可能性があります。
例えば、大型の家具家電の持ち出しや回収費用などを合わせると、1LDKだとしても30~50万円の費用がかかることがあります。
反対に遺品が少ない環境であれば、5万円以内におさまることもあるのです。
駐車場と作業現場が近いと安くなる
駐車場から作業現場が近いと、作業量が少なく移動時間が短縮される分料金が安くなります。
反対に近くにトラックを置けるスペースがなく、遠方の有料駐車場に置く必要がある環境や、アパートの上層階といった高さのある部屋の片付けは、追加料金が発生する可能性もあります。
建物にエレベーターがないと高くなる傾向がある
建物にエレベーターがない2階以上の物件の片付けは、運搬に手間がかかるため料金が高くなります。例えば、5階建てのマンションにエレベーターがなければ、その分を業者の方が何度も現場とトラックを往復することになります。
これに伴って、人件費が発生し、追加で料金が加算される可能性があります。
買取品の量や処分品の種類によって値引きされる可能性がある
買取できる品目が多く、高価買取できる家電や家具があれば、その分遺品整理料金が値引きされます。
買取額から作業料金を引いた額の支払いになれば費用を抑えられるため、一括で片付けと査定を依頼できる遺品整理業者がおすすめです。
企業が独自の工夫をしている
料金が比較的安い業者は、業者ならではの工夫をしているケースがあります。
例えば、トラックへの積み方を工夫して一台に多くの荷物を積める場合は、台数が少ない分料金が安くなります。
また、見積もりの時点で家の中の遺品の量を把握して、トラックをできるだけコンパクトなものにするなど、独自の工夫によって料金がおさえられているのです。
安いからといって、必ずしもサービスの質が悪いとは限りません。ポイントは見積もりや接客の丁寧さ、口コミの良さなどから判断することをおすすめします。
まとめ
遺品整理は、遺族に精神的・肉体的な負担がかかるため、遺品整理業者に片付けを依頼する方が年々増えています。特に、遺品の整理に加えて、特殊清掃やお焚き上げも併せて依頼したい場合は、プロのサポートを検討するのがおすすめです。
不用品回収モールでは、遺品整理と不用品回収を行う業者が多数登録されています。さらに、登録されている業者は、廃棄物収集運搬許可証などの作業を行う際に必要な資格を取得しているかを事前にスタッフが確認しているため、安心して依頼できます。
精神的に辛く、部屋が広く遺族だけでは整理ができない場合は、専門業者に依頼すれば素早く対応してもらえるため、少しでも負担を軽減できます。
不用品回収モールを利用して、あなたに適した業者を探し、いくつかの業者に見積もりの依頼をしてみてください。