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電球の捨て方は、種類によって異なります。
不燃ゴミに分類する場合もあれば、有害ゴミとして、特別な処分方法を採用しなければならないこともあります。
しかも電球の種類は多いため、まず電球の種類を正しく見分け、自治体ごとに異なる分別方法を調べてから捨てることが大切です。
そこでこの記事では、電球の種類と特徴を解説したのちに、それぞれの基本的な捨て方をご紹介します。
なお本記事では「ランプ」も含めて「電球」として解説を進めます。
この記事でわかること
- 電球の種類と特徴
- 電球の種類の見分け方
- 電球を自治体のゴミとして捨てる方法
- 無料回収で捨てる方法
- 電球を捨てる時の注意点
電球の種類と特徴
電球とひとことでいっても、種類はさまざまです。
代表的な電球には、次のようなものがあります。
これらを大別すると、LED・放電ランプ・電球の3種類に分類できます。
LED | 放電ランプ | 電球 |
---|---|---|
LED電球(LEDランプ) | ・水銀灯(水銀ランプ) ・高圧ナトリウムランプ ・メタルハライドランプ ・電球型蛍光管グロー球UVランプ | ・白熱電球 ・ハロゲンランプ ・ミニクリプトン球 |
捨て方を理解するために、それぞれの特徴を確認しておきます。
LED電球(LEDランプ)
一般住宅や業務用の照明など、屋内外で広く活用されているのが、LED電球(LEDランプ)です。
LED電球(LEDランプ)の特徴
- 寿命が長い
- 省エネ効果が高い
- スイッチを入れた瞬間から明るい
- 熱くなりにくい
- 明るさや色味のバリエーションが豊富
- 小型の電球のラインナップが豊富
- 環境への負荷が低い
LED電球(LEDランプ)は蛍光灯や白熱電球に比べて寿命が長く、約40,000時間程度使用できるメリットがあります。
また白熱電球やハロゲンランプに比べて消費電力が少なく、省エネ効果が高いのも特徴です。
また蛍光灯と違い、スイッチを入れた瞬間から明るさを得られます。
さらに白熱電球やハロゲンランプに比べて発熱が少ないことから安全性が高いのも利点です。
色温度が選べることから、好みや用途に応じた明るさや色味を選べます。
小型化が容易で、さまざまな形状やデザインの照明器具に対応することから、現在広く活用されている電球が、LED電球(LEDランプ)です。
LED電球(LEDランプ)は水銀を使用していないため、環境への負荷が低い点も評価されています。
水銀灯(水銀ランプ)
水銀灯(水銀ランプ)は水銀蒸気を利用して発光するランプで、白っぽい青色の光を放ちます。
エネルギー効率はそれほど高くないものの強い光を発することから、広範囲の照明として活用されてきました。
日本では広く街灯、公園、体育館、グラウンド、工場などの照明器具として使用されています
しかし水銀は、常温では液体で存在する金属です。
中でもメチル水銀は、公害の一つとして多大な健康被害をもたらした水俣病の原因とされています。
環境への影響が懸念されることから近年では、水銀灯(水銀ランプ)は世界的に使用が制限される傾向にあります。
なお一般社団法人日本照明工業会の発表によれば、水銀を使用する電球のうちメタルハライドランプや高圧ナトリウムランプは、例外として規制の制限対象外です。
高圧ナトリウムランプ
高圧ナトリウムランプはナトリウム蒸気を使用して発光するランプであり、水銀を使用するランプの一種です。
高圧ナトリウムランプには、次のような特徴があります。
- 黄色がかった明るい光を放つ
- エネルギー効率が高く、寿命が長い
商業施設の照明や街灯、トンネル内や工場の照明などの用途で広く使われてきたのが、高圧ナトリウムランプです。
ただ2010年代以降はLED灯の普及に伴って、活用されるシーンが減りつつあります。
メタルハライドランプ
メタルハライドランプは水銀灯(水銀ランプ)の一種です。
高圧水銀蒸気の中に添加する金属ハロゲン化物(メタルハライド)の種類によってバラエティに富んだ明るさや照明の色を演出できることから、スポーツ施設や商業施設など、屋内外のさまざまなシーンで活用される電球です。
ただし世界的に水銀灯の使用を控える流れがあり、現在では水銀灯(水銀ランプ)は、LEDライトに代替されることが増えています。
Panasonicでは、メタルハライドランプの商品受注を2023年9月30日に、出荷を2024年3月31日に終了すると発表しています。
メタルハライドランプは今後、流通量が減少することが予測される電球です。
キセノンランプ
キセノンランプは、キセノンガスを利用した高輝度放電灯の一種です。
自動車や映画館のプロジェクターなど、業務用の電球として使われています。
広いスペクトル範囲の光を放ち、太陽光に近い色温度で明るく活動的な光を持ちます。
エネルギー効率が高く、寿命の長い電球です。
電球型蛍光管(電球形蛍光ランプ)
電球型蛍光管(電球形蛍光ランプ)は、電球の形状をした蛍光灯です。
蛍光灯のランプ部分と、放電を安定させるための装置である安定器が一体になっています。
白熱電球器具で、口金や電球のサイズが合えば、白熱電球の代わりに使用可能です。
省エネで長寿命という特徴から、政府の方針で、2012年を目処に白熱電球を廃止し、電球型蛍光灯に乗り換えるという運動が推進されたタイミングで普及しました。
しかし現在では電球形蛍光灯からLEDへと切り替えが推奨されていることから、大手のメーカーでは電球形蛍光灯は製造を中止しており、流通量も減少しています。
グロー球(グローランプ・点灯管)
グロー球(グローランプ・点灯管)は、蛍光灯を光らせるために必要な電圧を得るための電球です。
蛍光灯の種類によってE型とP型を使い分けます。
なお蛍光灯を交換したにもかかわらず照明がつかない場合は、グロー球(グローランプ・点灯管)が寿命を迎えている可能性が考えられます。
UVランプ(紫外線ランプ)
UVランプ(紫外線ランプ)は紫外線(UV)を主成分とする光を放つランプで、蛍光灯の一種です。
主な用途
- 殺菌や塗料の硬化
- 印刷インクの乾燥
最近では、ジェルネイルを硬化させるライトとして家庭用のUVランプも広く流通しており、「ブラックライト」や「レジンやネイルの硬化用ライト」といった名称でも知られるのがUVランプ(紫外線ランプ)です。
可視光線が少ないため、一般的な照明としての用途では使用しません。
光を照射することで殺菌したり塗料などを硬化させたりといった、特定の用途に使用される電球です。
UVランプ(紫外線ランプ)は紫外線を発することから、人体への影響が懸念されます。
UVランプ(紫外線ランプ)を安全に使用するためには、適切な取り扱いが必要です。
半年程度で光が弱くなるため、定期的な交換が欠かせません。
白熱電球
ガラス球内部のフィラメント(抵抗部分)を用いることによって熱を発生させ、その熱による光を利用した電球を、白熱電球と呼びます。
暖かく柔らかな光を放つ特徴があり、一般家庭用の電球として使用されてきました。
消費電力が大きく、地球温暖化の原因とされるCO2を大量に発生させる点が懸念されてきました。
2008年には、地球温暖化につながるという観点から、欧州連合(EU)が白熱電球の販売を禁止しています。
白熱電球の環境負荷に対する世界的な懸念を受けて日本でも、2012年までに白熱電球の製造を中止するよう、政府が呼びかけました。これ以降、白熱電球の流通量は、日本国内でも激減しています。
ハロゲンランプ
ハロゲン電球とも呼ばれるハロゲンランプは、白熱電球の進化形ともいえるハロゲンランプには、次のような特徴があります。
- 一般の白熱電球より2倍程度の長寿命
- 最後まで明るい光を放つ
- 光の透明度が高い
- コンパクトでありながら光に照らされた面の明度(光束)が高い
電球の内部にはハロゲンガスが封入されており、タングステンと呼ばれる金属で作られた細い線(フィラメント)に電流を流すことで発熱させて光を放ちます。
店舗などの業務用として、古くから使用されてきました。
ただ気候変動対策の取り組みの一環として、英国をはじめとして海外では販売中止が発表されているのが実情です。
日本のメーカーであるPanasonicも、2024年3月末日をもってハロゲンライトの生産を完了することを発表しています。
ハロゲンランプは、今後流通量が減少することが想定される電球です。
ミニクリプトン球
ミニクリプトン球は、一般照明に使用されているアルゴンガスより原子量の大きいクリプトンガスを封入したことで長寿命を実現した小型電球です。
コンパクトサイズながら明るい光を放つことから、ダウンライト等のベース照明や、スタンド照明、ブラケット照明など、ハロゲンライトと同様に業務用としても古くから使用されてきました。
しかし世界的なクリプトンガスの不足を受けて、各メーカーが軒並み製造中止を発表しています。
Panasonicでは2022年8月1日より、一部品番を除き受注停止する旨を発表しました。
今後より一層品薄になることが推測されています。
電球の種類の見分け方
電球を捨てる際に、どの種類か見分けられず分別に困ることがあるでしょう。
そういった場合は、電球の根元に当たる口金やガラス部分に書かれたアルファベットや数字をご確認ください。
電球はアルファベット部分で、種類を判別できます。
電球に記載された表記の一例
電球の種類 | アルファベット表記 |
---|---|
LED電球 | LDR・LDC・LDF・LDT・LED・LEL・LECから始まる |
白熱電球 | LWT・KR・RF・RS・BRS・CRSから始まる |
電球型蛍光ランプ | EFAから始まる |
上記で当てはまるものがない場合は、インターネットでアルファベットと数字をすべて入力して検索すると、当該商品が見つかります。
そこからどの種類の電球かわかるので、お試しください。
【種類別】電球を自治体のゴミとして捨てる方法
電球を捨てる際の分別方法は自治体によって異なりますが、ほとんどの場合でLED電球と白熱電球などは同じ捨て方を採用しています。
ただし蛍光灯や放電ランプ類は、LED電球や白熱電球などとは捨て方が異なるため、ご注意ください。
LED・電球 | 放電ランプ | ||
電球の種類 | ・LED電球(LEDランプ) ・白熱電球 ・ハロゲンランプ ・ミニクリプトン球 | 電球型蛍光管 グロー球 | ・水銀灯(水銀ランプ) ・高圧ナトリウムランプ ・メタルハライドランプ ・UVランプ |
水銀 | 不使用 | 使用 | |
主な捨て方 | 一般ゴミ | 不燃ゴミ専用の 回収ボックス | 自治体に要確認 |
なおこの記事で紹介する電球の捨て方は、家庭から排出されるゴミの場合です。
オフィスや事業所で使用した電球の場合は産業廃棄物に分類されるため、自治体のゴミとして捨てることはできません。
産業廃棄物の回収業者に、回収と処分をご依頼ください。
LED電球(LEDランプ)・白熱電球などの水銀不使用の電球
LED電球(LEDランプ)には、水銀が使用されていません。
そのため自治体のゴミとして捨てる場合は、一般ゴミに分類されるのが一般的です。
ただし一般ゴミといっても自治体によって、普通ゴミとして一括して収集する場合もあれば、不燃ゴミや資源ごみとして分類されることもあるため、詳細はお住まいの自治体にご確認ください。
各自治体でLED電球(LEDランプ)を捨てる際の分別方法
自治体名 | 分別方法 | 注意点 |
---|---|---|
札幌市 | 燃やせないごみ | ─ |
世田谷区 | 不燃ごみ | 割れないようにケース等に入れて捨てる |
川崎市 | 普通ごみ | 厚紙に包み「ワレモノキケン」と明記 |
名古屋市 | 不燃ごみ | ─ |
大阪市 | 普通ごみ | 厚紙に包み「キケン」と明記 |
京都市 | 燃やすごみ | ─ |
岡山市 | 不燃ごみ | ─ |
福岡市 | 燃えないごみ | ─ |
蛍光灯(蛍光ランプ)
蛍光灯は水銀が使用されているため、LED電球や白熱電球などとは捨て方が異なります。
捨てる際に厚紙で包むなどの対応が必要なケースもあるので、ご注意ください。
自治体名 | 分別方法 | 注意点 |
---|---|---|
札幌市 | 電器店、スーパー、家電量販店 などの回収協力店で無料回収 | ・白熱電球やLED電球は燃やせないごみ ・割れている蛍光管は回収不可 ・120センチより長い蛍光管は燃やせないごみもしくは大型ごみ |
世田谷区 | 不燃ごみ | 割れないようにケース等に入れて捨てる |
川崎市 | 普通ごみ | 「蛍光管」と明記の上、ほかの普通ごみと分けて捨てる |
名古屋市 | 不燃ごみ | 厚紙等に包み「キケン」と明記して捨てる |
大阪市 | 専用の回収ボックス 無料の訪問回収 | 訪問回収は事前の電話申し込みが必要 |
京都市 | 専用の回収ボックス | ・白熱電球やLEDは不可 ・割れている場合は、厚紙に包んで燃やすごみ |
岡山市 | 専用の回収ボックス | ・新聞紙等に包んで出す ・白熱電球やLEDは不可 |
福岡市 | 専用の回収ボックス | 包装紙等は外して蛍光灯だけ捨てる |
UVランプ
UVランプは紫外線を放つ特殊なランプです。
自治体の指示に従って、適切に捨てる必要があります。
世田谷区では、最長辺が30cm以内であれば不燃ごみとして捨てられます。
最長辺が30cmを超える場合は粗大ゴミの扱いとなるため、回収の申し込みや処理券の購入が必要です。
高圧ナトリウムランプ・水銀灯(水銀ランプ)
高圧ナトリウムランプや水銀灯(水銀ランプ)は、水銀のほかに特殊なガスを含んでいます。
一般家庭で使用する機会はほとんどない電球ですが、処分する際は、産業廃棄物処理業者を介して処分してください。
ただし産業廃棄物の処分に必要な許可にはいくつかの種類があります。
高圧ナトリウムランプや水銀灯(水銀ランプ)を回収処分するためには、都道府県知事から「水銀使用製品産業廃棄物の回収処分の許可」を受けた業者に、依頼しなければなりません。
水銀使用製品産業廃棄物の回収処分の許可を受けた業者を探す際は、自治体の公式サイトで検索できます。
公開されていない場合は、お住まいの自治体に直接お問い合わせください。
家電量販店やホームセンターの無料回収で捨てる方法
使用済みの電球は、家電量販店やホームセンターでも無料で回収していることがあります。
照明器具などの家電を購入するタイミングで持参して、回収を依頼するのもよいでしょう。
各家電量販店の対応状況は、以下の通りです。
家電量販店名 | 電球回収サービス 有無 | 回収方法 | 回収料金 |
---|---|---|---|
ノジマ | 〇 | 回収ボックス スタッフに手渡し | 無料 |
ヤマダ電機 | 〇 (一部店舗) | 回収ボックス | 基本無料 (有料の場合があり) |
ケーズデンキ | 〇 (一部店舗) | 回収ボックス | 無料 |
ジョーシン | 〇 (一部店舗) | 回収ボックス | 無料 |
ヨドバシカメラ | 〇 (一部店舗) | 回収ボックス | 基本無料 (有料の場合があり) |
ビックカメラ | 〇 | 回収ボックス | 無料 |
エディオン | 〇 (一部店舗) | 回収ボックス | 基本無料 (有料の場合があり) |
ただし基本的には回収ボックスを常設して電球の回収をおこなっている家電量販店でも、店舗によって対応していないことがあります。
特に商業施設内にある店舗や小規模な店舗では、回収サービスに対応していないことが少なくありません。
直営店とフランチャイズ店で、サービス内容が異なる場合もあります。
また店舗によって、回収できる電球の種類もさまざまです。
いらなくなった電球を家電量販店に持ち込む場合は、店頭を訪れる前に、来店予定の店舗に電球の回収の可否をご確認ください。
電球を捨てる時の注意点
電球を捨てる時の注意点は、3つあります。
- 電球の種類によって正しく分別する
- 割れている時は厚紙などで包んで「キケン」と明記する
- 事業所で使用した電球は自治体のゴミに捨てられない
正しく分別する
電球の種類によって捨て方が異なります。
例えば蛍光灯にはさまざまな形状があり、電球と同じ形状のものもあります。
しかし蛍光灯である場合は形状を問わず、蛍光灯として捨てなければなりません。
蛍光灯には水銀が使用されており、誤って捨てると思わぬ事故につながります。
電球を捨てる際は、まず正しく種類を見分けることが重要です。
その上で、お住まいの自治体の指示に従い、適切に捨ててください。
割れている時は厚紙などで包んで「キケン」と明記する
電球は、割れやすい製品です。
ゴミを回収するスタッフがケガしないよう、保護してから捨ててください。
自治体によっては、新しく購入した電球のケースに入れたり、新聞や厚紙で包んで捨てることを推奨しているケースもあります。
ただし自治体のルールで、養生せずに電球をそのまま捨てるように決められている場合は、この限りではありません
事業所で使用した電球は自治体のゴミに捨てられない
家庭で使用した電球は自治体のゴミなどに捨てられますが、オフィスなどで使用した電球は産業廃棄物に分類されます。
また特殊なガスを使用した電球も、産業廃棄物に分類される製品です。
特に特殊なガスを使用した電球や蛍光灯には水銀が入っているため、産業廃棄物の業者の中でも水銀を含む製品の回収処分の許可を得ている必要があります。
有資格の業者は自治体のホームページで調べられるので、ご参照ください。
まとめ
電球は種類によって捨て方が異なります。
現在広く普及しているLEDライトであれば、一般ゴミとして捨てられるケースがほとんどです。
蛍光灯などの水銀を使用した電球や特殊なガスを使用した電球を捨てる際は、自治体ごとに定められたルールに基づいて適切な方法で捨てる必要があります。
誤って電球を捨てると事故につながる可能性があるため、十分ご注意ください。
ただ引越しや部屋の模様替えなどで家中の電球を処分する場合、また照明器具など、ほかの不用品と一緒に捨てる場合は、不用品回収業者に回収を依頼するのもよいでしょう。
不用品回収業者に依頼すれば、個別に電球を取り外して分別する手間がかかりません。
不用品回収業者をお探しの場合は、ぜひ「不用品回収モール」をご利用ください。
「不用品回収モール」を活用することで、実際に利用した方の口コミを参考に業者探しができるので、面倒な業者探しをする手間も削減することができます。
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